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2011年11月30日 (水)

矢のごとき光陰

一寸の光陰軽んずべからずと思って過ごしている。

でも最近、その思いよりも月日の歩みの方が速いと感じるようになった。

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殊に還暦からの時の流れの速さは、何としたことだろうか。

ともすれば、津波のように溢れた流れに溺れてしまう。

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もう、明日からは師走なのだ。

例えば今日だって、たった今帰宅したところだ。

家を出たのは7:30、何時もの旗振りオジサンをやっていた。

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その足で市議会の傍聴に。

昼に取って返して、今度は「ふれあいサロン連絡会」に。

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これも、これからの高齢化時代を担う大きなウエ~ブなのだ。

私達は、順繰りに歳を取るってことを分からなくっちゃならない。

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行政や介護に依存する時代はそんなに長続きはしない。

お互いに助け合う時代なのだが、未だに金金亡者が跋扈している。

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ともあれその連絡会で皆さんに精一杯のお礼と激励をして、

学校法人の評議委員会に出席し、更には理事会、懇親会とこなした。

こなしはしたけれど、はてさて私の時間はどうなったのか?

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正に「学成り難し」なのだ。

その思いが「未だ醒めやらぬ春層の夢」なのかどうか?

自分は、今だって36歳くらいの気分でいる。

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だが時の流れは、信じられないことに時々刻々と70歳へと近づけていく。

やることは一杯ある。

この切ない思いを、如何にせん。

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2011年11月29日 (火)

地域のアイデンティティ

今、地域の役員会から帰ったところだ。

今夜の主な議題は、この地域の求心力作りについてだ。

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広域合併から5年が経過しているが、この町からはあれこれが消えていくばかりだ。

別の地域では「ふるさとまつり」とか「公民館祭り」として、

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住民のふれあい・発表の機会をそれなりに作っている。

私達の地域でも何とか新たなコミュニティーを育てる場が出来ないだろうか。

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それには金も要る。

要するにそんな算段を相談したのである。

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広域合併は、行政改革には多くの成果を上げただろうが、

片方で失ってしまった物事も多いのだ。

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例えば、旧役場が無くなって地域のコミュニティーを考える場・人も無くなった。

何もしなければ、17万の市の中で埋没してしまう。

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今日は、「何とかしようよ!」と呼びかけてきたその結論を出したかった。

しかし、負担金などもあって結論は来月まで持ち越した。

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私の住む地域は、人口2万人弱の田舎町に過ぎない。

しかしそこには連綿とした歴史があり、独特な風土だってある。

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望むらくは、子供達にも誇りを持って伝え残したいものだってある。

どうしても、この地域のアイデェンティティーを育てたい。

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という訳で、今もまだ幾分体が熱くなっている。

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2011年11月28日 (月)

心の置き所

あなたの心は、今どこに置いてありますか?

心に形があったら、

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床の間に飾ってあるとか、どこそこへ出張中などと答えられるのですが・・。

心の在処は、時代によっても変わってきますね。

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戦後の一時は、食べるもの着るものなどと「物」に執着しましたよね。

それから後は、TVに冷蔵庫、それに車に心を奪われていましたっけ。

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それから物より金のバブル時代を迎えて、

金で自分を誇示する成金もあの時代の心の特徴でした。

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今、本当は心の時代を迎えている。

だけど金持ちほど心が貧しいのが現実でしょう。

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日本の金持ちは、福祉になぞ手を染めっこない。

心の形にはいろいろあるだろうが、

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案外、あの全身針で覆われたハリネズミのような形をしているのだろう。

あちこちに防御の針を立てて日々を送っている。

本当は小心で臆病で、失敗を恐れ、

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人の中に出て交流を重ねても、なお紳士・淑女の体を守ろうとする。

だがそれも見方を変えれば、不安の塊だからこそ

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お互いに抑制されてこの世が成り立っているのかも知れない。

驕りや単純さ、思い込みや深謀遠慮、

人の心は、ハリネズミの針のその一本一本から滲み出してくる。

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ともあれ自分の心には、もはや針は不要と思うのだが、

安寧の場所はなかなか見つかりそうもない。

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2011年11月27日 (日)

豊かさに溺れて

子供の頃の事を思い出している。

風呂は五右衛門風呂だったし、裏の井戸からバケツで水を運んだ。

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湯加減がぬるくたって、誰かが薪をくべてくれなきゃ熱くならない。

だから風呂だって、家族が順番に助け合って入ったのだ。

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ところが最近じゃ、年寄の入った湯は捨てこぼして、新たにお湯を入れるのだという。

蛇口を捻ればジャブジャブとお湯が出てくるからだ。

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洗濯機が2台あるという。

一台は現役世代のもので、一台は年寄り専用なのだそうだ。

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そんな家の子供達が、外で高齢者を敬うだろうか?

挨拶をしたり、福祉活動をしたりするだろうか。

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かつては確かに貧しかった。

今は置き場の無いほどに物があふれている。

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だけど私達は、物が一つ増える毎に大切なものを失ってきたのではないか。

今日は、ある町の地区社会福祉協議会の設立総会に立ち会った。

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スローガンは「みんなで取り組む、助け合いのまちづくり」だ。

誰もが歳を重ねて年老いる。

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殊に最近では、一人暮らしの高齢者が激増しつつある。

もう行政(税金)では、高齢者福祉は限界に近づいている。

とは言え、住民による住民のための社会福祉活動は、

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弱肉強食、金々を煽る政府のもとで、いかにもアゲインストではある。

だけど人には、金よりも一人一人が助け合う心の方がはるかに大切なのだ。

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手前勝手な子供達に、それを一体誰が教えるのだろうか?

豊かさとは、みんなの幸福の事ではなかったのか?

