邂逅の彼方
私の卒業した高等学校は大正11年の開学である。
以来25,000人余の卒業生を出している。
それで来年が創立90周年を迎えようとしている。
今日その同窓会総会があったのだが、例年の様にメダルの授与があった。
高校は大抵18歳で卒業する。
卒業から70年の方(米寿)に金メダルが、
60年には銀メダル。そして50年には銅メダルが授与される。
私の場合、銅メダルにも未だ距離があるのだが、
矍鑠とした88才の代表が十数人も壇上に立った。
思えば、恥じらいと自己嫌悪と将来への不安と共に過ごした3年だ。
その三年間の縁を、或いは同窓と言うだけの縁を絆に多くの人が集まっている。
同窓というのは、か細いけれども縁は縁だ。
何十年かぶりに会っても語るべき言葉すらないかも知れない。
しかし、青春の一時を共に共有した人々なのだ。
その縁を再びより新鮮な縁にするかどうかは別として、
しばし、その邂逅の夢の中を彷徨っていた。
人はこの世に生を受け、蝶の羽化の様に精一杯羽ばたいていく。
鱗粉を散らすことなくこの世を謳歌して、
やがて何時しか静かな邂逅の時を迎える。
88才には気が遠くなるほどの間があるが、
彼らの顔にはそんな人生の諸々が刻まれていた。
私が金メダルの席に立つことが出来たとしても、
その時どんな晴やかな顔が出来るだろうか。
その時を励みに、一歩一歩進む他はあるまいと改めて思った。
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