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2007年7月28日 (土)

時代の求めるもの

マタギとは、狩猟して旅する職業である。Cimg3672

彼らの業が成り立っていた内は、鳥獣害と言う言葉すらなかった。

毛皮や肉、そして熊の胆などが、珍重された時代が長く続いたのだ。

日清・日露戦争なぞは、狩猟による毛皮のお陰で戦えたのだ。

戦後の繊維産業や養豚で、狩猟は業として成り立たなくなった。

結果として、森の動物達が跳梁する時代が来ているのだが・・・。Cimg3671

畑でも、同じことが言える。

浜松の三方原は、白菜や馬鈴薯の産地であった。

それが、戦後の進駐軍の需要に応える形で、洋菜の栽培が盛んになった。

セルリーが、その代表的なものだ。

その後の高度経済成長で、そのセルリーが洋食とともに珍重される時代が続いた。Cimg3667

セルリー生産は、冬から春は静岡、夏は長野でもっぱら生産されてきた。

しかし、バブル崩壊以降、消費は減退するし、価格も低落する。

もとよりセルリー生産は、半年掛りである。

回転率は極めて悪く、どうしても単価が高くなる。Cimg3665

それが、デフレ経済の中で敬遠されたのだ。

そんな時代の動向をいち早く察して、経営転換したのが、

(有)佐野の佐野誠社長だ。

銀行員からセルリー生産者に、そして今はサラダ菜の生産を業としている。Cimg3675

セルリーなら年一作だけれども、水耕サラダ菜なら10作は可能だ。

と言う訳で、200a余のハウスを駆使して、一日1000ケースの出荷を続けている。

従業員は、パートを含めて23名。

年間の売り上げは、1億2千万円ほどである。

水耕の施設も、自ら考案するし、立派な出荷場だって、佐野さん自身の施工だ。

時代の流れを透徹してみつめ、自分の経営展開をフレキシブルに変えていく。

これは、製造業も農業も同じことなのだ。

時代の求めるものを、時代の求める価格で供給してこその企業なのだ。

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