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2009年1月26日 (月)

寅さんと欲望

昨年、「寅さんに学ぶ日本人の生き方」なる本を読んだ。Cimg7062

静岡理工科大学の志村史夫教授の著作だ。

そして昨日、志村教授の講演を伺った。

その話を聞きながら、

「確かに寅さんには、欲の露出が無かったよな」って改めて思った。Cimg7061

今時トランク一つで、果たして生活できるのか分からないが、

金は勿論彼の恋だって、何時も振られるか自分から身を引くかのどちらかだ。

決して成就することは無い。

それでも、何時も彼は超楽天的である。Cimg7063

そう、「お天道様は見ているぜ!」と平然としている。

今日の世界を覆う大不況は、人々の際限のない欲望の結果に他ならない。

そもそも人間が農耕を始め、それで食と社会を賄っているうちは、

腹が膨れればそれ以上の欲望は無駄なものだ。Cimg7060

食物の貯蔵にも限りが有ったから、

せいぜい権力者と国家のようなものを産み出す程度だった。

それが、貨幣が紙幣になって、さらに金融工学にまでなった。

いよいよ、人間の欲望には限りがなくなった。

物の豊かさが至上の価値観になり、それを実現する金を追い求めるようになる。

寅さんのような人と人との触れ合いもなくなって、

表示偽装でも振り込め詐欺でも、果ては殺人までもする。

自分さえよければと言う世相になってしまった。

今日の社会は、寅さんの世界とは程遠い対極にあるのだ。

私達は、そのアメリカ的な価値観を無条件に受け入れてきたのだが、

本当は経済以上に、生き方の哲学とか倫理が大切なのだ。

人間は、衣食足りて礼節を知ることが無いのだ。

今回の金融危機は、私達の生き方をも問いかけているようだ。

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コメント

丑年のお年玉 「寅さん」拝聴 感謝です。
人智を越えたて「感動を忘れた日本人」に
ともすると物欲の中に埋没なかれと「礼節」・「足るを知る」に相応しい学びの物語。多くの示唆に富む。福沢諭吉流「人まなはざれは智なし、智なき者は愚人になり」のお手本ですね。
※本日夕方、朝日TV放映「日本でいちばん大切にしたい会社」拝聴して戴けたでしょうか。
幸せとは①人に愛されること②人に誉められること③人に役立つこと④人に必要とされること等
人間主義の経営姿勢に感動でした。
※推薦図書 坂本光司著 あさ出版社発行

 

投稿: 静岡の老婆心 | 2009年1月26日 (月) 21時23分

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