種苗戦争
植物特許制度が、かなりの国々に普及して、育種の権利が保護されるようになった。
ともあれ、日本ではその品種を栽培して販売する場合、
特許権者にロイヤリティーを払わなくてはならない。
育種というものは、かつては公立の試験場か、徳農家の専売特許だった。
しかし今は、公立試験場でさえ民間の育種戦争には、太刀打ちできなくなりつつある。
種子植物はもとより、イチゴや菊などの栄養繁殖の植物すら、
民間種苗業者の世界になりつつある。
浜名湖のガーデンパークの一角に、キリンアグリバイオKKが立地した。
ここではオランダやスペイン、フランス、中国で育種した品種の国内適応性を試す。
特に、ガーベラやキク、バラ、カーネーションを扱うのだそうだ。
既にこの会社は、ペチュニアでは世界中の80%ものシェアーを持っている。
もちろんその名の通り、キリン・ホールディングスの子会社だ。
もともとビール会社は、ホップとかビール麦の育種部門を持っていた。
その部門を独立させて、世界の種苗戦争に参戦しているのだ。
育種だからといって、なにも公共機関がやらなきゃならない時代は既に昔のことだ。
或いは、公共がやるんなら、民間に勝てるってことが条件だね。
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