ジャガイモと私達
「好物は何か?」と問われれば、「肉じゃが」と答える。
抵抗無く美味しくいただけるのが肉じゃがである。
ジャガイモの原産地は、南米ペルーの高地で寒冷地や痩せた土地でも育つ。
そのジャガイモをヨーロッパに伝えたのが、インカ帝国を征服したスペイン人だ。
彼らはインカの富を全て略奪したのだが、その中で唯一世界中に恩恵をもたらしたのがジャガイモだった。
ジャガイモは、スペインから当時属領だったオランダに伝わり、
16世紀末、オランダ人によってジャワ島のジャカルタに持ち込まれた。
その芋が日本に持ち込まれて、ジャガタラとなった。
そしてこのジャガタラが、ヨーロッパの飢饉時と同様に、辺地開拓に大きな役割を果たす。
北海道のサロマや旭川付近には、広大な馬鈴薯畑が続いている。
寒冷地や酸性土壌には、この作物は絶大な力を発揮するのだ。
明治始めの北海道開拓を支えたのも、この馬鈴薯だった。
北海道で馬鈴薯の畑を眺めながら、私達と農作物の深い関わりを思っていた。
ひょつとしたら私が生きているのも、そうした作物の歴史の結果なのではないかと。
人間は如何なる事があっても、食料を粗末にしてはいけないのだ。
それに今年は、国連の「国際ジャガイモ年」である。
食料問題に関心の集まっている折でもあり、ジャガと私達について考えるてみる好機だろう。
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