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2008年2月29日 (金)

造形

絵を描いたり、彫刻をしたりする造形である。Cimg4979

実は私は、子供の頃から図画が嫌いである。

物を把握する力が弱いのか、からっきし描写が駄目なのだ。

だから美術の時間になると、ほんとに憂鬱であった。Cimg4978

見事な絵を描くやつがいると、そいつを天才ではないかと思ったりした。

要するに、私にはそんな能力が備わっていないと諦めてきた。

しかし、良く考えてみると、造形は古墳時代からあるのだ。Cimg4977

木偶や埴輪は言うに及ばず、雛人形なんてのもそうだろう。

本来人間は、ロダンとまで行かなくとも、創造と造形意欲の塊なのかもしれない。

先日、磐田市にある新造形博物館を訪ねた。Cimg4976

ガラスや金属の造形が体験できるし、プロの研鑽の場にもなっている。

言ってみれば、造形と触れ合える場、自己発見の場でもある。

がしかし、自分の不器用さを身にしみて知っている者にとっては、

これは容易に近寄りがたい部分だ。

が、密かなる羨望はある。

俺だって、やりゃあ~出来るんじゃないかと。

そんなことを思いながら、尻尾を巻いて帰ってきた。

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2008年2月28日 (木)

農業青年の主張

静岡で、農業青年の主張発表大会があった。Cimg5031

6名のそれぞれの主張を聞かせていただいたのだ。

時に納得し、時には胸に迫るものがあった。

農業への参入は、それぞれみんな条件が違うし、

置かれた環境だって一様である訳はない。Cimg5035

中山間地だったり傾斜地だったり、経営拡大の難しい所だったりする。

だから、青年達のドラマも思いも様々なものになる。

そんな皆さんの発表を伺いながら、

『人間と言うものは、自分と言うものが、どんな所にいるのか、

分からずに生きてしまっているのが常だ。Cimg5041

どこかで、それを振り返って認識し直してみることは、

実はとても大切なことなのだ。』などと納得させられていた。

そういう意味で、全員がそれぞれ素晴らしい発表であった。

今日は、審査員の一人に加えて頂いたことを感謝しなくちゃならないナ。

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2008年2月27日 (水)

日本の没落は?

この国の一人当たりGDPは、1993年には2位だった。

それが一昨年、18位まで下がった。Cimg4959

世界経済フォーラムの調査では、日本の国際競争力は24位なのだそうだ。

もちろん財政力は、先進国の中では最悪である。

何と国の債務残高が、国全体のGDPの1.8倍近くもあるのだから。

世界の億万長者だって、上位100人に日本人はいなくなった。Cimg4996

これも1989年には、上位10人のうち6人が日本人だったのに!

他にも色々とある。子供の学力低下とか、空港・港湾の脆弱さなどだ。

そんな訳で、世界中が日本株を手放している。

それでは、この国の没落を防ぐにはどうするのか?Cimg4862

それは「この国は、皆が働かないと食べられない国だ」と言うことを

国民の誰もが再認識することだ。

国の経済力が低下すれは、雇用は少なくなるし、

賃金だって下がっていく。

つまり、食べるものだって買えなくなるということだ。

いわんや、外国から買うなんぞ出来る訳がない。

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2008年2月26日 (火)

産業革新

産業の革新テンポは、近世になるに従って加速度的だ。

古代にあっては、農法にしても武具にしても、100年位では何ほども変わらなかった。

ところが、鍬が牛の引っ張る鋤になる頃から急テンポになる。Cimg5021

耕運機になり、そして瞬く間にトラクターになった。

自動車産業だって、僅かの間に猛烈な進化を遂げてきた。

しかし、これにはモデルがあった。

豊田織機が車を作る頃には、ある意味真似をすることが肝心だった。

ところが20世紀までで、そうしたあらかたの産業技術開発は終わってしまったようだ。

そうして、BRIICS諸国が世界の工場として、その産業を担うような時代になりつつある。

だからかつての先進国は、争って次の次代を担う産業を探している。Cimg5022

それは、ナノテクだったり、高度医療や光・映像技術だったりする。

しかしモデルの無い中で、新しい産業を生み出すなどは容易なことではない。

今日は、イメージングデバイスとかセンシング、

テラヘルツ透視、ダイナミックレンジなどの言葉を聞きながら、

そんなことを考えていた。

ともあれ、浜松地域を中心にオプトロニクス産業を育てたいのだ。

そのために産学官の連携で、「知」の具体化と「技」の創出に取り組んでいる。

そして、この3/14(金)には、浜松グランドホテルで、オプトロニクスシンポジュームが開かれる。

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2008年2月25日 (月)

