ハバロフに
寒い! 強い風と雨。 日本の12月の気候だ。
第一感、「大変な所に来た」である。
ムラビィオフォングス通りへ、そしてアムール近くのホテルへ。
ムラビィオフと言うのは、1858年清朝を脅かしてアイグン条約を締結した提督だ。
アムール河以東をロシア領としたのだ。
空港からホテルまでの地名は、正にこの地の歴史なのだ。
その後は北に向かって流れオホーツクに注ぐ。
だから対岸は、中国の黒龍江省だ。
ムラビィオフの像は、丘の上から対岸を睨んで建っている。
1945年8月、ロシア軍はこのアムールを越えて満州になだれ込んだ。
そして、70万人余の40歳以下の日本人男子をこの地に抑留した。
鉄道建設と森林伐採に使役するためだった。
が、彼らに待っていたのは、過酷な労働と飢え、
零下30度にもなる寒さとの戦い。彼らは夏服なのだ。
未だにその名前さえも、全ては明らかにされていない。
ラーゲリ(強制収容所)の隅に死体置き場があって、
凍った死体が積み重ねられていったと言う。
8月にして、この寒さである。アァ~シベリアなのだ。
スターリンの社会主義とは、そんなものだったのだ。
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