« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »

2011年4月30日 (土)

春の夢

小笠山の緑道も青葉若葉の茂みが美しく、

そよぐ薫風が美味しい今日この頃になった。

Cimg3810

それに私の葡萄も新枝を伸ばして花房をのぞかせ始めている。

震災で沈んでいたけど、世の中もやっと春を受け入れ始めようとしている。

Cimg3807

ところで「春眠暁を覚えず」と言うように、春眠は心地よい。

夜の白むのを待つ間のまどろみで、時に夢を見たりもする。

Cimg3804

その夢は泡沫のように消えて記憶にも残らないのだが、

あるいは夢を見られるのは心身の若さの証拠かも知れない。

Cimg3803

それでその若さは、自分自身への課題設定如何だとも信じている。

課題は目標と言い換えても良かろうが、つまりは夢だ。

Cimg3780

そしてその夢を見られない人間は、次第に若さを失うことになる。

と思っているのだが、所詮人間の一生などはかないものだ。

Cimg3781

それに、傑出した人間など滅多にいるものでもない。

まして自分が特別である筈も無いから、

一生懸命に夢を追いかけて、一途に励む他ない。

Cimg3783

この世の中の大抵の仕事は、才能の有無で決まるのでもない。

優れた仕事をした凡人のことを人が才能だと言うだけだろう。

私は、学校の成績だって仕事だって程々でしかなかった。

Cimg3670

なまじ優等生でなくて良かったと思っている。

凡人は、ちょっと良い点数をもらうと有頂天になっちゃうからね。

「おごれる人も久しからず 唯春の夢のごとし。

Cimg3552

たけき者も遂には亡びぬ 偏に風の前の塵におなじ」(平家物語)なのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月29日 (金)

どうする原発

福島原発の制御は容易ではなさそうだ。

この日本列島の上には、無数の原発が並んでいる。

Cimg3001

この原発を直ちに止めれば、産業活動も都市の生活も大混乱になる。

原発に代わる代替えエネルギーもコストが高くなる。

Cimg3103

そもそも日本の高度経済成長は、安い石油があって実現した。

そうして都市がどんどん成長したのだけれど、

Cimg3000

その都市も、エネルギーが無くなったらたちまち立ちゆかなくなる。

その集積した機能も物資の生産も、その輸送さえ困難になる。

Cimg3104

石油だってもう五十年くらいで無くなるって言うし、そうなりゃ農産物も生産できまい。

今の大型農業経営は、工業と同じようにエネルギーを使うのだ。

Cimg3446

もっとも私がその頃まで生きている訳も無いが、一体どうするつもりなのか。

本来政治家が考えるべき事だが、彼らはそんなこと頓着無い。

その上、発展途上国がより多くのエネルギーを消費するようになって、

じりじりと原油価格も上がっている。

Cimg3457

代替えがない限り、石油はやがて途方もない値段になるだろう。

・・・と言う訳で、又「原発も止むないか」となるのだ。

しかし、浜岡原発などは震源域の真上にあるのだし、

Cimg3469

地球の造山運動を考えれば、何が起こっても不思議ではない。

例えば、大きな陥没や隆起にも耐えられるのだろうか。

人間の技術は、原発の暴走を押さえられるのだろうか。

福島の避難を強いられている人達の無念を何とする!

Cimg3475

私達この列島に住むすべての人間が、彼らの無念に学ばねばなるまい。

この先の震災を考えるなら、

先ずは東京一極集中を分散させることから始めたい。

そうでなければ、原発を無くすことも難しかろう。

私達は経済を至上とするあまり、この国土を粗末にし過ぎてきたのだ。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2011年4月28日 (木)

プリミティブ

某地区から電話で、「防犯灯が消された。何とかしてほしい。」と言ってきた。

節電が大切なのは分かるが、何も道路の照明灯まで消すことは無かろうと言うのだ。

Cimg3172

「とにかく、役所に話をしてみる。」と約して受話器を置いた。

さてこの節、公共も家庭も何を節電すべきかはなかなか難しい。

Cimg3514

それに私達の生活は、便利を追求するあまり既に豪華を当たり前にしている。

昼間より明るいような街の照明や地下街。

Cimg3459

建物だって人工照明や空調を前提に作られている。

家庭だって、洗濯物ですら電気で乾かすし、

Cimg3512

電化製品を取り去ったら何も残らなくなる。

電気がなかったら、如何ともし難い現実があるのだ。

Cimg3469

だけど石原都知事の言のように、沢山の無駄があるのも事実だ。

もちろん自販機もパチンコも過剰な冷暖房もいらない。

Cimg3510

話は変わるが、私は我が家の嫌われ者になっている。

それは無駄な電気を消して回るからだ。

Cimg3476

トイレの換気扇、付けっぱなしのTVや照明、

もちろんエアコンは真っ先に切ってしまう。

Cimg3497

まあそれでも、今年は計画停電への協力を理由に嫌われても頑張れる。

家庭ではその位だが、さて公共施設ではどうすべきなのか。

Cimg3494

さっそく県の土木事務所に電話したが「ご理解ください」て一蹴された。

しかしまあ、東日本の惨状を見れば仕方ないか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月27日 (水)

地域に動きを!

この4月から、自治会連合会で拘束されることが多くなった。

役員会や総会はもとより、福祉委員会、小中学校の入学式、地域福祉推進会議、

Cimg3725

交通安全会、防災情報交換会などと連日である。

多忙とはいえ、議員と違って基本的にボランティアだ。

Cimg3533

むしろボランティアだからこそ、できると言うべきかも知れない。

ともあれこれまでの自治会は、年々その存在が希薄になってきた。

Cimg3731

それは私達の日常がグローバル化して、地域に依拠する部分が減ったからだ。

それに情報量の爆発的拡大で、その価値観も実に多様なものになった。

Cimg3733

同じ土俵に乗って解決するのではなく、むしろ勝手放題が増えてしまった。

だから自治会の役員も一年交替のたらい回しになった。

Cimg3763

地域のために何事かを仕組むにも、一年では結局何もできない。

とどのつまり自治会の進歩など望むべくも無いのだ。

Cimg3778

ちなみに私の管轄区域には47の自治会があるが、46人が新任の会長だ。

今年も自治会のイロハから始めなくてはならない。

Cimg3762

しかし、時代は高度に成熟した社会へと移りつつある。

税収も減って、自治体に多くを求めることもできなくなった。

役所依存だけでは、薄ら寒い無縁社会を拡大してしまう。

Cimg3734

自治会の役割が改めて見直される所以だろう。

そして自治会は、その活動を通じて多様な縁を育むべきだ。

それは地縁こそが、結果として暮らしの安心・安全を広げることになるからだ。

Cimg3732

理想と現実はまだまだ乖離しているが、精一杯やってみたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月26日 (火)

