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2010年3月21日 (日)

ゼロの焦点

能登半島の外浦に、巌門と呼ばれる岩場がある。

荒波が洞窟を造り、岩をもくりぬいている。

そして日本海の荒波に洗われるこの辺一体は、

Cimg0099

朝鮮半島の海金剛に似ていると言う。

それで、この海岸線を能登金剛と呼ぶようになった。

鷹の巣岩やら磯貝岩、猪鼻や巌門などの岩場が続いているのだ。

Cimg0098

冬季には波の華が打ち寄せて、それはそれは寒々とした風景になる。

実はこの場所、松本清張の「ゼロの焦点」の舞台なのだ。

次々と起こる謎の殺人。

Cimg0097

そして最後も、真犯人はここから波間に消えていく。

小説は、そこで終わっている。

だがその後、この地を自殺の場所に選んだ女がいた。

ゼロの焦点に触発されたのだと言う。

Cimg0096

それで清張は、この場所に石碑を建てた。

石碑には「雲たれて ひとりたけれる 荒波を

かなしと思へり 能登の初旅」とある。

小説には、戦後の混乱期を生き抜き、栄達と自己保身ゆえに、

自らを滅ぼさざるを得なかった人間が描かれている。

「重なりあった重い雲と、ささくれ立った沖との、

その間に、黒いものがようやく一点、見つけられた。

黒い点は揺れていた。その周囲に、目をむく白さで、

波が立っている。」・・・最後の場面である。

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