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2011年11月26日 (土)

郷土深堀

時の流れは打寄せる波のように、その時代に生きた人々の足跡を消し去っていく。

そう、中村和三郎という一人の男もその郷土ですら忘れられていた。

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彼の活躍の舞台は、あの森の石松で知られた遠州森町であった。

遠州の小京都と呼ばれたその田舎から、全国に影響を及ぼしていく。

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明治29年、帝国農家一致協会を設立、農業研究誌「農談」を発行。

当時会員2万2千人、発行部数11万部にも達していた。

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農業の改良が確実に生活を豊かにする道だったし、

そのために必要な情報は引っ張りだこだったのたろう。

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協会はやがて本拠を東京に移すのだが、

その事務所は私立周知農林学校として現代に引き継がれていく。

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13回目を迎えた「森町町並みと蔵展」の今日、和三郎を語る講演会が開かれた。

話を伺って、和三郎もこの地域の宮沢健二だったのだと思った。

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今では田舎になってしまったこの町を深堀する実行委員会。

町並みと蔵を考えることから、この地域で生きた人々にも焦点を当て始めている。

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その過程で和三郎の活躍が掘り出されてきたのだ。

古きに思いを致すことは、現在を考えることにも繋がる。

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今この町は大規模なレタスやスイートコーンの経営、そして次郎柿の先進地だ。

面白くて魅力的な人材も一杯輩出している。

農業を基盤とした田舎町だが、多くの人々が必死で街を支えている。

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こんなに良い街を、弱肉強食のTPPで破壊してはなるまい。

米国の陰の部分を、この日本が引き受けてはならない。

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2011年11月25日 (金)

自然と共に

朝、子供達がみんな手袋をしている。

北風が吹いて、これまで見えなかった山々がくっきりと浮かんでいる。

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富士山もうっすらと雪化粧して顔を出している。

何時までも温かだと思っていたら、いつの間にか世間は冬である。

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東日本の震災地にも、今日は雪が降っているだろう。

私達の思惑など関係なく、四季は巡ってくる。

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そしてあの震災とても自然の一現象でしかない。

そうして私達は、自然に中で自然の力を感じながら生きる他ない。

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自然を征服したかのような驕りが福島の原発事故を起こしたのだし、

人口を極度に集積させた日本の都市とて、同様の危うさを内包している。

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その土地の自然に立脚する農業を軽視し、食を甘く考えている日本人。

いつかそのしっぺ返しが来た時には、もう取り返しが付かないだろう。

自然の摂理を無視することでしか成立し得ないTPPなぞ、

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およそこの日本列島には悍ましいことなのだ。

孔子は、不思議なほど良い言葉を残している。

四十にして不惑、五十にして天命を知る。

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六十にして耳順い、そして七十にして従心だと。

自然と共に生きてきたつもりの私も、その従心に年々近づいている。

なあ~に、「心の欲する所に従えども、のりをこえず」ってことさね。

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2011年11月24日 (木)

ものぐさへの道

私は、整理整頓と綺麗が好きだ。・・・と思っていた。

子供のころ、3ヵ月に一度は小さな部屋の衣替えをして安堵していた。

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自分の思い通りの整頓ができると、

何だか世界をコントロールしたかのような満足感に満たされた。

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それが時を経て、職場でも年々書類の量が増えていった。

即断即決で、不要な書類を処分すればよいのだが、

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そもそも愚図の私にはそれが出来ない。

だからその書類を傍らに積み上げておく。

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そうして一か月して必要でなかった物から捨てることにした。

その癖が、今日のものぐさの遠因ではないかと思っている。

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今連日のように、様々なジャンルの書類が押しかけてくる。

とてもすべてを詳細に吟味している余裕はない。

毎日の郵便物も、届いたものをすべて開封すらしなくなった。

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それで私の部屋は、ジャンル別書類が7つ積み重なっている。

何時かは捨てるつもりなのだが、

ともすれば大切なのが埋まっていたり、

必要なものと不執拗なものの区別もつけられなくなっている。

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もっとも、そのものぐさの原因は遊ぶのに忙しいからなのだが、

それにしても困ったものだ。

歳と共に、何ともならないことも何とかできると思うようになる。

それが一種の老化なのだが、

はてさて、人様に迷惑をかけないうちに何とかしなくてはなるまい。

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2011年11月23日 (水)

大尾山へ

今日は、急に誘いがあって大尾(オビ)山に登ることになった。

新幹線駅としては唯一木造の駅舎である掛川駅に集合。

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その掛川駅を9:00スタートして一路北に向かう。

直ぐにあの山内一豊で知られた掛川城の脇をすり抜け、

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途中幾つかの寄り道をしながらのマラニックである。

先ずは、RC仲間のA石材店に寄ったのだが、あいにくの不在だった。

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次はHさんの同級生のお宅に回り道して柿狩りである。

今日は途中から、

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あのシルクロードを7年かけて自転車で走破した景山淳さんが加わった。

総勢は5人である。

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山間の「ならここの湯」までは14km程である。

大尾山は標高670mでならここの湯から片道4kmということだった。

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それで私は、温泉の裏山にでも上る気分でいた。

だけどどこまで走っても、山からは遠ざかるばかり。

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地図をみてもサッパリ合点がいかない。

山道を登ったり下ったり1時間くらい彷徨っただろうか。

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気温も低くてて手先も凍えてくる。

それでゆっと登山口を見つけて登り始めたのだが、

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表示は頂上まで1.8kmとあった。

その急な1.8kmを登りきるのに30分も要したろうか。

頂上付近には顕光寺があって、さらにその先が頂上である。

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山頂近くからは太平洋が間近に見渡せる。

つまり、この一円で最も高い地点まで登ったのだろう。

山頂の鐘楼に登ってゴーンと音高く鳴らして、

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今度は、来た道を一気に「ならここ」まで駆け下った。

迷い道きで含めて走行距離は25km位だろうか。

迷い道の分、 幾分の疲れを感じたマラニックであった。

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でも湯に浸かって、乾杯をする頃には愉快な気分になっている。