時を溜める

私達が時の存在を意識するのは、それは大抵が普通でない時だ。

試験の締め切り時間だったり、電車に乗り遅れそうな時だったりするだろう。

Cimg2670

時間が限られたり、逆に余ったりすると時を意識せざるを得ない。

一日中何もやることが無くて、ひたすら時の経過を待つ。

Cimg3167

時間を持て余す恐怖がアルコール中毒を引き起こしたりもする。

だが時こそが、人々の傷を癒してくれるものでもある。

Cimg3216

だから時に切羽詰まったとしても、グッと耐えて時を待つことが肝心だ。

過ぎてしまえば、その切羽は実は何でもないことかも知れないのだ。

Cimg3449

実はこんな事をかいたのは、過去一年間を振り返っていたからだ。

ある自治会長がとにかく虚勢を張ること著しくて、

Cimg3453

私の提案に逐一逆の発言と行動をする。

決められた日の回覧文書ですら、自己都合で配布を遅らせる。

Cimg3463

求めた報告もほとんど無視する。

と言った具合で、私の担当地区の会議はいつも混乱した。

全くもって無駄な苦労をさせられたのである。

Cimg3493

しかしまあ過ぎてしまえば、その男の心事がやや寂しく思えるだけで、

その男も、若造に負けまいとそれなりに気張っていたのかも知れない。

今回の被災で苦しい思いをされている皆さんとは比較にならないが、

Cimg3557

困ったら、その少しの時間を耐えてみることだ。

活路は必ず見えてくるものだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月25日 (月)

自制の姿

日本人は、とかく感情を押し殺すことを美徳とする。

今回の震災でも、被災者の冷静さに世界中が驚いた。

Cimg3776

だけど何も、殊更格好をつけていた訳ではない。

前代未聞の災禍を前にして、諦観に支配されていたに過ぎない。

Cimg3772

泣いても叫んでも何も解決しないことが分かっていた。

それがこの災害列島に生きてきた民族の歴史なのだろうと思う。

Cimg3760

この点大陸の人間は、とにかく喜怒哀楽を剥き出しにする。

儒教などでも、時にそうすることが孝養の道とさえ教えている。

Cimg3739

それが風土が育てた民族の格好なのだろう。

ともあれ、その格好というものは結構大切なものだ。

Cimg3730

たとえば力士には力士の、教授には教授の、警官には警官の格好が必要なのだ。

それを力士が八百長をやったり、教師が教え子に手を出したり、

検事が証拠をねつ造したりするから物事はおかしくなる。

Cimg3729

さらにこれこそ肝心だが、人は歳と共に格好を考えるべきだ。

もとより子供が世間体を気にする筈もないし、

若者が格好つけるのは色気づいて見た目を気にするだけだろう。

Cimg3632

それに引き替え我々熟年者は、

馬齢を食んだ分それなりのスタイルができている。

人生や世の中に対する姿勢が、つまりその格好そのものなのだ。

Cimg3634

格好の表現の仕方はそれぞれだとしても、

私は私なりの格好をつけたいと思っている。

熟年には熟年なりの、人生の処し方があるはずだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月24日 (日)

人ごとじゃない!

福島原発の風評被害は、真にもって悲しい。

レタスやアスパラ、キューリなど、福島産と言うだけで叩売りなのだ。

Cimg3765

一体、誰がこんな事にしたのか。

政府は、リップサービスだけ。

Cimg3769

目に見えない補償など、誰もしようもない。

生産者の苦衷は見るに忍びない。

Cimg3770

ところで私の家は、浜岡原発から25kmのところにある。

もしもは考えたくないが、

地球の造山運動ほどの地震が起これば、成す術もないだろう。Cimg3768

福島で起こっていることは、人ごとじゃないのだ。

それで我が町の市長が、福島産野菜をトラックで買い付けてきた。

「人ごとじゃない」「みんなで支えよう」の呼びかけは、共感を呼んだ。

私も早朝から、福島の野菜を買うために行列したCimg3767

そう、その福島の野菜を買うために長蛇の列ができたのだ。

市長は、ずっと職員とともに売り子をやっていた。

一人一人に「ありがとう」と声をかけらがら、袋に野菜を入れて手渡していた。Cimg3771

「ガンバレ日本」の掛け声だけじゃ駄目た゜。

一人一人が行動するしかないのだ。

家屋敷も仕事も放棄して、僅かな持ち物で避難所で生活してる人のこと。

その一人一人の気持ちは察するにあまりあるけど、Cimg3766

経済的な豊かさを追求して国土をないがしろにしてきた結果がこれなのだ。

今朝は、皿に山盛りのアスパラを頂いた。

福島の農家の皆さん、ここにも貴方たちの味方がいるからね。

TPPなんて言ってる奴らにゃ、この美味しいアスパラ食わせるな!

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2011年4月23日 (土)

踊る阿呆

TPPのような益体もないものを、一体誰が主導しているのか不思議に思っていた。

そして今、その実態が次第に明らかになりつつある。

Cimg3487

TPPはその貿易の比重から言って、実質的に日米自由貿易協定だ。

そしてそのメリットは、圧倒的に米国にある。

Cimg3485

米国の国内雇用を増やすことは、来年のオバマ再選のための必須事項だ。

雇用を増やすには、日本に米国産品を買わせる他無いのが現実だ。

Cimg3478

日本の雇用を自由化させるのを始め、医療、投資、知財などでも、

日本のマーケットに食い込む必要がある。

Cimg3171

もちろん有り余る米国の農産物を買わせるのは当然のことだ。

1994年に北米自由貿易協定が結ばれた。

Cimg3096

その結果、輸出補助金を背景にした米国産トウモロコシは、

メキシコの穀物農業を崩壊させることに成功した。

Cimg3482

それと同じ事を、この日本向けに仕向けているのだ。

TPPで得をするのは誰か。

Cimg3484

それは米国とグローバル投資家でしかない。

それではこの日本で誰がこれを牽引しているのか。

Cimg3549

それは米国から沖縄普天間の失点挽回を迫られた政府と、

グローバル化した企業家だ。

残念ながら彼らにとって、日本の勤労者や国土などどうでも良いのだ。

私たちは、そんな策謀に踊らされてはいけない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月22日 (金)

