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2006年6月30日 (金)

ヘソの周り

 江戸城の外堀は、総延長26kmもあった。しかし今はかなりの部分が埋め立てられて、JR線や地下鉄、道路、繁華街になっている。そして私達に最もなじみ深いのは、皇居を囲む内堀である。この内堀は、南側の外苑部分を除いても5kmに亘って続いている。Cimg0162

 その内堀を、朝も昼も、夕方も多くの市民が走っている。おそらくは、千人は軽く超えるのではないか。都心部で、信号に邪魔されないで走れる最長のランニングコースかもしれない。距離も、ジョギングとして全く手ごろだ。それに羨ましい限りなのは、この周回コースそのものが生きた歴史めぐりに他ならないことだ。事実、桜田門外の変以降の近世の歴史は、この堀の周りを舞台にして展開してきた。

 私は長年、静岡の駿府公園の内堀を走ってきた。駿府城の内堀は1.7kmに過ぎないが、堀を左に見ながらの周回は実に快適だった。桜の花や青葉の繁み、木枯らしと落葉、カルガモの成長など、一年中その季節感を楽しむことが出来た。桜の花弁が水に落ちて堀一面が桜色に染まる頃など、こんな贅沢をして良いのだろうかと思いながら走ったものだ。

 ところで人は普通、左を内側にして動くのだそうだ。皇居の周りを走る人たちも、多くが左回りに走っている。まれに、時計回りに走る人がいる。恐らくは、特別な目立ちたがりか心臓が右側にある人だろう。ともあれ皇居の内堀は、駿府と比べるべくも無く稀有壮大である。

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