« 井の中の蛙 | トップページ | 文化の香り »

2010年10月30日 (土)

野の小道

時々、子供の頃の道が夢の中に出てくる。

あれは何歳の頃のことなんだろうか。

その道は、集落の縁をうねうねと縫う

Cimg1528

ように巡っていた。

道の向こうには、見渡す限りの田圃が広がっていた。

大人たちは畦道を辿って、来る日も来る日もその田圃に通っていた。

Cimg1390

そこには日本の農村の原風景があった。

田圃は生きる糧そのものだったから、道は削られてドンドン細くなった。

昭和30年頃、耕地整理が始まった。

Cimg1944

村中大騒ぎになったが、道が無くてはどうしようもなくて、

トロッコの線路が引かれて土運びが始まった。

田圃を四角く区切って道路と水路をつけるのだ。

Cimg1972

私達は、大人達がいなくなるとそのトロッコに乗って遊んだ。

暮れなずむ夕暮れ時、替わり番こでトロッコを押したっけ。

当時私は兎を飼っていて、毎日道端のタンポポを採って歩いた。

Cimg1979

ウサギは、赤い目を更に赤くしてそのタンポポを食べた。

やがて耕地整理で、松並木も昔の道も跡形も無くなった。

整然とした升目の水田になって、あの幾何学的な田圃も消えうせた。

Cimg1214

さてこそ近代が、私の村にもやってきた頃の話だ。

中山間の里山には、何処へともなく続くそんな道が残っている。

「谷を渡り 林をくぐり 何処へともなく 道は続く」

|

« 井の中の蛙 | トップページ | 文化の香り »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

野の小道思い出すなー 暗くなるまでトロッコで遊んだ ひっぽかしで帰った。遅くなったが山草人さん、おやすみが速いから 毎朝5時ごろ拝読させて頂いています。

投稿: かじやけん | 2010年10月31日 (日) 18時57分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 野の小道:

« 井の中の蛙 | トップページ | 文化の香り »