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2006年6月27日 (火)

酪農発祥の地

 下田の玉泉寺は、日本の酪農発祥の地とされている。アメリカ領事のハリスに、牛乳を飲ませたのである。それまでこの国に、牛の乳を飲むなどと言う「奇習」は無かった。ところがハリスのたっての要望であり、奉行所は止む無く和牛の乳を搾って提供した。記録によると、その値段が法外なものだった。約一升の牛乳に、壱両三分が払われたと言う。なんと、当時の米二表にも相当する。

 実はハリスは、安政三年の下田着任早々牛乳を求めている。しかしむべも無く拒絶され、それではと母牛を要求している。自分で搾乳しようとしたのである。これも、奉行所は拒絶している。当時の役人にすれば、牛の乳を飲むなどと言うことは、信じ難いことだったのだろう。

 ところが、ハリスが江戸城での将軍家定との対面と演説の後、体をこわして寝込んでしまう。幕府の蘭法医派遣によつて事なきを得たのだが、ハリスはこの時薬として牛乳を求めたのである。その和牛の乳が、我国における牛乳販売の始まりという訳だ。Cimg0152

 やがて牛乳が滋養に富むことが知られ、伊豆の田方(函南)地域で 本格的な酪農が始まることになる。日本人が、普通に牛乳を飲むようになるのは戦後になってからだ。たが、牛乳を飲む文化を最初に伝えたのはハリスだったのだ。今、玉泉寺の境内には牛乳の碑が建っていて、ハリスと牛の乳の故事を伝えている。

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