源氏物語と宇治

源氏物語の後半の十帖は、宇治を舞台に描かれている。

平等院から桜につられて宇治川の堤に上がると、

Cimg3657

水量豊富な宇治川には、桜を楽しむ屋形船が行き来していた。

宇治川は、あの源平の合戦の舞台だ。

Cimg3659

頼朝から拝領した名馬する墨に跨がる梶原源太景時と、

高綱の先陣争いの名場面だ。

Cimg3660

蛇足だが、あの名馬「する墨」は静岡市井川の産で、

安倍川近くの鞠子にする墨の頭骨が残されている。

Cimg3663

その宇治川の戦陣の碑が中州にある。

ともあれそんな訳で、宇治川には不思議な力強さを感じる。

Cimg3664

宇治川を渡って対岸のさわらびの道を登っていくと、

世界遺産の宇治上社がある。

Cimg3666

つくりも古さびて、伊勢を思わせる古社である。

この少し寂しい界隈を、紫式部は行き来したらしいのだ。

Cimg3667

あの源氏物語のもののけのイメージを彷彿とさせる世界だ。

Cimg3668

そして、その先に源氏物語ミュージアムがある。

Cimg3671

ミュージアムでは、光源氏の邸宅六条院など平安宮廷の日常から始まって、

「椿姫」をはじめとした映像が続く。

Cimg3672

千年前の宇治川もかくやあらんと思ってしまう。

そう、宇治は物語の舞台にふさわしい。

Cimg3679

宇治川の流れは、とうとうと力強く時までも流していた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月21日 (木)

東寺の桜

Cimg3718

下りの新幹線が京都駅を出ると、左側に黒々とした五重塔が見える。

現存する塔で、55mと最も高い東寺の五重塔だ。

Cimg3715

街のとば口に巨大な古寺がある訳だが、意外とその由来が知られていない。

その為かどうか、今春の京都の観光キャンペーンは東寺のしだれ桜だ。

Cimg3711

その憂いを湛えるかのような桜を目当てに足を向けてみた。

かの桜はやはり五重塔と伍して、参道の桜を睥睨して立っていた。

Cimg3712

しかしそれは南東部の一角のことで、

8条から9条にかけての寺は背の高い瓦葺土塀に囲まれている。

Cimg3713

その広い寺域に大師堂や金堂、講堂、鐘楼などの堂塔伽藍が並んでいる。

そして五重塔は徳川家光の寄進であり、

Cimg3716

金堂は豊臣秀頼によって再建されたものだ。

この東寺は今は無くなってしまった西寺と併せて、

Cimg3718_2

平安遷都に際しての王城鎮護のために建てられた官寺だった。

地震や病気、火災など災害の怨霊から京の都を守らんとしたのだ。

Cimg3719

だから東寺は、源氏物語など平安文学にもよく登場する。

いずれも加持祈祷の場面だ。

もののけを折伏するという真言密教のそれである。

Cimg3720

東寺は、弘法大師空海の思想、そして仏の宇宙を表現した寺だそうだ。

ともあれ今、東寺の境内は人々の憩いの場でもあり、

近頃では町中の故に日曜市で賑わう。

Cimg3722

なるほど入場料の必要なのは、講堂と金堂の一角だけだ。

改めて、ゆっくりと空海という人を考えようと思った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月20日 (水)

雲龍院の窓

泉涌寺の隣の高台にその雲龍院があった。

写経の寺として知られるようだが、北朝歴代の廟所である。

Cimg3694

寺々をそぞろ歩いてきたのだが、泉涌寺を訪ねる直前にも、

後水尾天皇の身代わりになったという釈迦如来をふらっと訪ねた。

如来の口元から衣にかけて血の跡が残る3mほどの立像だ。

Cimg3695

その寺で甘茶を頂いたのにその寺の名を失念してしまった。

随分寺を訪ねたな~と思いながらも、

Cimg3706

ついでにその雲龍院も訪ねることにした。

雲龍院には、藤原時代の薬師如来を真ん中に日光・月光菩薩が祀られている。

それに徳川慶喜が光明天皇陵に寄進した灯籠が、何故かここにあったりする。

Cimg3707

雲龍院は、静かな庭殊に秋の中庭が良いようだ。

それでこの寺には、悟りの間、月窓の間、清浄の間、大輪の間など、

Cimg3708

その庭を眺める書院がある。

特に悟りの間の円形の窓は絶妙で、

庭の花々も紅梅から海棠、シャクナゲなどと変わっていくようだ。

Cimg3709

そんな庭を眺めながら、後水尾天皇の寄進した写経机に向かうとしたら、

この雑念の多い我輩とて、幾ばくかの悟りを得られるやも知れん?

Cimg3710

しかし写経はあきらめて、その代わり東寺の桜を見て帰ることにした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月19日 (火)

伏見稲荷の鳥居

あの伏見稲荷に、どれ程の鳥居があるのか?

一度は稲荷山頂まで巡ってみようと思っていた。

Cimg3682

この伏見は東山三十六峰マラソンのゴール地点だから、

毎年訪れているのだが、遂に山頂まで行ったことがなかった。

Cimg3683

稲荷神は秦氏一族の守り神と言われる。

秦氏は中国からの渡来人で、この国に稲作技術や機織りをもたらした。

Cimg3684

それで稲荷は産業の神様として信仰を集めるようになった。

そして鳥居の一つ一つが、

Cimg3686

家業発展を祈念する信者の思いなのだろう。

延々と続く鳥居のトンネルは、その結果に過ぎない。

Cimg3687

その思いの下を一歩一歩登っていくのだが、流石に人は少ない。

途中に茶屋があって、ニシン蕎麦や甘酒を出している。

Cimg3688

風に吹かれながら、生姜の利いた甘酒をいただく。

伏見の町を見下ろしながら、

Cimg3689

応仁の乱の折ここに野武士の巣があったことを思い出した。

京の街とも指呼の間にあって押し出すにも都合がよかったのだろうか。

Cimg3690

ともあれ、京の街からの稲荷詣では丸一日がかりだったろう。

そして、山裾の本殿と奥社に参拝して帰るのも稲荷詣でであり、

Cimg3693

山頂まではるばると足を伸ばすのも稲荷詣でだ。

はて、どちらにより多くの御利益があるものか?

