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2006年5月13日 (土)

天竜川

 佐久間ダムが出来て50年になる。ダムが出来るまでの天竜川は、五千平方キロ程もの流域の水を集めてとうとうと流れる大河だった。暴れ天竜と呼ばれたこの川は、ダムによってはおとなしく慰撫され、その水は人々が使いやすいように分水されて陸を流れるようになった。

 その昔天竜川は、三方原や磐田原を扇状地として形成し、さらにその先に沖積平野を造り上げた。遠州平野である。水が陸を流れるようになって、この連綿として大地を創造してきた機能は昔話になった。細流となった川の流れは、海岸の浸食を補うほども土砂を運ばなくなった。

 天竜の吐水を手にした人々は安心して丘に住み、不毛の台地を豊かな園芸地帯に変えた。そしてその水が、工業をも育んで来た。おかげで人々の暮らしは、見違えるように豊かになった。Cimg0079

 でも川に水はなく、海岸は次第に浸食されて、ダム湖には土砂が堆積していく。50年を経てやっとそのことの深刻さが分かり始めた。人間の考えることには自ずと限界があることを、歴史から謙虚に学ばなければならない。125万人を立ち退かせて作られた中国三峡ダムが、今月20日に完成する。はたして数十年後は、如何なることになっているのか・・・・・。

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