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2006年10月18日 (水)

細く長く

 この植物が、私の傍らに来てもう二十年になる。

 北側の窓辺に置いて、水だけで生き長らえてきた。

 毎年、数枚の葉を出して、数枚の下葉を枯らせる。

 そして、とうとう50cm余の背丈になった。

 小さなコップに根を張って、静かに生きてきた。Cimg0430

 隠花性のこの植物は、花を咲かせる訳でもなく、

 もちろん香気を放つ訳でもない。

 だからその存在をすっかり忘れてしまって、半月も水を与えなかったこともある。

 それでも、めげずに静かに生きてきた。

 孫達の背丈が、物静かな彼の丈を超えて行く。Cimg0427

 何時しか私は、この鉢の存在を貴重だと思うようになった。

 細く長く生きる。もうそれだけで価値が有るのではないか。

 「世に生を得るは、事を成すにあり」と坂本竜馬の言うような、

 何事も出来得なくても、それはそれで幸せなのかもしれない。

 否、短い一生を、おのれの好むままに磨き続けることこそ肝心ではないか。

 ともあれ、この鉢を眺めながら、生きるには色々な様があると考えるようになった。

 『 歳経りて 越し方見なん 枝(葉柄)の跡 』

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