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2007年2月13日 (火)

東方美人の素顔

徐英祥さんのはからいで、新竹県の峨眉(アメイ)を訪ねることができた。Cimg2755

徐さんは、元台湾省茶業改良場の研究員で、既に80歳近くになる。

それから峨眉郷とは、あの東方美人の産地である。

東方美人茶は、オリエンタル・ビューティとも呼ばれていて、Cimg2728

醗酵度が70%近くて、ほとんど紅茶と言っても良いウーロン茶だ。

見た目には白い芽や赤茶、暗緑の葉が混じったカラフルなお茶だ。

淹れると熟した果実のような香りがして、実に芳醇な味わいの茶である。

実はこのお茶は、ウンカ(虫)によってこの味が醸し出される。Cimg2726

ウンカの食害が、茶葉の成分に作用して、独特の香気を作り出すのだ。

ウンカが発生しなくては、東方美人にはならない。

だから、農薬は厳禁。肥料もご法度になっている。

痩せた茶園に行くと、モンシロチョウや小さな虫が飛び交っていた。Cimg2731

雑草もいっぱいで、下草が無いとウンカが発生しないんだそうだ。

峨眉の自園自製農家にお邪魔し、その薀蓄をたっぷりと聴くことができた。

その茶作りの真髄は、「ここにしかない特徴」だった。

栽培にも摘み取り・萎凋にも、細心の注意を払っているのだが、Cimg2730

その際たるものが、如何にウンカを発生させ、最も香りを際立たせる萎凋にするかなのだ。

この東方美人は、広東省出身の客家と称される人たちによって作られてきた。

その昔、虫のついた茶葉などは、捨てるしかなかった。

ある時、鞭で打ち落とした茶を拾い集め、お茶作りを試したと言う。

これが何とも絶妙な香気風味に仕上がった。Cimg2727

それでこれを役所にもって行ったところ、普通の茶の20倍の値段で買ってくれたという。

村に帰ってそのことを説明しても、誰も信じなかった。

おまけに、法螺吹きと呼ばれてしまう。

それで法螺吹き茶と呼ばれたのだそうだ。

ちなみに「ここにしかない茶づくり」を指導してきた徐さんは、客家の出身であった。

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