鯨油とこの国
かつてこの鯨油が、この日本の歴史を大転換させている。
ことは19世紀中頃に遡る。
鯨油を確保するため捕鯨が盛んに行われていた。
それも、今日の反捕鯨運動が皮肉だが、
ともあれアメリカの捕鯨船団は、日本近海までやってくる。
ところが、日本は鎖国をしていて、台風に遭遇しても避難も拒否している。
俄然、アメリカの捕鯨業界は「日本を開国させよ」との声を起こす。
そうして1853年、艦隊を引き連れたペリー大佐の来航になるのだ。
ここから、この国の幕末の騒乱が始まるのだ。
仮にアメリカで菜種が栽培され、これが灯火に使われていたら、
徳川幕府は、その後も十分に安眠を貪り得た筈で、
少なくともロシアが朝鮮半島を領有する頃までは大丈夫だったろう。
とすれば、日清戦争も日露戦争も無かったのではないか?
とにかくも、鯨油が日本の歴史を変えたことは間違いなかろう。
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