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2006年8月29日 (火)

ミン・スンギュ教授

 巨大な企業に発展したサムスングループ。その傘下に、サムスン経済研究所というシンクタンクがある。ミン・スンギュ氏は、その研究所の研究員に過ぎない。年齢は、40代の半ばである。その男が今、韓国で農業の救世主としてカリスマ的存在になっている。

 経済成長から、置いてきぼりにされた韓国の農業。その農業に「企業の持つ経営とマーケティング感覚を注入することで、農業がビジネスになる」それが、彼の信念のようだ。Cimg0244

 ミン教授は、「農業・農村の発展なしには、先進国にはなれない」と、サムスンの人脈やマスコミを総動員して、農業者の啓発活動を進めている。アグリ・ベンチャー大学を主催して、先駆的な農業人を育てることに熱中しているのだ。

 アグリベンチャー農業大学は、正規の大学でもなんでもない。卒業したからといって、特別な資格が得られる訳ではない。それに、10万円近い授業料を払うのだが、入学希望者が殺到している。現在、第六期生になっているが、150人の定員に対して毎年4~5倍の競争率になるそうだ。

 ベンチャー農業大学では、経営学やマーケティング、デザイン、消費動向などをテーマに、一流の講師陣から学ぶことが出来る。だがそれに増して、実践的な意識改革活動、ベンチャー大学での交流を通じた様々なネットワークの構築に大きな意味がありそうだ。

 特筆すべきは、大学の講師陣が全てボランティアだということだ。学長の農林大臣を始めとして、優良企業のトップや学者、それに俳優までもが講師陣に名を連ねている。

 KBSを始めとしたマスコミはこの活動を活発に報道し、生徒のみならず講師陣のモチベーションを大きく鼓舞している。つまり、ベンチャー農業大学で学び教えることが、自身の誇りやステイタスになるのだ。Cimg0274

 民間企業のシンクタンクの一私人の取り組みにしては、いかにも大掛かりである。だが、サムスン経済研究所も、今では彼の活動を認めざるを得なくなっているようだ。彼もまた、国や企業の発展のためには、それが必要だと納得させているようだ。

 ソウルのサムスン経済研究所の訪問、それにベンチャー大学の本拠を置いている錦山郡農業技術センター(国の農業試験場)での大会への参加をつうじて、その熱気を大いに感じさせられることになった。

 

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