Cimg3692

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月18日 (月)

負けるな東日本

震災から一ヶ月以上が経過したけど、復興の槌音が一向に聞こえてこない。

原発事故があるとはいえ、

Cimg3738

その原因は政府の骨太な復興対策が見えないことだ。

それに、政治主導の弊害で官僚組織が動けないでいるのが大きい。

Cimg3735

一刻も早く、復興需要を盛り上げることが必要だ。

この点、阪神淡路の震災と相当の隔たりがある。

Cimg3740

ところで震災以来、日本全国が自粛ムード一色で経過してきた。

しかしこれも、このままでは日本経済沈没を招来しかねない。

Cimg3741

と言う訳で、昨日は掛川新茶マラソンが開催された。

あちこちの大会が中止されて参加料が義援金に回される中で、

Cimg3743

この大会の勇気ある開催は、大いに評価すべきだと思う。

遅れていた茶の新芽も勢いよく伸び始めている。

Cimg3748

バラの生産農家は、この3月4月の最大需要期を失意のうちに過ごした。

新茶期を迎える茶農家に、同じ落胆をさせてはなるまい。

Cimg3749

震災以降の雰囲気を払拭しないと、

秋には農家も倒産を余儀なくされるだろう。

Cimg3750

ともあれ大会は、がんばれ東日本一色だった。

Tシャツに染め抜いたランナーやら、義援金を募る姿やら、

Cimg3752

沿道の応援もガンバレは同じだった。

やはり、元気は体を動かすことから始まる。

Cimg3753

被災地でも、少しでも早くビルドに移る支援が必要だろう。

とにかく昨年を千人も上回るランナーが春の野を元気に走り抜けた。

Cimg3756

久しぶりの大会だから、躍動感もあったな。

それで私も、昨年より40分も速く走ったぞ!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月17日 (日)

泉涌寺と楊貴妃

東山連山の南端にある泉涌寺の界隈には天皇の御陵が多い。

13世紀以降、幕末の光明天皇までの大半の天皇家歴代の葬儀が、

Cimg3696_2

この泉涌寺で行われてきたことと関係があるのだろう。

この寺の奥手の山稜にも「月輪稜」がある。

Cimg3698

本坊横の御座所は、明治天皇が御所内の御殿を移築したものだそうだ。

御座所には玉座や随員のそれぞれの控えの間があって、

Cimg3699

古びたとはいえ往時の雅やかさの片鱗を感じさせる。

「せんにゅうじ」となかなか読めないが、

Cimg3700

東山の一峰、月輪山の山麓にあって湧水はもとより豊富だ。

それで泉涌寺なのだろう。

Cimg3727

それはともかく、この寺域の一角に楊貴妃観音堂がある。

言うまでもなく楊貴妃は、唐の玄宗皇帝の寵姫だ。

Cimg3701

楊貴妃を寵愛するあまり政治をみなくなり、安禄山のランが起こったとされる。

玄宗は反乱軍に追い詰められ、やむなく楊貴妃を殺す。

Cimg3702

乱が治まって、玄宗は無き楊貴妃を偲んで等身座像を彫らせた。

どういう経緯か、その像を1255年に湛海律師が持ち帰ったのだという。

Cimg3703

その絶世の美女の片鱗にあやかろうというのか、

この観音堂は美のパワースポットなのだそうだ。

Cimg3704

確かに、ふくよかで端正な顔立ちをしておられた。

だけど確か、美人薄命とはこの楊貴妃に因むのではなかったか。

Cimg3726

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月16日 (土)

末法と平等院

修学旅行で行ったことのあるあの10円玉のお寺だ。

それに一万円札の鳳凰も阿弥陀堂の大屋根のものだ。

Cimg3645

そもそもひの阿弥陀(鳳凰)堂は、藤原道長の極楽浄土思想が生み出した。

阿弥陀堂は、1053年に建てられている。

Cimg3646

釈迦が入滅して2001年目に当たる年だ。

つまり仏教が形骸化してしまう末法の時代に突入する年だ。

Cimg3647

その末法の時代を救うのは阿弥陀仏の極楽浄土の教えしかない。

その危機意識の中で、この平等院が建立されたと言うことになる。

Cimg3648

藤原一族の栄華の極みと言ってしまえばそれまでだが、

天女が舞い九体の阿弥陀仏が降臨する極楽が描かれる。

世間は血なまぐさい戦乱と反乱が続く。

Cimg3650

その正に末法の時代をよそに、彼ら権力者の欲深な浄土希求だったのかどうか。

いずれにしても、それからほぼ千年を経て残った阿弥陀堂である。

Cimg3651

阿字池越しにお堂を眺めると、何故か寂寥感を漂わせている。

それは恐らく、お堂の両側の柱部分に大きな空間があるからだろう。

Cimg3652

かつて修学旅行で訪れてから、もう半世紀が過ぎ去っている。

その間に、この国の経済も人々の考え方も随分変わった。

Cimg3728

言うならば、東京都知事の言うように金権亡者と節度の無い国になった。

政府が金を配ると言えば、それになびく愚民がいる。

はたせるかな、国土も国益も考えないで行動する政府の存在がある。

Cimg3656

ハルマゲドンを思わせる震災にも、保身と政治主導の真似事が続く。

この国は、本当に末法の時代に突入したのかも知れん。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月15日 (金)

戦国武将と妙心寺

広さは甲子園の8倍ほど、境内には46もの子院塔頭があって、

その広大な寺域に佳麗な七堂伽藍が整然と並んでいる。

Cimg3617

それぞれの庭などを見て歩けば、とても一日で見られるかどうか。

とは言ってもこの日、門を開けていたのは5寺ほどだった。

Cimg3618

その寺々の多くが戦国大名の寄進によるものだ。

その為もあって、この広大な寺域には様々な歴史上の人物の墓がある。

Cimg3619

開山堂の西北には3歳で夭逝した秀吉の子、棄君の墓がある。

それに本能寺で殺された織田信長と信忠墓も開山堂の東側にあるのだ。

Cimg3620

その他、武田信玄などの墓もあって、この寺の戦国期の深い関わりが知れる。

この日案内されたのは、法堂と浴室だけだった。

Cimg3621

法堂の天上には可能探幽の雲龍図があって、

八方睨みの龍で何処から見ても睨まれている。

Cimg3622

浴室は他の寺院と同じだが、明智光秀ゆかりの浴室だ。

光秀は本能寺で信長を討ったその足で、妙心寺に立ち寄って多額の寄進をしている。

Cimg3623

その金で浴室が作られ、以後明智風呂と呼ばれたらしい。

堀尾吉晴や山内一豊、滝川一益やら、

Cimg3624

塔頭寺の来歴そのものが歴史なのだが、

この寺を巡って起こった歴史上の事件が紫衣事件だ。

Cimg3625

朝廷の権限を押さえ込もうと躍起だった徳川幕府が、

天皇の勅許した妙心寺の紫の袈裟を差し止めた事件だ。

Cimg3627

たかが衣の色だが、これに抗議した沢庵禅師などが流罪にされている。

時は流れて戦前の昭和、水上勉は妙心寺経営の花園中学に通っていた。

Cimg3628

戦時色が色濃くこの禅寺をも覆っていた。

妙心寺の石畳の両側は松並木だが、ここで鉄砲を担いで石畳に伏せ、

Cimg3629

紫外線を想定した教練を強いられたと書き残している。

人の世は、かつ消えかつ結びて 泡沫の如しか?

