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2008年4月26日 (土)

ヤブキタの百年

5月1日の八十八夜を前にして、茶摘の最盛期を迎えようとしている。Cimg5418

静岡県のお茶は、ほとんどがヤブキタだ。

同じ品種だから、今年のような気候だと一斉に収穫期を迎えてしまう。

作業が集中して、夜も眠ること無く働く事になる。

加工機械だって巨大な施設が必要になってしまう。Cimg5419

何故、ヤブキタだけになってしまったのか。

ヤブキタは、1908年杉山彦三郎翁が、藪の北側の茶園で見出した。

成長が旺盛で欠点が無い。

この品種が本格的に広まったのは、昭和30年代以降である。Cimg5047

時あたかも高度経済成長期であり、肥料の量とともに増収するヤブキタは秀才であった。

消費生活の向上と共に、作れば売れる時代が続いた。

だから茶商は、「ヤブキタでなくてはお茶にあらず」・・・そんな商いを続けてきた。

結果として、静岡のお茶は、ヤブキタだけになってしまった。

100年もの間、一つの品種が凌駕するなどは、植物の世界では有り得ない事なのにである。

それほどに、ヤブキタは優れた品種であったのだが、

個性が強調される今日にあっては、いささか偏重・硬直化の感はぬぐえない。

静岡県立美術館の近くに、ヤブキタの源樹が残っている。

この一本の木から、挿し木技術によって、ヤブキタが全国を席巻したのだ。

はてさて、今年のお茶はどうなるだろうか。

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