ロシアより思いを込めて
今、北京経由でバイカル湖畔のイルクーツクから帰ったばかりだ。
例によって、今回も観光旅行では経験し得ない体験をしてきた。
今もウランウデの人々の笑顔が瞼の裏に残っていて、
少々夢見心地のままなのだが、想いは新鮮なうちに書くべきだろう。
とは言え、何から書き出すべきか?
やはり順を追って、様々な出来事を含め旅程を遡ることにする。
成田を18:15に立った私達の旅は、最初からアクシデントに見舞われる。
北京には予定通り現地時間21:15に到着した。
この巨大な北京国際空港でイルクーツクに乗り継ぐのだ。
だが、搭乗ゲートで待っていても一向に案内がない。
それに駐機場にもそれらしい機影すら見えないのだ。
それでも出発予定時間直前になって、6時間遅れの表示が出た。
そして、僅かばかりのサンドイッチが配られた。
だがそれだけで、何の説明もない。
止む無く私達は、このロビーで一夜を明かす他なかった。
椅子の上に横になったものの、眠ると冷たいクーラーの風で目がさめる。
そんな繰り返しと共に夜明けを迎えた。
滑走路のかなたから太陽が昇り始める。
その明るさに周りを見渡すと、ロシア人ばかりである。
シベリア航空だから当然と言えば当然だが、
日本人は私達9人だけであった。
ともあれ、午前8時になって漸くイルクーツクに飛び立った。
北京からモンゴルを跳び越して目的地までは3時間弱であった。
11:30にはイルクーツク空港に到着できた。
だが大型機でもないのに、荷物が1時間待っても出てこない。
乗客は文句も言わずひたすら待っている。
そして、小一時間も経って窓の外にバッグを積んだ車が見えた時、
その受け取り場に時ならぬ拍手が沸いたのだ。
何とも不可思議な風ではないか。
結局、この小さな空港を後にしたのは13時であった。
と言う次第で、この日はSAYANホテルに入って、程なく夕食になった。
成田からこの地に丸一日を要したのだが、実は日本と時差がない。
だから午後10時近くので明るいのだ。
私達は、北京で時計を一時間遅らせ、この地で再び元に戻すことになった。
この日快適だったのは、
日本の猛暑と違ってここの気温が15度と冷涼だったこと位だろう。
それにしても、この国の機構は未だにどこか変だ。
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