信念は何処に?
農産物輸出国側の米国・ブラジルと輸入国側の中国・インドが対立したからだ。
米国のごり押しは毎度のことだが、
食糧輸入国に転じた中国やインドの姿勢は鮮明だった。
そのためには、決して米国の言いなりにはならないと言う事だ。
我が国からも2名の大臣がジュネーブ(ドーハ)に言っていたのだが、
主要国の顔色を伺うばかりで、交渉の流れに何の役割も果たしていない様子だ。
それは、国境措置の必要な農業部門と、輸出門戸を拡大したい工業部門を同時に抱えているからだと説明される。
インドのトーナ商工相は、「我々の主張は、商業的利益のためではなく、
貧しい農民の生計を守るものだ」と明言した。
要するに、国の意志の明確さの差異なのだろう。
国によって地形や気候、農業生産の規模や生産方式、はたまた消費構造だってまるで違う。
日本のように高温多湿で河川が多くマウンティアスな国では、
賃金か同じだとしても、生産コストは米国などとはまるっきり違うのだ。
国内向けには自給率を上げると言っておきながら、
国際交渉ではそんな信念は微塵も見られない。
そもそも、この国のグランドデザインが無いのではないか。
この国の産業を、どうしたいのかの信念が欠如しているのだ。
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