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2006年12月14日 (木)

帝国の衰亡

 大日本帝国?は論外として、世界史には幾つもの帝国の衰亡がある。

 ローマ帝国やチンギスハーンのモンゴル帝国、大英帝国などだ。

 ローマ帝国は、ヨーロッパばかりかアフリカ大陸の一部を含む広大なものだったし、モンゴル帝国もユーラシア大陸の大半を占めていた。

 そして大英帝国は、七つの海を支配すると言われた。

 今日それらの帝国は、いずれも歴史のかなたに痕跡を残すだけになっている。

 何故、帝国は崩壊したのか。

 とくに近世において、スペインの無敵艦隊を撃滅(16世紀末)してからの英国の勢いはすさまじかった。

 産業革命を主導し、自由貿易や議会制、世界各地への植民など、そのイディオムと共に威を振るってきた。

 しかし、19世紀半ば以降、英国は衰退の一途をたどった。

 その原因となったのは、新興工業国の追い上げによる産業競争力の衰退や、植民地の独立、相次いだ戦争など色々ある。

 だが最大の要素は、国民の、とりわけ指導層の精神的な活力の衰えだと言われる。

 その心理的衰えは、長期に渡る国の貿易赤字に起因する。

 そしてまた、その貿易赤字は大量の食糧輸入の結果であった。

 1840年、自由貿易の名のもとで「穀物法」が廃止される。

 安い穀物が有るなら、買えば良いとなったのだ。Cimg2363

 それからと言うもの、国民の消費する穀物や肉類、乳製品などの自給率は急減していく。

 1868年には80%あったのだが、1878年には40%になった。

 船便輸送の発達で、東欧や北アメリカから安い農産物が流入するようになったからだ。

 一方、ドイツや日本など新興工業国が勃興してくる。

 次第に英国の工業製品の輸出競争力は衰えていく。

 大量の食糧輸入は、止める訳には行かない。

 結果として恒常的な貿易赤字が続き、国民の心理も変わっていく。

 そして、幕末日本にやってきた英国人のような、あの英気と自信が失われていく。

 翻ってわが国・日本の現状はどうか? 

 カロリーベースの食料自給率は、40%まで下がってしまった。

 貿易の黒字も、漸減を始めている。

 中国やインドの工業発展は、勢いを増すばかりだ。

 豊かさを追い求める彼の国の若者の目は、キラキラと輝いている。

 しかるに、日本の若者の目の色は如何なものか?

 私達は、かつての英国と同じ道を歩いているのだろうか。

 ちなみに戦後の英国は、農業を育てることに腐心し、 今日の自給率は80%を上回っている。 

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