春の日差し

毎日、寒い日が続いている。

だが、日差しはもうとっくに春だ。Cimg5019

駿府城の堀端では、二匹の亀と白い鳥が日向ぼっこをしていた。

何とものんびりとノー天気な奴らだが、少しばかり春を感じさせてくれた。

ところで今日、韓国の李明博(リ・ミョンバク)政権が発足した。

ノ・ムヒョン、キム・デジュンと革新系の大統領だったから、

10年ぶりの保守政権の発足である。

韓国もこの十年、アジア通貨危機以降随分大きく変わった。

北朝鮮とのかかわりだって、対話が当たり前になったし、

北朝鮮は韓国の援助無しにやっていけなくなった。Cimg5020

そして、李明博大統領は、747を公約している。

年率7%の経済成長、国民一人当たりGDP4万$への倍増、経済力を世界の7位にするである。

仮に韓国が、現在の13位から7位になったら、この日本はどうなるのだろうか。

経済を成長させるために、アメリカともFTAを成立させるかもしれない。

このままいくと、日本の存在感はますます希薄になるだろう。

はてさて日本は、春の日差しを味わっている場合ではないかもしれない。

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2008年2月24日 (日)

歴史と人

どんなに英邁な思想を育て、行動力を備えていたとしても、Cimg4063

歴史がその思想なり行動を許容しなければ、

その人は、ただの奇人変人で終わってしまう。

時代が激しく動いている時には、一躍時の人になる人物もいる。Cimg4055

その逆に、家も何も失ってしまう人物だって出てくる。

時代が、その男の運を左右する。

かと言って、時利あらずと眠っていては、Cimg4216

一生、ただの飯を食う道具で終わってしまうかもしれない。

私の、この60年を考えている。

随分長く生きてきたものだと。そして、この時代のために何を為し得たのかと・・・。

40歳を少し過ぎた頃、私自身で大きな転進をした。Cimg4886

それまでの人生と違った生き方をしようと思ったのだ。

そして、それを具体化するために、新たに5つの事を始めた。

走ることも書くことも、そして話すことも、その時以来続けていることだ。

そうして20年、私の住む時代は、女時から男時を迎えようとしている。

或いはこれからが、私の時代なのかもしれないと思っている。

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2008年2月23日 (土)

農業法人

Cimg4939 かつて農業と言えば、その家の家業であった。

家族ぐるみで限られた田畑を耕し、限りなく自給的な生活をする。

それが、農家のつましい暮らしだった。

それが著しい商品経済の波の中で、あらかた崩壊しつつある。Cimg4937

その一方で、農業生産を業として起業する法人が登場している。

10年前、静岡県でその50社程が集まって、協会を作った。

その協会が、先日10周年を向かえて、お祝いの会が盛大む開かれた。Cimg4950

現在の会員は、108社である。

そうして、アグリマーケティングプロジェクトなど、

これまで見えなかったことを「見えてくる」ように変えようと、Cimg4954

精力的な活動を進めている。

製造業では当たり前のことだが、農業では希であった。

どうすれば労働生産性を高められるのか?

如何にして自らの製品を商品にするのか?

