よお~おやんなさる!!
丹後の皆さんが呆れていた。
まほろばの丹後を100km走った後「よお~・・」と言われたのだ。
この暑い中を、しかも100kmも、と言う訳である。
散々体を痛めつけて、体全体が泣き出すようなそんな思いをして、
野を越え山を越え、ひたすら走り続けるのだ。
そんな無茶なことを、やる理由が無くてはいけないのだが。
・・・・・・
そもそも人生と言うのは、実に単調なものだ。
朝起きて顔を洗って、電車で仕事に行く。
仕事先では色々とあるけれど、それも日常の一齣に過ぎない。
友人と一杯やって帰宅したとしても、どうと言うこともない。
そんな単調な毎日を、私達は延々と続けているのだ。
だが、ウルトラマラソンは、そんな単調さとは別物だ。
その1km1kmが、自分との戦いなのだ。
どこで「もう駄目だ。」と妥協するのか否か。
その「駄目」の声を押しのけて、100kmのゴールに辿り着く。
これは単調な人生に活を入れるドラマなのだ。
90km近くに間人(はしうど)と言う集落がある。
聖徳太子の母・間人皇后が大和政権の騒乱を避けて暮した所だ。
今年、この集落の皆さんが、挙って私達ランナーを迎えてくれた。
との軒先にも家族打ちそろって、「よう、頑張ったな~」と声援してくださる。
村の有線放送からは、ランナーを励ます歌が流れている。
単純な私なぞは、これだけで全身から涙がこぼれてくる。
走る側も励ます側も、何がしかの気分を共有しているのだ。
ゴールの後、呆けたような顔をして湯船に浸かりながら、
苦しかった一日を思い出そうとする。
すると、そこには何も無いのだ。
たった今しがたの苦しさが、過去のものになっている。
残っているのは、やり遂げた充実感だけだ。
13時間03分のドラマ。
単調な私の人生は、これで再び元気を取り戻すのだ。
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