Cimg3630

徒然草の「およそ鐘のこえは・・・」の妙心寺鐘のリンとしたこえが、

そう言って響いているように聞こえた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月14日 (木)

仁和寺の桜

御室の桜は、残念ながら未だ蕾だった。

背が低くて花の大きい御室の桜は、

Cimg3599

「わたしゃお多福 御室の桜 はなは低くとも人は好く」と言われた桜だ。

その御室桜越しの五重塔こそは最高だと思っていたのだ。

Cimg3600

しかしまあ、紫宸殿の白砂越しの塔の位置には絶妙なものがあった。

さすが門跡寺院だけのことがある豪華さだ。

Cimg3601

空間の美をこれほど繊細な配置で創り上げるのは世界随一だろう。

この金堂や御影堂は、徳川三代将軍家光の時に、

Cimg3602

御所の紫宸殿と清涼殿を移築したものだそうだ。

まあ、一見の価値がある。

Cimg3603

その仁和寺が私の耳に馴染んでいるのは徒然草のお陰だ。

「つれづれなるままに 日くらし 硯にむかいて 心に移りゆく・・」

Cimg3608

吉田兼好のその「つれづれ」は、実は私のブログの師匠でもある。

「心に移りゆくよしなし事を そこはかとなく書・・・」いているのだ。

Cimg3609

ただ書き手が、兼好とは比べようも無く稚拙なだけだ。

ともあれ徒然草には仁和寺が度々登場する。

Cimg3612

岩清水八幡宮の山上の本殿を見損なった「ある法師」の失敗の話では、

「少しのことにも 先達はあらまほしき事なり」と結んでいる。

Cimg3613

それから足鼎を被って踊った法師のかわいそうな話や、

全財産を里芋食べるためにつぎ込んだ話など、

Cimg3614

ちょつと滑稽な話が多い。

そのことも仁和寺を身近に感じさせてくれる。

とは言え仁和寺は、皇族が出家す門跡寺院なのだ。

Cimg3615

その高貴な寺の法師を話柄として軽く扱っている。

吉田兼好は、この仁和寺とどんな関係があったのだろうか。

いずれにしても真言宗御室派の総本山としての荘厳な世界遺産だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月13日 (水)

龍安寺の安寧

龍安寺はやはり石庭に尽きるのだろうか。

方丈の前の油土塀まで広がる白砂と大小15個の石だけの庭だ。

Cimg3584

たかだか75坪ほどの広さでしかない。

この簡素な庭が、不思議な感懐をもたらしてくれる。

Cimg3585

大海に浮かぶ15個の石は、シンプルだからこそ物を思わせる。

もつとも中央の3個の石組みは虎の子渡しと言うのだそうで、

Cimg3586

漢の皇帝を慕って

虎までが子虎を背負って大河を渡ったという故事に因むのだそうだ。

Cimg3589

それにこの庭の大小15個の石は、

どの位置からも全ては見えないようになっている。

Cimg3590

「人間は真実の全てを見ている訳でなく、

人はみんな少しずつ違った見方をする。

Cimg3591

自分だけが真実だと思うなかれ」という禅の教えなのだとか。

ところでこの龍安寺は、室町末期の武将細川勝元の創建だ。

Cimg3593

勝本は山名宗全と将軍継承を巡って対立し、

世に言う応仁の乱を起こした張本人なのだ。

Cimg3594

京の都は戦乱で焼けつくされ、夜盗やら野武士が割拠し始める。

そんな折に、勝元はこの寺を建てているのだ。

Cimg3595

やがて応仁の乱はこの寺をも焼き尽くす。

再建したのは、勝元の子の政元だという。

Cimg3596

果たして、政元には禅の教えが通じていたのかどうか・・。

やがて応仁の乱の後、この国は激しい戦乱の続く時代へと突入する。

Cimg3587_3

権力者の心事は厄介なものだが、

しかしまあ、それにしてもその石と砂の波紋を眺めていると、

Cimg3588

狭い庭が広大に思えてくるのは不思議だ。

方丈をぐるっと回った日陰に、寂しげに侘助椿が咲いていた。

日本最古の侘助として茶人垂涎の花だという。

Cimg3597

この龍安寺には石庭とは別に、広大な鏡容池と桜苑がある。

その庭の枝垂桜が何とも言い難い現世を謳歌していた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月12日 (火)

等持院

等持院の桜もちょうど満開で、

山門から中門にかけて美しいアプローチが続く。

Cimg3572

現在の建物は、福島正則が妙心寺から移築したものだそうで、

どこか城の風情を思わせる。

福島正則は、尊氏に傾倒していた家康を慮ってこの建築を請け負ったらしい。

Cimg3573

ともあれこの寺の霊光殿に、尊氏から15代将軍義昭までの像がある。

それで思い出したのだが、幕末にこの尊氏の像を巡って事件があった。

足利尊氏は尊王の敵とされていて、勤皇浪士がこの寺に夜襲をかけ、

Cimg3575

尊氏の木像の首を切って鴨川に晒したあの事件だ。

だが、現在の霊光殿の尊氏像にはちゃんと首があって、

端然として理知的な顔をして座っていた。

Cimg3724

方丈の裏に回ると夢窓国師の作った庭が広がっている。

真ん中の池は芙蓉の花の形をしていて芙蓉池と呼ばれ、

その池の隣に尊氏の墓が立っている。

Cimg3583

それにしても尊氏は、戦前までは悪人・不忠の見本とされた。

時代の人物評価などは当てにならないと言う事だろう。

芙蓉池を見下ろす小高いところに、

Cimg3577

鄙びた風格を帯びて茶室の清漣亭がある。

村田珠光や相阿弥好みの茶室らしい。

水上の小僧時代には、この池の畔に祠があって、

Cimg3581

聖天像が祀られていたらしい。

言うまでも無く歓喜仏である。

杉苔の広がる庭と池を見ながら、水上の過ごした小僧時代をしのび、

そして又、金閣・銀閣をも造営した足利15代の230年を思ってみた。

すべからく、諸行無常の響きというところだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月11日 (月)