そんな課題に、真正面から取り組んでいる。

私は、この組織の会員は10年後には、1,000社を超えるのではないかと思っている。

次の時代の、農という産業を築くのは彼らだ。

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2008年2月22日 (金)

最適化

これからは、かつてのような重厚長大の時代ではない。

企業活動や消費生活は勿論、社会資本もそうかもしれない。Cimg4968

地球環境や石化資源の限界がはっきりして、

そのことがかなり意識されだしている。

そして、どういう形が最適なのか、様々な模索が始まっている。

自然エネルギーの活用もその一つだ。Cimg4966

だが日本では、EUなどに比べると、この面でも格段に遅れを取っている。

天竜川の河口近くに、高さ100mの風力発電施設がある。

ドイツ製で建設費は、おおよそ5億円を要した。

この施設で、一般家庭の約1,200世帯分の消費電力を賄えるのだそうだ。

それならば、ニョキニョキとこの施設が増えて行きそうなものだが・・・・Cimg4965

現実には費用対効果、それに根強い反対運動がネックになっている。

景観の変化や威圧感などが、その理由のようだ。

かつて明治の時代、電車が通れば鳥がタマゴを産まなくなると、反対した人達がいた。

この風力発電は、そのことと同じようなものなのだろうか。

次の時代をどの様に選択するのか。

何が最適な選択かが、問われているのだろうと思う。

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2008年2月21日 (木)

ツァイツェン

徐雲煥さんと久しぶりで会った。Cimg5012

彼とは21年来の付き合いである。

静岡県と浙江省との交流が始まってから、ずっと印象深い男が徐雲煥だ。

彼が浙江省農業交流団と共にやってきた。Cimg5018

「友有り遠方より来る」である。

今回は、柑橘産業がテーマである。

日本の柑橘産業は、この三十年惨たんたるものである。Cimg5010

食生活の変化とともに柑橘の消費が減って、この間に生産量は半減した。

中国では、柑橘の消費はまだ伸び続けている。

でもいずれ、日本と同じことが起こるのではないか。Cimg5014

オリンピックが終わるあたりから、中国でも同じ動きが始まるはずだ。

今日は、余計な事ながら、そんなことを申し上げたつもりだ。

古くからの知己が、中国でがんばっている。

そのことを、今日は嬉しく思った。

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2008年2月20日 (水)

見附学校

磐田市見附に、この洋風の建物は建っている。Cimg4990

名古屋の宮大工、伊藤平右衛門による、明治8年竣工の小学校だ。

文明開化の声が聞こえ始めて間もなく、この建物は地元有志の募金でつくられた。

基礎の石垣は、下流域の廃藩置県で無用となった横須賀城の石垣を運んで作った。Cimg4993

その基礎の上に、二階二層の堂々たる洋風建築を建てた。

梁や床、窓の開閉にも、当時の最新の工夫が凝らされている。

恐らく見附宿の庶民は、この建物を見て時代の大きな転換を実感したのだろう。Cimg4994

そして、最上階の望楼には、戦国末期の三方原合戦の折、

酒井忠次が打ち鳴らして、徳川家康の窮地を救ったと伝えられる太古が置かれている。

当時の見附の町民が買受け、この学校の開校を祝して寄贈したのだと言う。Cimg4995

教室を訪れると、子供達の朗読の声が聞こえてくるようだ。

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2008年2月19日 (火)

香りの文化

私の執務室には、いつも茶香炉が炊かれている。Cimg4973

女性職員が、朝一番に調整してくれる。

だから出勤すると、あのお茶の微香を感じながら仕事を始められる。

その香りには10分もしない内になれてしまって、何も感じなくなる。

でも来客は違う。最初に、この香りを話題にするのだ。Cimg4971

そんな訳で、この茶香炉が結構役立っている。

ところで現代の日本人にとって、香りはそんなに身近なものではなくなっている。

恐らく香りの文化は貴族のもので、全体的に中流化した私達には縁遠くなったのだろう。

何故って、平安貴族はみんな香を焚き染めていたし、Cimg4970

暗い中でも、香りで人を識別したようだ。

中世の秀吉だって、香木を珍重したりしている。

現代では香水なんてものがあるのだが、うちの細君が香水の香水など嗅いだことも無い。

要するに、香りには全体として縁遠い暮らしをしているのだ。Cimg4972

しかし、磐田市に「香り」をテーマにした博物館がある。

香りの歴史や知識を知ることが出来るだけでなく、

自分だけの秘薬を調合したりも出来るのだ。

そう、香りは麝香がそうであるように、少しばかり淫靡なものなのかもしれない。

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2008年2月18日 (月)

