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2011年8月11日 (木)

人生の今

山の中を一人走っていると、そのことを感じている。

遠い宇宙のかなたから、この地球の上の蟻んこの様な私が見える。

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未来でも過去でもなくて、今ここにいる私が見える。

思えばずう~っと、明日のことを考えて前のめりに走ってきた。

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「後何日」と言う声に期待や恐れを抱きながら、ひたすら駆けてきた。

子供を育てるとか家を守るとか、仕事の責任とか、そんな義務感に追われ続けた。

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今、そんな諸々がスッと掻き消えて、まったく自由な私がここにいる。

やはり同じように前のめりに走ってはいるのだけど、

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今は未来や過去の為に走っていないのだ。

山の緑道はウバメガシのトンネルになっている。

ウバメガシの成長はとてもゆっくりで、だからこそ備長炭の原料になる。

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杉やヒノキの様に見栄えは良くないのだけれど、

私はこのウバメガシにこよなく愛着を寄せている。

それは乾燥した尾根で必死に生きているからだ。

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大木にはなれないけれど、身の内に確かな蓄積をしている樹だからだ。

彼らも今を必死に生きている。

そして私は、今を生きている。

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落ち葉の上に真っ白なキノコが傘を広げている。

微塵の隙もない端正な姿をしている。

そしてその端正な姿は、今のこの瞬間しか保てないのだ。

そう、人生の今を楽しもうではないか。

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