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2006年8月28日 (月)

漢江の奇跡と陰

 セントレアから二時間で、仁川(インチョン)国際空港に着く。日本との時差は無い。

 仁川空港は、沖合いの島と海を埋め立てて島ぐるみ空港にした所で、W杯開催の少し前2001年に開港している。現在の滑走路は、4000m級の二本だが、4本にすべく工事が進んでいる。日本の成田とは、比較にならない巨大さである。空港のターミナルの長さも1km余で、名実共に北東アジアのハブ空港になろうとしている。Cimg0242

 ソウルまでは、専用の高速道路を車で1時間と少々。この高速が、何と片道4斜線。

 ソウルの街は、南山の北に盆地状に広がる人口一千万の巨大な街になっていた。漢江の両側には,20階から40階の瀟洒なマンションが林立し、香港を思わせるようなたたずまいが有る。

 三十年近く前に訪れた頃の貧しい生活臭は、微塵も無い。街を行く人々の顔は、自信にあふれている。Cimg0256

 この国は、オリンピック開催、そしてIMF通貨危機・W杯開催を経て、経済も人々の生活態度も、時には風俗すらも様変わりさせてきた。経済の爆発的な成長は、世界の人々に漢江の奇跡と言われた。日本の家電メーカーをはるかに凌ぐサムスン電子やトヨタの後を追う現代自動車などは、世界企業に成長しただけではなく、この国の工業生産を飛躍的に拡大させてきた。

 そして経済の爆発的成長は、都市部への急速な人口集中を惹起させた。都市部と農村部の経済格差が、富を求める人々の農村離脱を起したのだ。農村部の学校の教師すらが、都市へと移り住んでしまった。

 50%もあった農業就業人口は、たったの30年で10%になった。日本の高度経済成長でさえ、農業就業人口が10%になるには60年を要している。その変化が、たったの2~30年で起こってしまったのだ。

 そんな農村の過疎化を追い討ちするように、WTOやFTAなどと物流の国際化が農村を襲う。農産物の価格は低迷し、所得格差はさらに開く。可愛そうな農村の姿が、そこにはあった。

 日本で言えば 、都市近郊の農村までが成長の置いてきぼりを食ったのである。成長のあまりの早さの所以である。

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