景山さんの中近東や中国の話を伺いながらである。

実は彼は来月、シルクロード行の一部始終をまとめた著作を出版する。

上海でも出版記念パーティーがあるのだそうだ。

そう !、人は志で生きているのだ。

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2011年11月22日 (火)

我慢できない子供達

今日は小学校の参観会に出かけた。

子供達のやる気を育てるのは、本当に難しいと思う。

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でも子供達は、その群れの中でそれなりの育ち方をする。

ただ校長からの「今の子供達は、我慢が出来ませんね」が気にかかった。

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少子化やら親と子の友達関係など、実に世相を反映している。

勝手気ままな行動をする子供が多い。

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他人のことを気遣うことのできない子供たち。

自分のことを話すことの出来ない子供たち。

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そんな話題の中から、「そりゃ、親も同じだ!」という話になった。

参観会に来ても、教室に入ろうともしないで廊下で佇んでいる。

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自分の子供だけを眺めて、写真を撮ったり手を振ったりしている。

父兄懇談会が大切なのに、出もしないで廊下でおしゃべりして帰ってしまう。

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それが今日の親なのだ。

要するに、親も子もコミュニケーション能力が欠如しているのだ。

政府からして子供手当などと、そんな親のご機嫌をとって票を集める体たらくだ。

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一事が万事という次第だ。

立派な文章を書く誰かのコメントに「寂しいとか夢がない・・」などとあった。

私から言わせれば、何も見えていない我儘そのもので、

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その偏った見方に人間の本質を見る思いがした。

ともあれ、毎朝「お早う」と声かけあうこの子供達に、

不毛の金々の世界を残してはならない。

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排他の世界を作ってはならない。

自分だけ良ければと言う間違った民主であってはならない。

一人一人が皆の為に生きる、そんな社会を育てる時なのだ。

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2011年11月21日 (月)

百年草

朝鮮半島に、そんな名前の植物があるそうな。

そしてこの国にも、豊田市の山間部に百年草というホテルやレストラン、

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ディサービスを備えた施設がある。

施設がユニークなのは、ZiZi工房にバーバラハウスを備えていることだ。

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ZiZi工房は親父たちが作るこだわりのハム工房。

そしてバーバラハウスは、母さんたちのパン工房だ。

何時までも健康で快適な生活を目指して運営されている。

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地域住民の一人一人が「生涯現役」でいられるようにするのが目標だ。

この施設を訪れて、何故かブータンの国王夫妻を思い浮かべていた。

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TPPなどと弱肉強食へと国民を追い立てる政府と違って、

高齢者も若者もみんながかかわって、小さな山村地域を盛り立てている。

そこには、金々ではない温かさが滲み出している。

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外には錦に染まった山々が連なっている。

ここの紅葉はまだ少し早いそうだが、冬を前に人々を急かせる迫力がある。

そして事実、これからの厳しい政治の冬への備えを急かせるシグナルなのだ。

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この地域は、近在に製造業が立地している訳でもなく、

この山間の僅かな農地を耕して成り立っている。

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生産性などおよそ追求すべくもないだろう。

そしておそらく2000年来、この姿を守り伝えてきたのだ。

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どんな政府であったとしても、この奥深い列島の村や町を押し潰すことなどさせてはならない。

私達が命をかけて守らねばならないもの、それは金ではないのだ。

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里山の自然は、ささやかな幸せを喜び、

笑顔で暮らすことの大切さを教えているのかも知れない。

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2011年11月20日 (日)

小笠山トレラン

昨日の豪雨から一転、温かくてマラニックには絶好の日和になった。

ただ、二日間かかって敷設したコースガイドラインは霧消してしまった。

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それで私達RCのメンバーが何人かおきに挟まって、道案内をすることにした。

最も遠くからは千葉県柏市からも来ている。

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9:30、高校サッカー選手権で沸き立つエコパスタジアムをスタート。

昨日の雨がしっとりと落ち葉を濡らしている。

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それがまた、快い具合なのだ。

最初のエキサイティングコース8.6kmは、さすがにキツイ登りだ。

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切り立った小笠山の縁を登っていく。

標高264m近くにエイドステーションを設けてある。

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カレーにビール、それに心づくしの数々。

私もピールを頂いて、カレーと茹で卵で腹ごしらえである。

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そこからの何時ものコースの往復は随分体が軽かった。

山道と自分の体が一体化しているような、そんな心持になれたのだ。

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そうしてとても気分が良い。

一種のランナーズハイなのだろうか。

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12kmを折り返して、小笠山の秘境「六枚屏風」に向かった。

尾根から20mほども急斜面を下ると切り立った狭い沢が現れる。

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沢が山を削って、巾1m、高さ十数メートル、深さ50mの割れ目ができているのだ。

どれ程の年月がこの不思議な景観を作ったのだろうか?

