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2011年8月25日 (木)

私と葡萄

ブドウ栽培を始めてかれこれ20年になる。

遠州地域での葡萄栽培は、浜松市北部の都田ピオーネを除けば極めて珍しい。

よく「何故葡萄だったのか?」と聞かれる。

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私の住む磐田は温室メロンの産地で、我が家にも父の使っていたガラス温室があった。

その空きハウスの活用を考えていたのだが、

色々と試行錯誤の結果、雨避け効果の高い葡萄に行きついたのだ。

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だがブドウ栽培は難しい。

先ず品種が無限にあるから何をチョイスするかが難題になる。

私の場合、現在9品種を作っているが、これだって随分失敗してきた。

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品種選びの要点は、裂果性が少なくて色付きが良い品種だ。

多くの品種は、気温差の関係から最後の段階で成熟が止まってしまう。

それに裂果が出始めると腐敗と病気が一気に始まって、手が付けられなくなる。

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だからどんなに評判の良い品種でも、簡単に作る訳にはいかないのだ。

ともあれ葡萄には多彩な品種があって、性格も表現型もみんな違う。

例えば果実の大きいのや小さいの、丸いやつやら細長なもの、

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色だって黒から褐色、紅や緑と実に多彩だ。

その品種の個性と付き合うのが、苦労であり面白さでもある。

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ともあれ葡萄っ奴は、豊穣のシンボルだし現実に豊かさそのものだ。

房のボリュームもさることながら、少しばかり収穫してもその豊かさは減らない。

逆に本当に残り少なくなると、心の中まで空虚になるような気がするのだ。

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葡萄の本当の面白さは、収穫までの一年間の葡萄との会話だな。

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