イノベーション

世の中、次の時代に生き残るためのイノベーションばやりだ。Cimg4997

製造業は言うに及ばず、農業も日本の産業のベースとなるべく改革が求められていいる。

静岡理工科大学の塩田前学長の呼びかけで、

地域イノベーションフォーラムが開かれた。Cimg4999

不肖私も、そのパネラーの一員として参加させていただいた。

私の主張は、3点に尽きる。

農業は、産業として大きな可能性を秘めている。Cimg5002

その可能性を顕在化させるには、労働生産性を限りなく追求することだ。

この30年間で農産物の流通は大きく変わった。

それにも拘らず、川上から川中が変わっていない。Cimg5003

その物流に対応できる生産体系を生み出すことが肝要だ。

その為には、過去の常識の壁を乗り越えること。

そのための意識改革こそ急務だ。・・・・と言うことだ。

この労働生産性の追及、流通変革への対応、過去の常識との決別,

これが出来れば、この世界は実に楽しいビジネスになる。

今日は、そんなことをお話したつもりだ。

しかし、私の言葉足らずもあって、どれだけ伝わったかな~?

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2008年2月17日 (日)

幕末の人物

遠州は磐田市見附に、赤松則良の屋敷が残っている。Cimg4985

もともと赤松家は、播州の豪商であった。

それが江戸に出て、どういう手づるか御徒士になって、

幕臣として見附に屋敷を構える。Cimg4988

則良は次男として江戸で生まれたが、

見附にいた祖父の家督を継ぐことになる。

しかし、次男として生まれた気安さだろうか、Cimg4987

16歳の時、長崎の海軍伝習所に学ぶことが出来た。

勝海舟や西周の学んだあの伝習所である。

そこから、彼の運が開けていく。Cimg4986

勝らと共に咸臨丸に乗って渡米、19歳の時である。

オランダ留学中に明治維新となり、帰国。

しばらくは、磐田原の茶園造成に働く。Cimg4989

やがて、明治政府の要請で、海軍少将として西郷従道の下で働く。

晩年は男爵、貴族院議員である。

それはそれとして、彼は妻の貞との間に18人の子供をもうけている。

一人の女性に18人の子供を産ませるなどは圧巻だと思うのだが・・・事実である。

ちなみに長女の登志子は、明治の文豪森鴎外の夫人になる。

孫の赤松照彦氏は、磐田市の初代市長である。

人間と言うやつは、どんなチャンスに巡り合うかで、その軌跡は大きく変わるものなのだ。

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2008年2月16日 (土)

食彩

小麦の大幅値上げがあったり、中国産毒餃子が出回ったりするけれど、

日本の食は、実に豊かになっている。Cimg4952

確かに、カロリーベースの自給率は39%に過ぎない。

だが、生鮮野菜や果物、魚、畜産物、

何れも海外では見ることも出来ないような品が、ふんだんに供給されている。Cimg4951

先日農業法人協会の集いで、皆さんの作った彩を頂きながら、

私達は何と贅沢なのかと思ってた。

彩と言い味と言い、みんな絶品なのだ。

本当に、豊かな食材がある。Cimg4945

それにも拘らず、何故自給率39%になるのだろう。

それは日本人の利益第一主義と、食に対する貧弱な意識だろうか。

食品関連産業は、原材料の安さを求めて際限がない。

多少のことは、誤魔化すことも出来る。Cimg4949

日本の消費者も、これまでいとも簡単に誤魔化されてきた。

中国産毒餃子もその一つに過ぎない。

地産地消などと言わなくても、食材の素晴らしさを愛でてみようではないか。

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2008年2月15日 (金)