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しばし息を飲む不思議さである。

そこからは下り坂を「つま恋」まで6km余である。

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山を出たあたりで軽トラックが待っていた。

Uさんの妹さんの家族がエイドを構えて待っていてくれたのだ。

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ここで美味しいトン汁を戴くことが出来たのだ。

それから4kmほど行くと、今度はUさんの弟さんの家族が迎えてくれた。

そこで又してもお汁粉を頂戴してしまったのだ。

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かくして楽しく26kmの山道を快走、つま恋の湯に浸かったのである。

後は恒例の宴会となって今日の日は暮れゆく。

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2011年11月19日 (土)

想定外と畏敬

人間も自然の構成要素の一部だ。

その大自然の大いなる営みの前に、人間が如何に無力なことか。

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そして私達は、その大自然を制御したかのような幻想を持ってはいなかったか。

そのことを東日本の震災は、これでもかと言うほどに教えてくれた。

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「何時か震災があり、津波が来るだろう」と誰もが知っていた。

しかし「それでも何とかなるだろう」と大半の人は思っていた。

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そうして、2万人近い人々の生命が失われた。

私達日本人は、世界中で最も災害の集中するところに密集して暮らしている。

地震、津波、台風、がけ崩れ、水害・・何でもありなのだ。

つまり災害に襲われて当たり前のところに住んでいる。Cimg5186

それにもかかわらず、人々の防災意識は決して高くはない。

釜石の小中高生約3,000人が事情があって帰宅した5名を除き全員無事だった。Cimg5188

世論は、それを釜石の奇跡と称賛した。

最初に中学生が高台に向けて走り始め、それにつられて小学生が続いた。

途中、保育園の子供をおんぶして、老人をリヤカーに乗せて避難した。Cimg5192

最初の避難地が危険と察してさらに高台へ、そしてもう一段の避難へと行動している。

結果として、鉄筋3階建ての学校は全滅していたし、Cimg5191

一次避難地も二次避難地も津波で崩壊していた。

3千人余の子供達は、紙一重で災禍を逃れたのである。

しかしこれは、奇跡でもなんでもなかった。Cimg5193

実は、片田敏孝教授の指導の下での7年間の防災教育の賜物だったのだ。

防災マップなどの「想定に囚われちゃいけない」。

自然の力は、どんなことでも起こし得るんだ。

最後まで「最善を尽くせ」、もう大丈夫じゃだめだ。Cimg5195

「率先して避難しろ」その勇気を持て。

それが結果的に多くの人を救うことになる。

彼は、そのことをこの7年間言い続けてきたという。Cimg5196

子供達は、この大震災の刹那に、片田先生の言う通りに行動したのだ。

この子供達の行動で、どれほど多くの大人が助かったことか。

今日網代で開催された「自主防災活動推進大会」での教授の話である。

私達は常にリスクと向き合って生きている。

ただ真摯に向き合っているかどうかということが、生死の分かれ目なのだ。

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精一杯努力して、その上で天命に任せるべきなのだ。

何にもせずに、最初から「しょうがない・・」って言ってません ?

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2011年11月18日 (金)

色づきの一時

台風と温暖化で「今年の紅葉は駄目だね」と言われる。

本当かどうか、自分の目で確かめてみたくなった。

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それで今日は、静岡市の奥の梅ケ島まで出かけたのだ。

開湯1700年、武田信玄の隠し湯と言われる梅ケ島温泉だ。

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紅葉のピークをやや過ぎたようだが、ここは見渡す限りの紅葉である。

思えば日本の山々は、すべからく斯くのごとくだったのだろう。

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それが現金収入を求めて杉檜の造林に邁進した。

結果、この日本列島の紅葉は希少なものになった。

しかし、木材の輸入自由化でその林野も今では荒れ果てている。

収入の術を無くした里人は、街に出て行く他なくなった。Cimg5176

それで山は荒れてしまったけど、今かろうじて里山の風景が残されている。

鮮やかな赤が、成熟したワインを思わせるのは何故だろうか。Cimg5174_2

この日本列島は奥深い。

山が荒れ、そしてまたかろうじて里を維持してきた農村が荒れ始めようとしている。Cimg5173

それが昨今のTPPなる仕掛けだ。

米国は、雇用確保のために輸出を何としても増やしたい。

その輸出先が日本だ。Cimg5172

日本を抱き込んで、やっとTPPがその意図どおりのラインに乗ってきた。

日本の農山村を犠牲にして米国の農業を蘇生させようとするオバマの戦略だ。Cimg5180

彼は昨日、アジア重視で輸出を倍増させると宣言している。

その埒もない布令に、ハハァ~っとひれ伏せているのが日本政府だろう。

日本の参加表明に、カナダも輸出先として米国の日本独占を危惧したのだろう。

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In that case、私も乗ると言い出した。

輸出産業は既にグローバル化していてTPPなど何の意味もない。

むしろ、弱小の中小企業が踏みつぶされていくのだろう。

この日本列島は、冬を前にした紅葉のようにはかない。

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「見渡せば 花ももみじも 無かりけり ・・・秋の夕暮」(定家)

目先の金と権益に翻弄される小市民か悲しい。

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2011年11月17日 (木)

小笠山トレイルを前に

この20日のトレイルランを前にして、今日はコースの白線引きである。

小笠山は、東海道沿線で唯一残された緑のコロニーと言える丘陵だ。

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だから渡り鳥やアサギマダラ(蝶々)の中継地になっている。

何万年か前には大井川の河口が掛川駅付近にあってCimg5167

その大井川の作った三角州が隆起してできたのが小笠山だ。

北側が大きく隆起して丘陵全体が南に沈み込んでいる。

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だから北側は切り立った崖で、海に向かって浸食された痩せ尾根が続いている。

尾根の分岐は比較的少ないのだが、それでも山の中では方向感覚を失ってしまう。

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それでYさんと二人で、26kmの要所要所に目印を付けて回ったのだ。

邪魔になる歴や枯れ枝を除きながらの山歩きである。

その途中、小笠山の秘境?でもある屏風岩に初めて足を踏み入れた。

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50cm程の空隙で約30mの崖が向き合っている。

礫の山を水が削ってできた不思議な空間である。

その自然の力を前にして写真を撮ることすら忘れてしまった。

この山で20年も走っているのに、まだ知らない所があるのだ。

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川の作った礫の山だから、雨水はみんな地下に浸透してしまう。

丘陵の幾つかの川も、普段は全て水なし川だ。

その水の少ない尾根道には、乾燥に強いウバメガシが続く。

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カンアオイやシダの類には珍しいものもある。

ともあれ、皆さんにはこの特異な自然を堪能していただこう。

今年こそは、道に迷う人が出ませんように !