雁の寺

京都洛西の等持院は、足利尊氏が開創した臨済宗天竜寺派の寺だ。

この寺は足利家歴代の廟所になっていて、

Cimg3578

尊氏から義昭まで足利15代の坐像が祀られている。

衣笠山の南麓に位置するこの寺は、ちょつとした観光寺だ。

それは夢窓国師の作庭という庭の美しさもさることながら、

小説家の水上勉が寺小僧として少年時代を送った寺だからだ。

Cimg3576

彼は悲惨な小僧時代の体験をもとに小説「雁の寺」を書いた。

彼は10歳の時に、口減らしの為に寺に小僧として出された。

小僧といっても、炊事洗濯から塔頭や庭の掃除一切をやらされる。

朝も暗いうちから働くのだが、和尚は寝たままで小僧を起こした。

Cimg3579

小僧の手首には紐が巻かれ、

それを離れた部屋から引っ張って起こすのだ。

その和尚は、内妻を愛撫しながら小僧を引き起こすことすらあったという。

ともあれ小説では、小僧はその和尚を亡き者にしてしまう。

Cimg3580

一面推理小説のような絶妙な構成で、襖絵の雁だけが常に彼を見ている。

和尚と内妻との肉欲生活、そして和尚への憎悪、

その人間模様は彼自身の少年時代の体験がベースになっている。

腹を空かせた主人公の滋念は池の鯉を小刀で殺して食うのだが、

Cimg3582

小僧時代の水上は池の亀に石を投げつけて、

その割れた甲羅から流れる血を見て過ごしたという。

貧しい時代だったとは言え、まだ母親の恋しい幼年時代のこの体験は、

彼の著作の奥深い底辺となって続く。

それが「飢餓海峡」であり「一休」「金閣炎上」などだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月10日 (日)

金閣炎上

義満の造営した北山は、衣笠山の裾まで続く広大なものだった。

その大半を取り壊したのは息子の4代将軍だ。

Cimg3561

ともあれ金閣・銀閣が作られた時代には、仏教も儒教も混然となっていた。

五山文学が大成された頃は、

Cimg3562

むしろ儒教の色彩が濃かったかもしれない。

五山では当時、死とはすなわち魂魄の分離だと教えられた。

Cimg3566

言うまでもなく、魂とは精神であり魄とは肉体のことだ。

死者の魂を呼び戻す儀礼が祖先崇拝となり、やがて「孝」の教えとなる。

Cimg3567

その学問所の一つが鹿苑寺(通商金閣寺)だ。

その金閣が、昭和25年7月に学生僧の林養賢に放火されて全焼する。

Cimg3568

足利義満の木像も運慶の三尊像も灰燼に帰した。

彼は「こんなものは、禅宗とは何の関わりもない」と叫んで火をつけたと言う。

当時の新聞は「学生僧は異常性格か?」とか

Cimg3574

「住職への逆恨みか」などと報じたという。

養賢が逮捕された翌日、丹後から彼の母親が面会に来た。

が養賢は面会を拒否し、母親はその夜列車の連結から投身自殺している。

Cimg3637

そのまさにノンフィクションを克明に描いたのが水上の金閣炎上だ。

何故彼が放火に至ったのか、

そして27歳で彼が死ぬまでが書かれている。

そこには憎しみと絶望に心が破壊されていく養賢がいる。

Cimg3639

寺小僧として育った水上ならではの思い入れで、

彼の心の遍歴と人のはかない一生を辿っていくのだ。

金閣消失から5年後、今日の金閣が建てられている。

古図によって材も昔のままに復元されたというから、

Cimg3640

義満が酒池肉林の夜を過ごしたそのままの姿が私達の前にある。

天上天下、唯我独尊・・・金閣は、そんなそれぞれの人生を見てきた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 9日 (土)

永遠の古都

「日本に京都があって良かった」という標語がある。

そう、京都は何とも不思議な魅力を備えた街だ。

Cimg3715

ここ数年京都を訪ねてきたが、その度に感懐は深まるばかりだ。

そうして桜で華やぐ古都が恋しくなって、今年も足を向けてしまった。

今回は、かつて修学旅行で訪れた金閣を始とした洛西の寺々、

Cimg3717

そして宇治方面などである。

金閣は京都観光の目玉の様な所だから、逆に忌避される傾向すらある。

正しくは鹿苑寺と言って、舎利殿の金閣が通称になっている。

Cimg3721

重々しい黒門からは若葉がアーチのように続く。

土塀の続く通路を抜けると、その正面にあの金閣があった。

後ろには小高い衣笠山、そしてその隣に左大文字山が見える。

Cimg3558

三層の金閣が、鏡湖池にその静かな姿を映している。

この金箔は、外壁だけでなく内側までも覆っているのだそうだ。

果たして足利義満は、いかな思いでこの豪奢な伽藍を建てさせたものか。

Cimg3560

尊氏の孫である義満は、

南北朝を統一させて室町時代の全盛期を築いた。

だが彼は若くして出家してこの地に住み、北山殿と呼ばれるに至る。

Cimg3564

とは言え出家とは名ばかりで、この北山が政治の中心になる。

この鏡湖池に舟を浮かべて酒宴が繰り返されたという。

時には、妻妾を舟に侍らせ酒池肉林の狂宴すらあった。

Cimg3565

やがて義満の権勢が、きらめくような北山文化となって花開く。

その文化の輝きの一方で、全国各地で凶作や飢饉が続いていた。

そして賀茂川の川原には、腐乱死体の惨景が広がっていたのだ。

Cimg3569

そんな事を思いながら金閣を眺めていたら、

一層目に安置されている釈迦如来像の声が聞こえた様な気がした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 8日 (金)

勇怯智鈍

私はかなり臆病なくせに無鉄砲なところがある。

それで清水の舞台から飛び降りてしまって、

Cimg3474

その空中であれこれ悩む訳だが、

その時にはもう度胸を据えるしか術がない。

あながち智者は慎重であり、蛮勇は鈍者のものだ。

Cimg3473

要するに軽挙蒙昧なだけだが、

一歩前に踏み出すのを止めたら駄目だと思っている。

と言う訳で、現今の空間をさまよっているという次第だ。

Cimg3472

しかしながら、私の救いはしつっこさだと思う。

始めたことは馬鹿の一つ覚えで続ける。

マラソンや葡萄栽培、このブログやあちこちへの寄稿、

Cimg3458

毎朝の旗振りやらサロンや自治会との関わりもそうだ。

同じ繰り返しのようだが、犬も歩けばの類でその中にも進歩がある。

目の前の景色が次第に移り変わっていくのだ。

Cimg3455

それに鈍は鈍なりに、考えたり感じたりすることも進化する。

程度はともかく、如何なる神も怠け者を助けることはないのだ。

そうして日々、何か新しいことを学びながら生きたいと思う。

Cimg3454

引っ込み思案では何も始まらない.

