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2006年7月18日 (火)

モチベーション

 何時のことだったか、私のマラソン遍歴について話をしている時のことだ。ある人が「モチベーションが、良く続きますね」とおっしゃった。モチベーションは何かと問われたのだ。意欲を継続させる源は多くの場合、人に認められたいとか、自己実現だったりする。しかし改めてその動機を付けを問われると、実は良く分からない。

 かつてこの国の人々の行動は、「物」を得ることが原動力になっていた。テレビや冷蔵庫、はたまた乗用車を手に入れることが、その時々の勤労の動機付けだったような気がする。今日の中国人と同じだ。そして何時の間にか身の回りに物が溢れるようになって、人々は自分の人生の目標を見失ってしまう。

 道楽には、理由は要らない。夢中になって楽しむことが出来れば、それで良いのだ。先日、Mという方が尋ねてこられた。Mさんは、家業の傍ら「樹木の電位と樹液の流れ」について永年研究しておられるらしい。私にその研究内容について、丁寧に説明してくださった。ひと通り伺って、どうも役立つ研究のようには思えない。そこで止せば良いのに、「この研究をどうされるのですか?」と聞いてしまった。Mさんはしばらく黙っていて、ポツリと「道楽ですよ」と言った。

 そうなんです。彼の30年にも亘る研究は、おそらく彼の仕事に役立つどころか、世の注目を引くこともないと思う。それでも彼は、計測機器を工夫したりしながら研究を続け、既に学術論文も二本出している。研究が徒労に終わるかもしれない。でも彼にとっては、その研究が登りたい山なのです。考えてみれば、ノーベル賞を射止めた小柴さんのカミオカンデだって、何一つ生産に寄与している訳ではない。受賞が無ければ、名前も知られ無かっただろう。

 カネカネ主義のこの今の時代、功利を超越して何物かに熱中してみること。そんなモチベーションを育てつつ、これからの人生をやって行きたいと思う。

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