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2011年11月16日 (水)

幾つもの人生

人生は沢山あった方が良い。

それが元気の源になる。

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最近、そのことを再発見している。

今年7月から職場通いから解放されて、生活が一気に実に多様になった。

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仕事というものは、やはり生活の糧だけにのめり込むし、

何時の間にか自分の生き甲斐になっていたりする。

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だけど「明日から来なくていいですよ」と花束を渡された瞬間から、

職場の人間関係も生き甲斐すらも失くしてしまうのだ。

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当然人生の一大転機だが、私の場合幸いにもそれで世界が一気に複線化した。

毎日出かけるところも違うし、会う人も多様になった。

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話す言葉だって、その時々で別の言葉をしゃべっている。

幾つものチャネルが出来て、日々見ている景色が変わるのだ。

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これって、老化を始めたがっている頭脳と心には刺激になる。

フレキシビリティは、正に活力の源たり得るのだ。

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幾つかの自分の世界を持って、それぞれを精一杯生きてやれ。

それが私の生きるってことに繋がるかも知れない。

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それにしても、人生がどんどん面白くなる。

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2011年11月15日 (火)

書くってこと

私は書くことが苦手だった。

字が上手くないってのがその最大の理由だった。

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一字一字にぎくしゃくと力を込めて書いて、子供じみて見るからに読みにくい。

だから当時、映画などて欧米人が使うタイプライターを羨ましく思ったものだ。

そして、そのテクニカルな苦悩から開放してくれたのがワープロの登場だった。

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劣等感に苛まれることなく、やっと自由に表現できるツールを得たと思った。

思うに、そんな周辺機器に助けられて文章を書き始めたのだと思う。

だから情感豊かな手書きの手紙を頂いたりすると、本当に羨ましく思うのだ。

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巻紙にスラスラと書かれた昔の書状をみると、彼らの頭脳に羨望を感じる。

それで坂本竜馬の手紙を見たりすると、「いや、人間はこれでなくっちゃ」と安堵したり・・。

ともかく、手書きの時代が続いていたら、とても今日の私は存在しない。

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それにパソコンを使うようになって、文章の推敲がすこぶる楽になった。

切ったり張ったりが思うままに出来てしまう。

言うならば、画面を見ながら頭の中の整理が出来るということだ。

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人は書くことで考えや感覚を明確化していく。

夢の中で思い付いたことを再現しようとしても、それは大抵が無理だ。

それが整理されない単なる夢だからだ。

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そして人は案外、夢想を実現しようと足掻いている。

だからどんな課題であっても、まずはwrite outすることから始めたい。

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2011年11月14日 (月)

客観視

客観的に物事を見るということではなくて、コミュニケーションでの困った現象のことだ。

自らがそこに係るんじゃなくて、醒めて見てるだけってやつだ。

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今の子供達は、DSやTVの中に没入しながら成長している。

結果として、人と人が対話しながら妥協点を見つけるなんてことは苦手だ。

だから何事にも自閉的になっていく傾向にある。

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携帯電話のメールもそのツールだ。

メールなら自分の書きたいことをかけるし、途中で邪魔が入ることもない。

で、近頃の新入社員は失敗したとき、上司に面と向かって詫びられず、

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メールで謝罪するんだとか。

豊かな人間性を育てようとか、顔の見える地域社会の実現をなどと叫ばれている。

だけど世の中は、どんどん逆の方向に向かっているようだ。

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毎朝の通学班もグループによって随分雰囲気が違う。

「お早うございます」と挨拶する子は、目が生き生きと輝いていて顔に表情がある。

だが多くの子供は、俯いてとぼとぼと歩いていく。

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総じて、自分を表現出来ない子供が増えているんだそうだ。

青少年健全育成の大会で、世相の一端を感じていた。

けだし人と人は言葉で結びついている。

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言葉の遊びではなく、心の思いを言葉に紡ぐからこそ相手の心に伝わる。

今更ながら、言葉に頼るのではなくて、ありのままの自分で良かろうと思うのだ。

格好良くなんて考える必要は更々ない。

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2011年11月13日 (日)

ジュビロ・メモリアルマラソン

今日は嬉しい報告だ。

Guess what !

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ジュビロ磐田メモリアルマラソンは、今年で14回目になる。

それでこれまでの茶園の中を走っていたコースから、シティーマラソンに衣替えした。

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それに、私の家の近くを走ることになったのだ。

ジュビロの選手も総動員、それに沿道には幼稚園児やら小学生が勢ぞろい。

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スタートは、もちろんジュビロスタジアムである。

それで参加者は過去最高の7,500人になった。

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私は実行委員の一人でもあって、2,500人もの沿道ボランティアをお願いしてきた。

だから私が走るのはどうかと思ったのだが、連合会長が快諾してくれた。

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それで防犯のキャップに交通安全のタスキを架けて走ることにした。

良く知った道なのだが、初めてのコースというのはワクワクする。

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それもあって、快調に飛ばしていく。

途中からは私の在所で知人が多く、私向けの声援がずう~っと続く。

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と言う訳で減速することなく、ごーるまで突っ走った。

その結果が素晴らしいのだ。

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ネットタイム1時間42分(ハーフ)、60才以上で何と11位になった。

40分は切れなかったものの、かつて無い記録なのだ。

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嬉しいというのは、年齢はある程度乗り越えられるってことさ。

俺も、まだまだやれるゾッてね。

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あっそれから、仮装大賞のハメハメハ大王、ありゃ凄いな~!