みかん産地は今

今日、柑橘生産者大会が開かれた。

昨年と打って変わって、深刻な大会だったかもしれない。Cimg4957

博打じゃあるまいし、表年と裏年に振り回されている。

みかん生産者にすれば、やってられない思いになる。

今年のみかんは、味も実に良い。

でも、価格は昨年の半値以下だ。Cimg4958

原因は簡単で、需要を上回る供給が起こるからだ。

廃棄なり何なり、こいつを解決しないことには浮かぶ瀬が無い。

つい最近、東北大学の大泉研究グループが、

みかんの皮から、ノビレチンなる物質を発見した。Cimg4956

しかもこの物質が、アルツハイマーに治癒効果を持つというのだ。

γトリクトピサンチンのがん抑制効果とあいまって、

みかんを食べなきゃ損だぞと言うシグナルである。

しかも、ある品種には、このノビルチンが見の中に含まれているんだと。

そういう意味では、柑橘産業はまだまだ未開発の可能性を残しているのだと思う。

価格が安ければ、どうするのか。

泣いている場合ではない。

生産方式を変え、売り方を変え、商品のバラエティーを工夫し、

自分達の力で、この難局を乗り越えなくっちゃならないのだ。

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2008年2月14日 (木)

21世紀初頭の潮流

21世紀に入って、この7年間の変化は目を見張るものがある。

BRIICS諸国の急激な経済成長のお陰で、Cimg4941

世界の経済は、かつて無い年平均3.5%もの成長を続けている。

この間の物流経済の流れは、年平均実質7%の成長をしてきた。

こうした流れの中で、この日本の貿易は、圧倒的に大中華圏にシフトすることになった。

07年の貿易は、米国は16%にまで縮小し、台湾・香港を含めた大中華圏が28%にもなった。

世界の経済の流れが、大きく変わったのだ。Cimg4892

その流れの中で、この日本の経済的ウエイトが顕著に低下している。

対ドルを別として、他の通貨に対して著しく価値を下げてきたのが大きい。

結果として、日本は物価の高い国ではなくなった。

むしろアジアやオセアニアの国々からすれば、買い物天国になったのだ。

いずれにしても、中国がどんどん大きく見えるようになっている。Cimg4793

たかが7年の変化に過ぎないのに、この潮流は容易には止まらないような気がする。

三井物産戦略研究所の寺島実朗さんの話を聞きながら、そんなことを思っていた。

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2008年2月13日 (水)

厳寒と桜

昨夜から、最強の寒波が襲来している。

河津町にも、昨夜は雪が降ったそうだ。Cimg4935

菜の花の黄色、桜のピンク、それに雪だから結構良い景色だよね。

実はこの厳寒に、我が家の3本の河津桜が咲き始めている。

毎朝その桜を眺めながら、「良く咲くよな !」と思いながら出勤する。

別に、あの人の事や私の事ではない。

先駆けというやつは、常にそういう厳寒に咲いてきたのだと思う。Cimg4930

竜馬だって、兆民だって、そうして時代を引っ張ってきたのだ。

新渡戸稲造だってそうだ。

「我、東洋と西洋の架け橋たらん!」そうやって生きてきた。

下田の唐人お吉が身を投げた川辺に、晩年の新渡戸が寄進した地蔵が立っている。

お吉の境涯と、新渡戸の気持ちに相通ずるところがあったからだ。Cimg4936

新渡戸は、地蔵を建ててから間もなく、ヨーロッパで客死している。

最後の国際交渉の最前線に立って、病に倒れたのだ。

「我、東洋と西洋の架け橋たらん!」彼の遺言である。

厳寒の今、その南伊豆や河津に桜が咲き始めている。

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2008年2月12日 (火)

地球人類の生きる道

やがて、地球の人口は90億人(2050)を超える。

この増加する30億人の食を誰が、どのように生み出すのか。

正に、人類の叡智が求められている。

石油だって、もう直に枯渇するだろう。

当然、代替エネルギーを生み出さなくっちゃ、人類はやっていけない。

農業生産は、このエネルギー生産も担うことになる。

エネルギーと食、これの相克は人類の大きな課題になるのだろう。

そんなことを、真正面から考えなくっちゃならない時代が来ている。

ところで、あなたは何を生み出していますか?

人類が生き延びるためi何をやってますか?

