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2010年9月21日 (火)

100kmの旅路

初秋とは言え丹後はまだ暑い。

朝まだ暗い午前4時30分、久美浜に向かって走り始める。

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日本海の沖には点々とイカ漁の火が浮かんでいる。

この時期、私の練習量は極めて少ない。

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暑さに加えて何かと行事が重なっているからだ。

それで100kmを走りきるには、気力しかないと覚悟はしてきた。

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やはり足は、思うようなスピードを出してはくれない。

それでも爽やかな浜風が頬を撫ぜていく。

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「いい気持ちだ」殊更そう思い続けている。

小一時間も走ると、夜が明け始める。

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青い海に島々の緑が浮かび、小天橋立が美しく広がる。

私はその湾を縁取るように走っていく。

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「よしよし、良い風が吹いてくるぞ」そう思い続けている。

しかし100kmの旅は、いつ何が起こるのか知れたものではない

だから歩かずに、ゆっくりでもひたすら前に向かって走る。Cimg1765

ペースの遅い分、ほとんどイーブンペースを維持している。

網野を通過して、Cimg1770

50km地点の丹後味わいの里では15分の貯金しかない。

でも幸いに、空に雲が広がり始めている。

「良し、これで完走できるぞ」と碇高原をめざす。Cimg1769

決して歩くまいと心を決めて、15km続く坂道を登っていく。

頂上の関門まで9.6km地点で、2時間20分を残していた。

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何とか間に合うだろう。

関門まで2.8km地点で、

エイドのサポーターが「あと30分だから・・!!」と力を込める。

今日始めて、弱気の虫が顔を出す。

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「出来るところまで行こう・・関門にかかりゃ、もう走らなくて済む・・」

この弱気の虫を「馬鹿言え、頂上からはもう下りだぞ」と吹き消す。

私は、必死の形相で走っている。

あと1kmの表示が現れた。その時、時計は4分を残すのみだった。Cimg1755

瞬間「あぁ~」と思いつつ、猛烈なスピードで走っていた。Cimg1779_2

だが私の200mほど先に、制止する係員と収容バスが見えた。

私の100kmの旅は、74kmで中断を余儀なくされてしまったのだ。Cimg1780_2

バスを降りてから「静かの里」の湯を出ると、Cimg1766

ロビーでウルトラ癒しのコンサートを開いていた。

ほんの先程までの激しい葛藤と、このヴァイオリンの奏でる静けさと自分。Cimg1753

赤とんぼの曲が、私の胸を静かに震わせている。

この100kmは、人生の一つのドラマなのだ。

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