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2011年11月12日 (土)

100kmレース創設へ

この遠州近在には、100kmマラソンの大会が無い。

だからこれまで野辺山、奥熊野、丹後などに出かけてきたのだが・・・。

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この地域には浜名湖という絶好のロケーションがある。

それに、この十年間「浜名湖一周マラニック」を開催してきた。

この浜名湖に猪鼻子を加えれば100kmになるから、大会を是非創設しよう !

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Hさんの強い意気込みを聞いて、私達もその気になった。

それて暦に1が6つ並んだ昨日、最終的な実行委員会が開かれた。

コースの決定やら宿の先行予約、エイド設営箇所や要員の確保など、

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やることは山ほどある。

大会の自主開催がこれ程大変とは思わなかった。

それでもHさんの奔走で大筋はほとんど決まった。

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来年の10月7日(日)午前五時、弁天島海浜公園スタート、

21時までにH開春楼ゴールとなった。

制限時間16時間の100kmマラニックとして設定することにしたのだ。

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制限時間の長い分、それはエイドも大変になるだろう。

近在の仲間を糾合して、ボランティアを確保しなくてはならない。

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エイドのメニューやらスタッフのローテーションなどと、色々とあるな~。

困難はあっても、何とか皆の力を借りて開催に漕ぎ付けるからね。

全国の皆さん。

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来年は浜名湖をたっぷり一日、ゆっくりと楽しみに来てくださいね。

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2011年11月11日 (金)

平成の壊国

日本の関税は、農産物の一部を除けばほとんど0%になっている。

その農産物だって、小麦や大豆、トウモロコシの90%以上米国から輸入している。

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パンも食用油もラーメンも米国産なのだ。

ヨーロッパの各国と比べるまでもなく、十二分に開かれ過ぎたた国だ。

それなのに政府は、平成の開国だという。

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そして、一体全体何を自由ににしたいのか明らかにしようともしていない。

今日、関税障壁が残っているのは僅かに米や畜産物、蒟蒻などでしかない。

今米国で有り余っているのが、そのコメと畜産物だ。

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それにトウモロコシなど遺伝子組み換え製品だろうか。

政府はあの普天間の不始末の見返りに、

日本農業と農山村地域を破壊して、その余剰農産物を輸入しようというのだ。

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自由貿易の名のもとに、この日本列島の多くを荒廃に導くような選択と言える。

今大統領選挙を前にして、オバマは「輸出を倍増する」と言っている。

逆に日本の輸出はGDPの15%に過ぎない。

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企業は既にグローバル化し、車の6割はアメリカで生産している。

このTPP騒ぎは始まったばかりだが、交渉内容が明らかになるにつれ、

確実に国内の深刻な対立に発展するだろうし、

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とどのつまり、この国にとってなんら得るところはないだろう。

つまり平成の壊国が始まるということだろう。

馬鹿な選択というべきだ。

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国破れて山河あり。

国にはその国の守り通さなければならないものがある。

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2011年11月10日 (木)

モナ・リザの謎

静岡に出たついでに市美術館によってきた。

35年程も前になるだろうか、上野美術館で垣間見たモナリザが来ている。

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上野では只見たというだけで、立ち止まることもできなかった。

それが今回はじっくり再会できると言うので行く気になった。

美術館で驚いたのは、モナリザがいっぱいあるということ。

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何枚ものモナリザが展示されていて、いずれもヴィンチの描いたものではない。

そもそもモナリザはヴィンチが描いたのかどうか、それすらも疑わしくなってきた。

私達は、ヴィンチという天才の存在を信じてきた。

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しかしヴィンチは工房の親方だったかも知れないが、本当に天才だったかどうか。

本当のところは、多くの職人を抱えた画工の集まりだったのではないか。

モナリザは評判が良くて良く売れた。

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それでまるで版画のように沢山制作されたのだろう。

ルーブルのオリジナルは出てこなくても、それと同じものが幾らもあるのだ。

まッ、放漫な女性の美は私達の永遠の美に変わりはない。

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それにしても、レオナルド村とはどういう村だったのだろう。

「チャオ!」などと言い交す陽気な田舎町だったのだろうか?

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2011年11月 9日 (水)

変身願望

子供の頃、どちらかと言えば苛められっ子だった。

それもあって、何時か化けてやれって思ったことがある。

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貴方も、TV漫画の影響かどうか、「変ェ~ン身」って出来たらなって思わない?

あるとき突然に大富豪になったり、とんでもない発明をしたりってね。

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カフカの様な変身もあるけど、大抵は果たせない願望が夢になる。

先日の大道芸W杯のパフォーマンスを覗きながら、その変身願望を思った。

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ピエロの格好していると、いつの間にかピエロの世界に入っていく。

芸にまでなるには随分な努力が必要だろうけど、

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彼らは普段と違う自分を演じきっている。

そしてそれが終わると、何事もなかったかのように元の自分に戻る。

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人間にはチョウチョの様な脱皮は出来ないけど、

「明日なろう」という確かな願望がある。

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ともあれ、私も変身することにした。

1月の清水を巡るマラニックで次郎長一家に扮するのだ。

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今日、注文していた股旅装束が届いた。

さても私の役回りは、子政あたりかな?

