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2006年11月21日 (火)

晩秋の東北

 岩手県の花巻を訪れた。

 既に山の木々の落葉はかなり進んで、晩秋の色が濃い。

 仙台以北の晩秋の景色は、東海や西日本とは相当に違った風情を見せる。

 東北の山々は、こぞって紅葉するのだ。

 杉や桧の純林となっている常緑地帯とは、まったくおもむきが違う。Cimg2373

 その景観の異なる原因は、気象条件ばかりではなくて、多分に歴史の所産なのだ。

 明治維新の際、会津を筆頭に多くの東北諸藩は賊軍となった。

 結果として、維新政府に占領されることになった。

 それで占領地の山野は、すべからく政府のもの。つまり国有林になった。

 人々の住む軒先まで国有林と言うのも、決して珍しくない。Cimg2375

 山の頂まで植林の進んだ非占領地の私有林とは対照的に、国有林では雑木林がいまだに多くを占めている。

 つまり東北地方には、日本列島の原風景が残されているのだ。

 その雑木林が、一斉に冬の到来を告げていた。

 山と言う山がすべからく紅葉して、人々に冬支度を催促しているように見える。

 縄文の昔、人間とても一冬を越すのは大変な事だっただろう。Cimg2374

 食料や燃料の貯えだけでなく、雪の中での半年間、家族全員無事などということは稀だったのかもしれない。

 この赤や黄色の山々は、そんな人々の営みの中にあったのだ。

 現代の私たちが、赤や黄色に幾分の緊張感を覚えるのは、そうして生き抜いてきた祖先のDNAの故かもしれない。

 

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