それが、近未来の価値観になるような気がしている。

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2008年2月11日 (月)

誇りの復活

近所のコンビニが二店舗、相次いで閉店した。Cimg4934

「もはや経済は一流ではない」と、

太田弘子経済財政担当大臣がのたもうた。

それでも、「そんな~」とゴーゴーたる非難も上がらなかった。

この国の人達が、みんなそう思っているからだ。Cimg4921

彼女は、一流に復帰するための条件を三つ上げている。

① サービス産業の生産性向上

② 経済インフラの国際競争力向上

③ 人材をフルに生かすことCimg4893

以上の三点だと言う。悪戯に過去の成功体験に拘泥して、

これまでの常識を抜けきれないでいる。

その間に、世界経済は、猛烈なスピードで変化して行っている。

この国の退潮が明らかになるに従って、

「この国を誇りに思う」人が増えている。

歴史や国土、自然や国民性など、日本的なものへの憧憬だ。

年金や医療も福祉も行き詰まっても、それでも何とかしようと思っている。

この国の将来は、誇りによって立ち直るだろう。

私達の悠久の歴史を、改めて考えようではないか。

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2008年2月10日 (日)

ゆめ市

日本の農業は今、かつて想像出来なかったほど変わり始めている。

農業で業を起そうとしている18人が設立した「ゆめ市」もその一つだ。Cimg4933

自分達の作ったものを、本当に納得して買ってほしい。

そう言う人に「我々の生産物を直接届けます」というコンセプトだ。

農産物流通の現場は、量販を肇とした川下が大きくなり、Cimg4931

生産を担う川上が変化を求められていた。

農業の生産現場が変わらないから、中国などに量を求めてきたのがこれまでだ。

そんな時代を変えようと、生産者が結束して出来たのが「ゆめ市」なのだ。Cimg4932

だが、営業力や組織のパワーを発揮するのはこれからだ。

息長く、彼らの試みを見守りたい。

量販店の皆さん、ゆめ市には消費者を納得させる商品が準備されていますよ !

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2008年2月 9日 (土)

緑提灯

日本人は、自分達の食い物について、ずっと無頓着で過ごしてきた。

食い物なんで、どこかから湧いてくるものと思っていた。Cimg4909

だけど、経済の先が見えてきて、おまけに毒餃子を食べさせられて、

やっと少しばかり、食を何とかせにゃ・・・・て思う人が出てきた。

「身土不二」「土産土法」等と言うまでも無く、

人間はずう~っと、そうやって生きてきた。

それで今「地産地消」なんて言っている。Cimg4910

学校給食や買い物も、この地産がキーワードになりつつある。

で、国の中央農研の丸山所長が提唱した運動がジワジワ広がっている。

「緑提灯運動」だ。

国産の食材を扱っている店(飲み屋)に緑の提灯をぶら下げる。

しかも、国産割合が上がるに従って、星の数が増えることになっている。

50%なら星一つ、80%なら星四つと言った具合だ。Cimg4913

それで丸山さんたちは、『緑提灯応援隊」なるものを組織して、

この提灯を見つけたら、迷わず入るのだとか・・・・

だが、この提灯をぶら下げた店は、全国で未だ80店しかない。

いかに国産を出している店が少ないかと言う証拠でもある。

是非、全国何処に行っても緑提灯だらけにしたいね。

ん・・・・、それじゃ応援隊の面々は、家に帰れなくなるか?

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2008年2月 8日 (金)

フーズ・サイエンスヒルズ

静岡県には、緑茶をはじめみかんや山葵、桜海老やカツオ等、Cimg4927

多くの特色ある地場産品がある。

こうした海里の幸を活かしながら、ストレス低減食品を生み出そう。

抗ストレス食品を生み出すのが目的で始まったプロジェクトだ。Cimg4926

この6年間に9億円の研究費が投じられてきた。

それて゛、この3月で一先ずこのプロジェクトが終わる。

この間、40余の特許、9つの新商品が生まれている。Cimg4928

その多くが、ギャバとかテアニン、イヌリンを使った食品や健康関連商品だ。

食は、実に奥が深い。

健康状態や摂取量、取り合わせなどによって、良いものも逆になったりする。

そんな中で、積み重ねた知見を産業にするのが、これからの課題だ。

ともあれ、今月22日には、その6年間の研究成果発表会が開かれる。

食品関係産業は言うに及ばず、ビジネス創造の意味でも、是非聞くべきだろう。

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2008年2月 7日 (木)

もったいない !