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とにかく、一月には一家の主だった役者が勢ぞろいする。

そろって三保の松原を疾駆する姿が目に浮かぶようだ。

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2011年11月 8日 (火)

開国論の無理

東京発、特に日経新聞が無理なTPP推進論を展開している。

殊に「開国か攘夷か」と言うに及んでは、常軌を逸している。

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最悪の前首相の就任演説の焼き直しのようで、中身もない。

世界最大のオープンなこの国のどことどこをフリーにすれば、

何が良くなるのかを示すことすらできていない。

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開国というより、

米国の一州として関税も法律も交通もフリーにすると言う方が分かりが良い。

ビザを要求する一方で日本への輸出関税をゼロにし、制度も米国と同じにしろと言う。

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その言うことを聞くのが開国なのかどうか。

中国漁船の不法入国を罰せず、海上保安庁を責めたように、

この国の主権は泡沫のように心もとない。

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TPPはつまるところ、米国の余剰農産物を買わせ、

医療などソフト面の参入を自由にすることなのだ。

それによってこの国の農山村は荒れ果て、国民皆保険は崩壊するだろう。

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その代償にグローバル化した日本の企業が生き残るのだという????。

アジアの成長を取り込むというのも嘘だ。

一体全体、アジアのどの国の成長をとりこむのか誰も語っていない。

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まさかベトナム?

韓国の農山村は既に荒れ果てている。

そして輸出依存度の極めて高いこの韓国ですらFTAの批准が微妙になっている。

もとより韓国と日本とでは、国土の広がりも構造も全く違う。

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この日本列島の農山村を切り捨てて、都市部だけ生き残るなんて到底不可能だ。

この国にはこの国なりの最大幸福の求め方が有る筈なのだ。

欲得のエゴではなくて、この国山河に思いをはせるべきなのだ。

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2011年11月 7日 (月)

当たり前

至極当然なことを、当たり前という。

毎日ご飯が食べられて、夜にはちゃんと眠れる。

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そしてまた朝が来て、曙の空に向かって胸一杯息を吸う。

多くの仲間がいて、笑い泣き叫ぶことだってできる。

勿論私は走ることだって出来る。

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毎日何がしかの忙しさがあって、日々それなりに充実している。

それが極普通の当たり前のことになっている。

だがそれは、心から喜ぶべきことかもしれない。

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普段、その当たり前のことに気付いていない。

その当たり前を感謝などしたことすらも無い。

日々が流れて、ある日突然に異変が起こる。

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それで初めて当たり前の大切さに気付くのだろう。

あわれはらからよ、知るこそ道の始めなり。

国土があって故郷がある。

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山や川が麗しく管理されている。

それは当たり前だから誰もその恩恵を思ったことがない。

或いは、失われて初めてそのことに気付くのかも知れない。

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TPPは私達の故郷とこの国土を崩壊させるものなのだ。

やって見るがよい。

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呪われるのは、お前達なのだ。

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2011年11月 6日 (日)

さても震災

震災を経験しないで一生を終える人だっている。

だけど恐らく、この地域に住む人々は如何に強運でも避けられまい。

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1854年の安政南海地震から、既に157年が経過している。

その前の富士山が噴火した1707年の宝永地震から安政までは147年だった。

その前の、浜名湖が太平洋と繋がった1498年の明応地震から宝永までは207年だった。

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過去の歴史を見る限り、150年位の周期で巨大地震が起こっている。

しかもこの地域を襲う地震は、震源が直下にあるだけに、

激震と津波、それに強烈な液状化が同時やってくる。

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東日本の震災と違うところは、阪神淡路の何倍もの激震に襲われることだろう。

その上に津波が襲ってくる。

どう想像しても、地獄絵図しか描けない。

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今日の第三次被害想定は、意図的に軽く表現されている。

私のところの津波の高さの想定は3.5mだが、土を盛り上げた防潮堤は7mだ。

駆け昇ってくる津波を防ぐことは、多分無理だろう。

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それに東南海、南海が加わればエネルギーは数十倍になる。

あんまり想定なんかを信じないで、自らの命を守る方途を考えた方が賢明だろう。

それにしても、こんなに危険な所に原発を幾つも作ったり、

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人口を密集させてしまったのは何故か。

そりゃ~みんな、欲得の結果なのだ。

メコンデルタの浸水常襲地域に工業団地を立地させたのも日本人だ。

米国企業の工場は高台でちゃんと生きている。

TPPも同じで、先々のことを考えないで行動するのが、

エコノミックな日本人の癖らしい。

今度起こる震災については、私達はもっと深刻に考えた方が良い。

事後の復旧もさることながら、事前の根本的な備えを急ぐべきなのだ。

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2011年11月 5日 (土)

大道芸の二十年

25年程前になるだろうか、ミュンヘンの街を歩いていると、

あちこちにギターを抱えた若者を取り囲む輪が出来ていた。

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その薄暗い街路を歩きながら、ドイツは凄いと思ったことがある。

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そして20年前、ある変わり者の市長が大道芸をやろうと言い出した。

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それを受けて立ったのが青年会議所の面々だった。

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直ちに実行委員会を立ち上げて、世界中からパフォーマーを呼び寄せた。

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以来20年、大道芸は静岡市の顔になった。

この大会の4日間に200万人近い観客が訪れるし、主催者も楽しんでいる。

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この大会の一切の運営は実行委員会も含めてボランティアだ。

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この4日間だけでも1600人のボランティアが活躍している。

プロジューサーなどの実行委員は一年中活動しているし、

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そしてそのボラもクラウン(ピエロ)や会場整理、MCなど30のジャンルに分かれている。

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そうして今日、最大のクライマックスを迎えていた。

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80組余のパフォーマーが、街のあちこちで磨きこんだ芸を披露している。

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観客はその会場を渡り歩きながら、晩秋の一日を楽しんでいる。

それにこの大会期間中はともかく、静岡市では普段から地下街などでパフォーマンスが見られるようになった。

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名実共に大道芸の街になった訳で、かつてのミュンヘンをも凌ぐ街になったと思うのだ。

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町興しには4種類の人材が必要だそうだ。

切れ者、馬鹿者、よそ者、そして若者の参画なのだそうだ。

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とお?、 明日は雨だけど出かけてみません?

