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2011年12月 4日 (日)

冤罪の構図

昨日の冤罪に苦しむ北川さんを支える会で、杉山卓男さんのお話を伺った。

杉山さんは、あの布川事件の犯人として29年間服役し、今年5月に再審無罪となった方だ。

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獄中から無罪を訴え続けて、44年目にやっと清廉潔白の身になったのだ。

普通私達は、「火のない所に煙など無かろう」などと思っていたりする。

だが日本の司法の世界では、火の無い所にも突然火の手が上がるのだ。

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杉山さんの逮捕されたのは、21歳の時だった。

当時の杉山さんは、あちこちで暴力事件を起こしていたし、確かに街の悪だった。

彼は殺人事件のあった数日後にある暴力事件を起こした。

それ(別件)で逮捕されるのだが、警察は2人組み殺人の一人として内定していた。

悪の仲間が先に逮捕されていて、相棒は「杉山」と言ったというのが理由だった。

やがて目撃者が現れ、「姿形が、杉山さんではない」と証言するのだが、警察は無視した。

代用監獄に収監されて、自白調書の作成が始まる。

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何日もかけて、何も知らないはずの事実を自ら書かされる羽目になる。

弱冠21歳の若者であり、弁護士もつかずずるずると誘導されていく。

やがて本人は、自分を名指しした相手と法廷で対決することだけに望みを託す。

しかし法廷は、何よりも2人の自白調書を重視した。

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犯人しか知らないことを自白しているとの評定が下され、上告審もすべて有罪となった。

事態を変えたのは、杉山さんの必死の研究だった。

刑務所の作業を終えたのち、毎夜のように事件の顛末や調書を検討する。

そうして遂に、決定的な矛盾点を発見するのだ。

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再審決定となって証拠開示されてみると、杉山さんの無罪の証拠は無数にあった。

警察は有罪にするために不利な証拠をすべてを隠していたのだ。

日本の警察は極めて優秀だと思っていたが、犯人を創ることを平気でやる。

戦前の特高警察の伝統が未だに残っているらしい。

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杉山さんは私達に「事件に巻き込まれたのは不幸だったが、けっして不運ではなかった。

こうして皆さんの前に立てているのだから・・」と語った。

ともあれ北川さんの冤罪である。

彼は、虚偽有印公文書作成、加重収賄等で有罪が確定している。Cimg5428

そして今、贈賄したとされたN元市長は、「贈賄は警察に強要され証言させられた。」と明らかにしている。

先日までは「偽証罪に問われても、再度証言する」と言っていた。

調査書改ざんに関係した教諭たちの証言も一貫してはいない。

調査書が改ざんされたのは事実だが、校長はそのこととの係わりを一貫して否定してきた。

第一、高校の調査書というものが校長の指示で書き換えられるものかどうか?

とにかく校長が犯人に仕立て上げられ、収賄までしていたことになった。

一切証拠のない事件で反証すら難しいが、

何としても真相を明らかにして欲しいと願っている。

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コメント

 警察官の一種の職業病のようなものなのでしょうか?
犯人逮捕の責任に追い詰められているからね。
 少しでも犯罪性のおることは、見逃さない様にと考える故に最終的に冤罪も起こる。
 そこに絶対冤罪であっては、成らないと言う「義」は、発生しない。
 成績を上げないと出世しない。
疑わしいは、出世のチャンスとなる。

 交通事故や窃盗物の調書作成に警察に行った事があるが、先ずは、犯人ではないかと疑りも入る。
 杉山さんはと言う方は、冤罪と言うむしろで、更生したのですね。

投稿: ひろ | 2011年12月 4日 (日) 18時38分

 山草人さま
 私は、皆様の冤罪事件に関する取組に、深く敬意の念をもちます。
 私が「冤罪事件」に興味をもったのは、30年程前に大岡昇平の「事件」を読んでからです。自分の生活習慣を振り返って恐怖を覚えました。日常のことなぞ昨日でも忘れるという記憶しかない私ですから、もしもの場合に検事の尋問に答えようがありません。結果として、毎日の行動メモをノートに残すという防衛策を自分に課しました。それと同時に「冤罪事件」は、日本の恥ずべき司法慣習として位置づけ、刑事事件報道を読む際には「冤罪の可能性」を常に疑ってきました。
 「裁判員制度」に最初から大賛成であったのは、「冤罪事件が無くなる可能性」を、この制度に見出すことができたからです。昨日の新聞報道でも、布川事件の全証拠資料を公開すると検察側が表明したとのことです。検察側が「冤罪発生防止」に動いてきた証拠と喜んでいます。ちなみに私は本年の春に、上記メモ・ノートの記載を簡略化しました。その一要因は、国民が「冤罪事件を座視しない」という潮流を感じ、安心したからです。

 北川さんの場合には、検事側のマニュアル化したシナリオがあるように思います。そのシナリオは「現場担当の悪事は必ず黒幕の命令が存在する」というものでしょう。姉歯事件と村木事件がその前例と思います。「姉歯という一級建築士の個人的罪」や「厚生省一係長の心の弱さによる偽造資料」を標準シナリオに沿うよう拡大・偽装したと解釈しています。ですから、北川事件が報道された当初から、冤罪の可能性が高いとみてきました。
 山草人さん等の今後のご活躍と、適時のご報告に期待しています。
 なお、ブログ愛読者の中には、このテーマを厭う方も居るようですから、気になれば別にメールにてお知らせください。また、支援カンパがありましたら、些少ですが協力したいと考えております。宜しくお願い致します。

投稿: 米山 | 2011年12月 6日 (火) 12時39分

 米山さんの冤罪への理解に頭が下がります。この国に正義が無くなったら、もう救いようがありません。何としても、事実を明らかにすべきと思っています。

 今県教委は、一審での有罪と二審・最高裁の上告棄却を受けて、彼の退職手当全額返納を命令してきています。

 これまでの裁判費用負担などを考えると、北川さんの人権や生活権すら奪いかねない状況で、現在その命令撤回を求める署名活動を行っています。

 それからこの12月中旬にはURLが http:/kitagawashien.hamazo.tvでHPが立ち上がることになっています。

 本人は、無罪実証の難しさと事件の埋没(忘れられてしまうこと)に、必死で立ち向かっています。

 一人でも多くの方に、ご支援を頂きたいと願っています。
            山草人

投稿: 山草人 | 2011年12月 7日 (水) 20時40分

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