私の子供の頃には、「米粒を粗末に扱うと目がつぶれる」と教えられた。Cimg4501

子供心に何故か分からなかったけれど「食い物は大切にせんと・・・」と思った。

それに、いつも腹を空かせていたのに、食べ物はなかった。

学校から帰ると、薩摩芋が蒸かしてあって、それを腹が痛くなるまで食った。

そんな時代が、昭和30年代初め頃まで続いていたはずだ。Cimg4921

今の日本人は、食い物に困まるってこと、まったく忘れてしまっている。

食い物に関する世界の状況すら気を配っていない。

例えば、中国の大豆自給率が、40%に過ぎないことを知っているだろうか。

つい最近まで日本は、中国から大量の大豆を輸入していた。Cimg4874

ところが中国では、食生活の急激な変化で、食用油の需要が急増した。

一人当たりにすれば、日本人をはるかに上回るようになった。

それで、輸出する余力は、掻き消えてしまったのだ。

シカゴの小麦相場が、昨日また市場最高値を記録した。

かつての価格循環とは、全く違う動きが始まっている。

要するに、世界的な食糧消費の増大に、生産が追いつかなくなっている。

需要の増加のスピードが速すぎるのだ。

日本人は、あまりにも食と食の生産をないがしろにしてきた。

そのツケが、大きく私達に回ってこようとしている。

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2008年2月 6日 (水)

粉雪の東京

会議があって、埼玉副都心に出かけた。

粉雪が舞っていて、静岡と比べるとやはり寒い。Cimg4919

それに、東京駅の喧騒とは別に、底に沈んだ空気を感じたのは何故だろうか。

そう言えば、今日も日本の株価は暴落している。

米国がくしゃみをすれば、この国は肺炎になる。

そんな雰囲気が漂っている。Cimg4918

みんな他力本願なのだ。

一時は「改革」がキーワードで、それこそ将来を切り開く鍵と思われた次期があった。

しかし今は、そんなものは打ち忘れて、農政復古だの先祖帰りだのと言われている。

株式の低落は、外国人に見放されたからなのだそうだ。Cimg4886

それで下がったのなら、日本人が買えばよいはずだ。

だが、この国の将来を一番不安に感じているのは、

日本人自身ではないのか?。

日本人が、日本の株を買わずに、外国の債権を買っているのだ。

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2008年2月 5日 (火)

食料貧国の定め

天ぷら蕎麦の国産割合は20%に過ぎない。Cimg4895

そば粉は中国産、エビは東南アジア産、醤油原料の大豆は米国。

一体どこが日本食なのか?

中国産毒入り餃子は、そんな日本人の食に「ざまー見ろ」と言っているようだ。

現実は、中国製食品が無くなったら、日本の食生活は成り立たなくなっているからだ。Cimg4896

今回の事件が、犯罪性を帯びてくればなおさら、犯人の意図は恣意的である。

どんなに厳しく監視しても、100%のチェックなど出来るはずも無い。

日本人は、安全を祈りつつ、それを飲み込む他無いのだ。

小麦の自供率は、13%。Cimg4917

大豆は、25%に過ぎない。それに家畜の餌はほとんど輸入だ。

そんな現実にも拘らず、農業者は減り続けている。

何故って、日本人がひたすら安いものを求めてきたからだ。

工業製品を売って、低賃金国からただ同然で食料を買っていたからだ。

その工業製品も、今ではその発展途上国で多くが作られるようになった。

はてさて、日本人はこれからどうするのかな~?。

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2008年2月 4日 (月)