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2011年11月 4日 (金)

ダークマター

昨日は文化の日で、少しは文化的なことをと思って浜松コンファレンスに出向いた。

文化は私達が築いた日常的なものだけど、少しずつは進化している。

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つまり誰かが「新しい文化」を模索していると言う訳だ。

それで、神岡宇宙素粒子研究所の鈴木洋一郎教授の講演を聞いたのである。

ただし、分かったような分からないような・・・不思議な気分になった。

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「私達の知っている原子は、宇宙全体の4%を占めるに過ぎない。

23%は、私達には見えない暗黒物質であり、

73%は暗黒エネルギーで満たされている。」と言うのだ。

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まるでSFの世界だが、話を伺っていると何となくそういう気分になる。

それで彼らは、その暗黒物質を捕まえる研究をやっている。

その装置は地下深くに設置しているのだが、中身はセンサーとキセノンだ。

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中学校の頃、元素記号を全部丸暗記したことがある。

でも原子番号54のキセノンなんて、とっくの昔に忘れていたほら、

先日福島原発2号機で検出されたあの物質だ。

しかし彼らが使っているキセノンは、液体窒素を製造する過程で出来る副産物だ。Cimg5065

つまりキセノンは、空気中に極微量含まれているのだ。

そのキセノンがダークマターの質量に近いらしくて、

暗黒物質のキセノンとの衝突を観測しているのだ。Cimg5063

まあとにかく、未知の物質をキセノンを介して明らかにしようと言うことらしい。

こいつがちゃんと分かると、私たちの世界観も一変するのだろう。

ともあれ私達も、全部分かったような気でいたとしても、、Cimg5070

実際には4%も分かっていないのかも知れない。

その4%未満の世界観で人を攻撃したり、正義を主張したりしているのが私達だ。Cimg5068

ダークマターの存在は、私達人間を少しは謙虚にさせるかも知れない。

私達は太陽の光に依拠して生活している。

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そして太陽のそのエネルギーは、核融合なんです。

自然の成り立ちは、私達の知覚しているものだけではないのですね。

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2011年11月 3日 (木)

小笠山試走

11月20日の小笠山トレランを控えて、コースの下検分をした。

私が同行したのは、エコバから小笠山山頂までの8.6kmである。Cimg5027

トレランの1/3の距離に過ぎないが、実は急な登りで一番きつい所だ。

小笠山は、東海道沿線に隣接しいながら開発できなくて残った、

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貴重な緑のコロニーだ。

国有林を中心に4,000ha近くの二次林が広がっている。

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もともとは大井川の造った扇状地で、北側が隆起して遠州灘に向かって傾斜している。

それで今日走ったのは、

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切り立った北側の崖(ケスタ)に沿った部分でエキサイティングコースと名付けられている。

しこうして、コースの北側は数十メートルの崖なのだ。

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まかり間違って下りを調子に乗って走ると、

崖から真っ逆さまってなことになりかねない。Cimg5039

心配だった台風15号の影響も、

なぎ倒された樹が一部残っている程度でレースには問題ない。Cimg5041

頂上(264m)までゆっくり走って2時間で十分届く。

それにしても、掛川駅のすぐ南側にこれ程の異空間が広がっているのだ。Cimg5043

途中には放置された茶樹が林になっている所もあるが、

コース全体はウバメガシの林に覆われていて、Cimg5044

下界には深山幽谷の向こうに街が見える。

このトレイルは、出来れば四苦八苦して走るんじゃなく、Cimg5045

この自然のダイナミックな造形を楽しみながら走りたい。

トレイルならではの面白さが広がるだろう。Cimg5046

たかだか200m登っただけで、別世界が広がるのだ。

人生も同じだな !Cimg5047

こんなに素晴らしいトレイルは他に無いぞな。

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2011年11月 2日 (水)

活力の源

私達やこの社会が動くとき、そこには何らかの源がある。

BRICS諸国の急成長だって、国民の豊かさへの希求のネルギー故だ。

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人を動かすエネルギーの源は、それは欲望だろう。

金銭欲ばかりではなくて、名誉欲とか性欲、所有欲や食欲などだ。

戦国時代の武将達や幕府の官僚、今日の政治屋の世界も同じだ。

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たとえ俗世間を離れようとしても、なかなかに欲望の根源は無くならない。

それに社会も人間も枯れ木のようになったら、たちまちにして立ち行かないに違いない。

前口上が長くなったが、人間如何に生きるべきかと言うことである。

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私の場合、今更金銭欲や名誉欲でもなかろう。

そして、自分の立ち位置に相応しい欲望を持つことが大切だと思っている。

それは目標を達成するという欲望だ。

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言い方を変えると、「やり遂げる」という達成感を目標にするのだ。

11月の声を聴いて、来年の目標を幾つか模索し始めている。

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例えば100kmレースを5大会以上完走するとかね。

目標は困難なほど良いと思っている。

これまで時間に制約されて出来なかったことを一つずつ攻略していく。

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今、少しワクワクし始めている。

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2011年11月 1日 (火)

上弦の月

爽やかな空気が満ちて、晩秋は物思わせながら過ぎていく。

夜が長くなって、宵の口から上弦の弓張月が登っている。

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もはや11月なのだ。

細くなっていく月には、もの悲しさも漂っている。

今年も残すところ二か月。

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変化に富んだ10か月だったけど、出来ることを十分やったろうか?

余命6か月とされた俳優の入川保則が、

「明日までの命と思って生きろ。永遠に生きると思って学べ!」と語っている。

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その覚悟や気高し。

普通の人間じゃ、明日までの命と思って生きることなど出来ゃしない。

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誰もが、永遠の命と思って生きている。

だけど、その日その日を目一杯生きられたら素晴らしいことだ。

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「犬も歩けば棒に当たる。」

どんな棒に当たるものか、出歩いてみなきゃ分からんもんね。

余命20年?、私も上弦の月かな。

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覚悟して生きなきゃね。

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