桜花
サクラは、東アジア一帯に分布している樹だ。
でも、園芸種のほとんどは日本産なのですね。
よって、サクラが日本を代表する花になったのです。
当然に日本には多種多様なサクラがあるのですが、実は、この秋に満開になるサクラがあるのです。
10月サクラと呼ばれて、一人ぽつねんと咲いています。何故か物悲しそうでもあります。
古来から日本では、サクラは春と決まっていて、
人々には 「オャ、狂い咲きかな?」 としか見てもらえない。
この点、早咲きのサクラは得をしている。
我が家に、早咲きの河津サクラが3本植わっている。
この河津サクラは、2月中旬から花を咲かせる。
そして河津の町には、このサクラ見物に毎年100万人もの人々が押し寄せる。
春を待つ心が、人々を誘うのだ。
だけど、秋に咲くサクラには人々は集まらない。
気分は 「冬を前にして、今更サクラが咲いて何とする」 と言ったところだろう。
人間にも、大器晩成という言葉がある。
それなりの意味は有るのだが、大抵は出遅れに対する慰めの言葉である。
不肖私なぞも、秋咲のサクラなのかも知れないと思っている。
それとも 「やはり野に置け レンゲ草」 かな?
『 晩成の 春が恨めし 桜花 』
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