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2006年7月 3日 (月)

食料資源の争奪

 この国は、麦や飼料穀物、野菜など、世界中で最も多くの農産物を輸入している国だ。当然のことながら、食料自給率は40%を切ろうとしている。世界でも、シンガポールを除けば、稀な国になっている。ちなみに主要国のエネルギーベースの自給率(2002年)は、オーストラリア230%、フランス130%、米国119%、ドイツ91%、イギリス74%である。

 安い農産物が、将来とも安定して供給できるならば、それでも良いかもしれない。だが、そんな具合ではなさそうだ。かつてローマクラブが警鐘を鳴らした危機が、現実のものになりそうな気配がある。

 最も大きな波乱要因は、中国とインドだ。中国はつい最近まで、大豆の大輸出国だった。日本は、そのほとんどを中国に依存していた。ところが今日の中国は、日本に次ぐ農産物の大輸入国になってしまった。日本の2004年の食料の純輸入額は396億ドルだが、中国のそれは既に156億ドルに達している。 急速な経済成長に伴う労働力の流動化や、収益性の高い野菜への特化などが、穀物生産を縮小させ消費量を拡大させているからだ。

 中国と同様なことが、インドでも起ころうとしている。なにしろ11億余の人口である。何が起こるかは、想像に難くない。中国は既に、中南米での買い付けを確保するための資源外交に腐心している。石油など、エネルギーの争奪だけではないのだ。この日本人の食料も、脆弱化する一方の国内の生産構造を考えるなら、食料争奪合戦はどこかの国の話という訳には行かない。

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