農業と水
社会経済の状況や技術水準は、農業の形態を決める重要な要素に違いない。だがそれ以上に、水の確保と治水は、農業の歴史を常に大きく変えてきた。天竜川下流域の農業を、時代の要請に応じて変えてきたのも、この水と言っても過言では無いだろう。
金原明善用水や寺谷用水は、天竜川下流の扇状地を安定した水田農業の沃野に変えた。それに昭和39年から本格的に整備されてきた三方原用水は、それまでのハクサイやダイコンといったものから商品性の高い作物、施設園芸へと大転換を遂げる契機となった。
浜松市は、工業都市でもあるが一大農業生産都市でもある。セロリ、ハネギ、馬鈴薯、トマト、チンゲンサイ、それにガーベラを初めとした花々と、実に多彩で特徴の有る生産形態を発達させている。その発達のルーツを辿ると、いずれの場合も「水」に帰結する。
その三方原用水は、秋葉ダムで取水され遥々22kmのトンネルで導水し、ファームポンドに貯水されて大地の隅々に送られる。そして安定した水圧を維持するために、109ヶ所に写真のような加圧タンクが配置されている。
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