転がる石に苔生すことは無いが、それで大いに結構である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 7日 (木)

お爺さん

子供の頃「村の渡しの船頭さんは♪ 今年六十のお爺さん

歳はとっても お舟こぐ時は 元気一杯 櫓がしなる♪」と歌った。

Cimg3397

絵本を見たって、よほどの爺さんが舟を操っていた。

あの頃の定年は50歳くらいだったろうし、

Cimg3408

60歳じゃ、稲作の重労働で腰だって曲がっていた。

おじいさんと呼ばれても誰も不思議に思わなかったろう。

Cimg3415

だがである。

渡しの馬齢も還暦を過ぎたが、

Cimg3480

お爺さんと呼ばれるのにはかなり抵抗がある。

御兄さんはお世辞としても、叔父さんくらいには見て欲しい。

Cimg3416

精神も肉体も、4~50代とそんなに変わっちゃいないんだから。

それに100kmマラソンだって走ってるんだぞ!

Cimg3483

しかしまあ、孫娘に「じいじィ~」と呼ばれて脂下がっているんだから、

あんまり偉そうには言えないか。

Cimg3420

ところで老人会というのは、近頃あんまり流行らない。

何故って、あまりにも価値観が多様化してしまっているからだ。

Cimg3413

加入者は70も後半からが大部分で、グランドゴルフなど遊び中心だ。

私はお年寄りにこそ社会の一員であり続けて欲しいと思っている。

つまり、出来ることを少しずつやってもらうことだ。

Cimg3421

朝晩、子供達に「オハヨッ、お帰りッ」と声をかけるだけだって良い。

そんなボランテア募集に、今年から新たに何人かが応じてくれた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 6日 (水)

笑顔と緊張と

今日から学校が始まった。

そして今日は、小学校と中学校の入学式に参列した。

Cimg3398

小学校の入学式など、自分の入学以来だから遥か昔で記憶すらない。

ともあれ、チビッ子達が何時に無く緊張した顔をそろえている。

Cimg3529

太っちょもいればちっちゃい子もいる。

中には鍵っ子だっているだろうし、家庭環境も様々だ。

Cimg3534

親父の飲み代になるような子供手当てを配るのが政府の仕事かどうか。

先日、私達の旗振りに「子供を過保護にする」って声があった。

Cimg3535

しかしね子供達にとって、

何時も誰かに見守られてるって実感がどれ程心安らぐことか。

Cimg3536

金を配ってほっとくよりも、

地域の皆で見守ってやることの方が大切だと思うのだ。

それはそうと、今では入学式に夫婦が揃って出席する。

Cimg3537_2

そうだよ、良いことだと思う。

小学二年生が、とても上手なセレモニーをやってくれた。

一年間で、これ程違うのかなって実感だ。

Cimg3541

午後の中学校は、さすがにお母さんだけの出席だった。

そして校長は166人の入学生全員と握手して回って、

子供達も中学生になったって実感を持ったようだ。

Cimg3543

それにしても、6・3・3・4制と言うのは、

心身の段階的発達と共に環境が変わる訳で、

特に精神的発達の大きな階段なんだなと改めて思っていた。

Cimg3544

被災地では数百校が入学式すら出来ないでいる。

一刻も早く、子供達に笑顔を取り戻させて欲しい。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2011年4月 5日 (火)

如是我聞

今日は二十四節気の清明である。

春先の清らかで生き生きとした気分を表している。

Cimg3434

元気の良い葡萄の芽や桜花を見るだけで、何か気分が高揚する。

しかし震災地では、もう既にあれから一ヶ月になんなんとしているのに、

復興の道筋も原発の鎮静化も見えてこない。

Cimg3498

如何に震災の規模が巨大だとは言え、

復興のタイムテーブルすら示されない。

それがあれば、人々はそれに沿って判断し動き始めるだろう。

Cimg3517

もはや政治主導の無力をさらけ出している場合ではない。

ランチェスターの法則ってのがある。

第二次世界大戦で英国はドイツの戦闘機に圧倒され、

Cimg3519

制空権を殆ど失いかけていた。

残された数少ない戦闘機で如何に反転攻勢に転じるかが課題だった。

そり折の戦法が、後にランチェスターの法則と言われるようになった。

Cimg3523

つまり相手の空軍は巨大だから、この群れとの前面衝突は避け、

そのうちの一機づつを数機で各個撃破していく戦法だった。

それで一点集中で勝利する方途を、ランチェスターの法則と呼んだのだ。

Cimg3451

どの機関が何時までに何を完遂するのか機能分けして実行する。

政治は、その為に必要な財源を調達して号令すれば良いのだ。

その計画と遂行の為に官僚組織があるのではないか。

Cimg3456

マニフェストなどに拘っている場合ではない。

この日本には、短期に復興できるその力があるはずだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月 4日 (月)

