ツワブキ
何時の間にか、ツワブキの花が咲いている。
垣根の北側なぞの半日陰に生えていて、秋から冬にかけて黄色の花をつける。
葉は蕗(ふき)のようで、花は菊に似ている。キク科の多年草だ。
蕗の字が当てられているとおり、古くからキャラブキのように山菜としても利用されてきた。
春先の若い葉柄を摘んで、皮をむいてゆでる。
これを水に晒してあく抜きをし、煮物や揚げ物、粕漬けなどにする。
それに加えて葉の部分は、湿疹などに効果があるらしい。
ちょっと控えめで、茶室の庭に良く似合うツワブキである。
話は変わるが、今年はお茶の花が数多く咲いている。
先日牧の原で、茶園の色が変わるほど咲いているのを見て驚いた。
しかし良く考えてみると、茶の樹は葉を伸ばすためではなくて、花を咲かせて実を成らすために生きている。
花が咲いて当然なのである。
それに茶の樹は、山茶花や椿と同じ仲間で、カメリア・シネンセスというツバキ属の名前を持っている。
かつては、お茶の実を採って、その実をまいて増殖させたのだが、
今では挿し木の技術が当たり前になって、花は無用の仇花扱いされるようになった。
同じ地味な花であっても、人間と同様その咲かせかたが肝心なのかも知れない。
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