美の共有
かつてバブル経済末期の頃、
某製紙会社の社長が、ゴッホのヒマワリを手に入れた。
彼は、俺が死んだらこの絵を棺桶に入れろと言ったのだ。
だがその非難のお陰で、絵は灰にならずに済んだ。
この点、岡田茂吉の収集の目的は明確だった。
彼は、「美術品は人間の品性を高めるものだ」と考えていた。
だから集めた美術品は、一人でも多くの人に見せることを旨とした。
ことさら彼は、東洋美術の優品を集めることに熱中した。
その美術館が熱海と箱根にある。
思い立って熱海のMOAに出かけた。
僅か150年前のこの国の姿が、
富士山と共にそこにはあった。
北斎が歩いて旅し、写し取った世界だ。
文化とは、優れた人々が積み上げて育てていくものなのだ。
チョツト忙しかったけど、
私の品性は別として、
少しばかり気持ちが温かくなった様な気がしている。
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