« ヘソの周り | トップページ | 技術開発は誰のため »

2006年7月 1日 (土)

楊枝(ヨウジ)

 インドにニームと呼ばれる植物がある。センダンの仲間で、樹液はもとより葉や種子まで活用されている万能樹である。殺虫・殺菌効果や虫を忌避する効果が高く、ミラクルニームとも呼ばれている。こうした機能は、この樹に含まれるアゼジラクチンという物質の働きであり、既にアメリカなどでは製薬として販売されている。

 今日は、楊枝の話だ。もちろん歯を磨く木製の道具のことだ。日本人(もちろん上流階級)が、歯を磨くようになったのは奈良時代からのことらしい。それ以前の人たちは、水で口を漱ぐことはあっても、楊枝を使うことは無かったようだ。

 実は楊枝は、インドから仏教と共に伝わってきた。中国の僧法顕の著した「仏国記」に「仏 此ニ在リテ楊枝ヲカミ」と原始仏教の修行者の規範として記録されている。それに日本の僧道元もその著「正法眼蔵」に、仏法の基礎は身を清浄にすることだとして、インドから伝わった楊枝の正しい使い方を記述している。

 ところで江戸時代には、「武士は食わねど高楊枝」とか言われ、下級武士の内職としての房楊枝づくりも落語などになっている。だがその楊枝のルーツを辿ると、もともとのインドの楊枝はニームではなかったのかと思う。空想は、実に楽しい。そのうち、ニームの樹液のついた歯ブラシが売り出されるかもしれない。

|

« ヘソの周り | トップページ | 技術開発は誰のため »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 楊枝(ヨウジ):

« ヘソの周り | トップページ | 技術開発は誰のため »