ニューファーマー

どんな産業があろうと、行き着くところは

この国が本当に食えていけるのかどうかだろう。Cimg4912

ところがこの国は、経済にかまけて、食をおざなりにしてきた。

挙句の果てが、冷凍餃子騒ぎである。

農薬入りだって、手に入る内は未だ良い。Cimg4907

エネルギーベースで自給率39%なんて国は、世界に例が無いのだ。

かつてエコノミックアニマルと言われた蔑称も、そんなところに深因がある。

今日、新たに農業にチャレンジ゛している皆さんとの懇談があった。

その就農のきっかけは様々だ。Cimg4908

だが、感覚的に食を生み出す産業への潜在的な可能性を見詰めている。

本人は、未だその正体を掴みきっていないかも知れないが、

何人かに、未来のその姿を想像していた。

若い彼らには、遥かなる可能性がある。Cimg4911

かつての古い農業の旧弊と、間違った常識を突き抜ければ、

新しい国民のための食料産業の姿が見えてくる。

人は、どんな産業に就こうと、それは良い。

でも、一生それをやって、「私の人生、これで良かった!」と思いたい。

それを自分の力で実現できるのが、農業だろうと思う。

どっちみち、人生は一度しかないのだ。

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2008年2月 3日 (日)

森町ロードレース

私の春一番のレースだ。Cimg4901

レタスの畑から古い町並みを駆け抜けて、

アクティー森までの往復のハーフを走る。

今日は朝からあいにくの雨なのだが、むしろみんな快走できたのではないか。Cimg4904

森町で一番良いのは、町の皆が歓迎してくれることだ。

今日も寒い雨の中、傘もささずに「来年も来てね~」とか、

「よ~、頑張ってるね!」とか、熱心な声援の連続だった。Cimg4905

私達は走っているから寒くないけど、応援の方が辛いよね。

このレースを皮切りに、駿府、日本平、伊賀上野、野辺山と続く。

いよいよシーズンだ。Cimg4906

仲間に負けないように、練習距離を伸ばさなくっちゃ・・・・。

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2008年2月 2日 (土)

春の足音

もうすぐ立春である。

既に梅の花は、満開近くなっている。Cimg4898

桜も、河津桜がチラホラ咲き始めたらしい。

とは言え、寒い日はまだまだこれからだ。

私にとって今年の春は、例年とかなり違った春になる。

長年努めた勤務先を、リタイアする順番になっている。

その春が近いというのに、未だにその実感がない。Cimg4899

つまり、長年の習慣と言うものは、

そんなに簡単に気持ちを切り替えられないと言うことだろうか。

そんな訳で、待ち遠しくもあり、そうでないような春になりそうだ。

ところで節分には、豆(大豆)を「鬼は外!」とまく。

それに、年齢の数プラス一個豆を食べると健康で過ごせると伝えられている。

大豆には、イソフラボンが大量に含まれているCimg4900

そしてこいつが、心臓病や前立腺肥大を抑制する。

正に大豆を食べれば「福は内、鬼は外」なのだ。

春を前にして、農作業も忙しい。

葡萄の剪定枝を償却し、堆肥をやらなくっちゃならない。

私の祈念すべき春はともかくとして、今年も旨い葡萄をつくるぞ!!!

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2008年2月 1日 (金)

限界集落

なんと寂しげな言い方ではないか!Cimg4794

この日本列島は、基本的に山が連なって出来ている。

英語で表現するなら、マウンティアスな国と言うことだろう。

日本人は、その山を削って棚田や畑を切り開いてきた。

静岡県の茶園なんてのは、その典型と言える。Cimg4796

ちなみに静岡県の茶園の1/3は、中山間地域に存在している。

生産性から言えば、当然条件不利地域である。

だから人口も減って、少しずつ荒廃が広がっている。

市場原理だけでは、維持できないのだ。

政府もヨーロッパの条件不利地域対策に倣って、Cimg4875

傾斜度に応じて少しばかりの金を出している。

しかし、10aあたり3,500円~21,000円と言うのだから、

かなりの傾斜地でも、1ha当たり10万円ほどだ。

果たしてその金で、そこに住んで頑張れるのだろうか。

そもそも、中山間地域では平場と同じことをしていても駄目だ。

平坦地では出来ないことを、工夫するほか無いのだ。

個性のある商品を作って、直接流通させて、ヒトを呼び込むことだろう。

それと、山村の個性が際立つよう、景観を磨くことも大切だろう。

いずれも息の長い取り組みだ。

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