つまらんこと

Cimg3501

長いことブログを書いていると、「はて、今日は・・?」と思うことがある。

ブログネタは、毎日きょろきょろしているから不自由しないはずだけど、

Cimg3500

フッと、「今日の話題は、そりゃ取るに足らない」と言うか、

「下らんよなッ」て思ったりする時があるのだ。

Cimg3504

それに愚にもつかないことを書いて、それが何になるのかとの思いだ。

とくに政治向きの話は止むに止まれず書く訳で、

Cimg3505

本当は書きたくは無い。

何故なら、それは所詮蟷螂の斧であって、

Cimg3511

ごまめの歯軋りに過ぎないからだ。

言うまでも無く蟷螂はカマキリだが、そんな斧など益体も無かろう。

Cimg3518

それに今の世の中、メディアは言うに及ばずブログやツイッターなどと、

まことに姦しく無限の情報が飛び交っている。

Cimg3520

それは百家争鳴と言うのではなく,勝手放題の喧騒なのだ。

特にメディアに登場する半素人の言いたい放題は鼻につく。

Cimg3524

「こいつはホントに調べたのかよ!」との思いだ。

無責任極まりないが、それが世論の大勢だ。

Cimg3526

素人受けの良いことを喋ってギャラを稼ぐだけだ。

今度の震災で、日本人が海外から幾分評価されているようだけど、

Cimg3527

日本人は随分勝手な人種になっちまったと思う。

しかしまあ、人の死亡率は100%なのだ。

Cimg3528

何時か死ぬ訳だから、それまでつまらないことでもやり続ける他無い。

つまりこの国の閉塞感は、

割り切れないことの連続が生み出しているのだ。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2011年4月 3日 (日)

さくら道

今日は、本来なら日本平桜マラソンの日である。

しかし、この大会も中止になって

Cimg3465

参加費は義捐金に回されることになった。

しかしながら、足は予定通り疼いている。

Cimg3468

それで急遽、さくら道マラニックに飛び入りすることにした。

荘川桜の子供が静岡県に三本植わっている。

Cimg3470

浜北の北浜小学校、森町文化会館前、それに島田市の釣耕苑だ。

その三本の桜を辿って走ろうという企画だ。

Cimg3471

だが私は、自分の家からスタートして森町の桜で合流することにした。

とは言え、森町まで20km近くある。

Cimg3479

コース全体では60kmになるだろうか。

早朝にスタートしたのだが、森町までは思いの他遠かった。

Cimg3481

それでも36名の皆さんと合流できて記念撮影。

染井吉野はまだ1分咲き程度でしかない。

でも森町のこの桜は満開であった。

Cimg3486

森から原谷に入って、天浜線沿いに南下していく。

途中に満開のしだれ桜があって、これも風情満点であった。

天浜線の一両だけの電車と桜道も、まさに故郷の情景だろう。

Cimg3503

途中、屋台でたこ焼きを仕入れて車座の人たちも・・。

マラニックならではの風景が広がる。

Cimg3507

掛川のこだわりっぱでは、オデンにビールの昼食になった。

走っていると酔わないのが不思議だ。

Cimg3515

日本坂を登って小夜の中山から、金谷の石畳茶屋へ。

急な下りにそろそろ足が痛み出している。

Cimg3516

でもまあ釣耕苑までは残り14kmほどと納得させつつ走る。

15時45分ゴール。

Cimg3522

釣耕苑の桜は若くてわずか3輪の花だった。

てな訳で、今日も皆さんと和気藹々、たっぷり一日楽しんだぞ。

Cimg3508

ともあれ今日は桜がテーマだったけど、

コース沿いには一里塚や句碑が続く。

Cimg3499

町民が石を一つずつ持ち寄って作った石畳の峠、

日坂や島田の渡に残る江戸時代の町並み。

みんな人々の長い営みの跡だ。

Cimg3488

その古の人々の歩んだ道を、私達が自分の足で走っている。

そう実に平凡な歴史を共有しているのだ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年4月 2日 (土)

天気予報

近頃の天気予報は、実に正確に予測するようになった。

お陰で、洗濯物やら服装の兼ね合いも加減できる。

Cimg3440

TVはのべつ天気予報をやっているが、アレを欠かさず見ている人がいる。

何が面白いのかって、近未来を予測するからじゃないかな?

「明日の午後には、株が上がるでしょう」なんて予測と同じで、

Cimg3444

分からないことが分かるってのは、少しだけ嬉しいことなのだ。

実は子供の頃、雲を見て天気を当てるのが得意だった。

西の空にすじ状の巻雲が出ると翌日は大抵雨になったし、

Cimg3445

そんな大気の流れの不思議が面白かった。

そんなこともあって、高校時代には地学部に所属していた。

それでラジオから流れるあの「名瀬では南南西の風、風力5、・・

Cimg3447

モッポでは・・・、沖ノ鳥島では・・」を聞いて、天気図を描いたりした。

将来は気象庁にでも就職しようと考えていたかどうか?

ともかくも、未来を考えるのは人間だけだそうだ。

Cimg3448

そして人工衛星を飛ばしたりして、やっと天気を予測できるようになったのだ。

静岡駅近くの地下道に、何時も若い女性が行列を作っている。

Cimg3441

自分の将来を占ってもらうためだ。

いやさ、人間はかくも明日を知りたいのだ。

Cimg3450

しかして地球は、私達の思惑とは係りなく回り続けている。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年4月 1日 (金)

地震なんかにゃ

子供達が・・、数多くの子供達が津波にさらわれた。

汚れたい幾つものランドセルの映像に胸が突き上げられる。

Cimg3443

絶対安全と聞かされてきた原発が次々と爆発し、

放射能を吐き出している。

今は悲しみと怒りを横において、これ以上の破滅防止を只祈る他ない。

Cimg3442

しかるに、東京では買い溜めで商品が枯渇するという。

拝金経済の生み出した利己が、

この社会の貧しさを否応無く映し出している。

Cimg3265

「ちくしょう! 福島原発は東京のための電力だろ!」と叫びたい。

彼らは自らの利益の為に、その犠牲を何時も田舎に強いてきたのだ。

農家は収穫しても売ることすら出来ない。

Cimg3262

「国が全て補償する」だって?

どこまで補償しようってんだか、とくと見てやろうじゃないか。

原価を補償したって生きちゃいけないし、

Cimg3260

それに一体何時まで補償し続けられるのかね?

震災で「農業改革」が遅れるだって?

本気で言っているとしたら狂人だ。

Cimg3258

机上の空論で何が変わるって言うんだ。

小規模農家の温存にすら役立たない戸別所得補償を

一刻も早く止める方がよっぽど農業改革になる。

農協が手数料取るから農業がコスト高になるだって?

冗談じゃない、今時農作物の手数料で食ってる農協なんて何処にある。

Cimg3007

農作物販売部門が黒字な農協なんて数えるしかあるまい。

恐らくは今の政権の無知が言わしめているのだろう。

官僚の次のスケーブゴートを探したら、農協しか無かったって訳だ。

愚政に翻弄され続ける農村に言わせりゃ、政治革命こそ必要だ。

痩せ蛙 負けるな一茶これにあり

俺たちゃ、悪政にも地震なんかにも負けねえぞッ。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »