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2012年7月 6日 (金)

お茶点描

鎌倉時代、お茶は長寿の妙薬として広まった。

最初は僧坊からだったが、カテキンやテアニン、それに各種ビタミンを含むお茶は、

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只飲むだけでサプリメントであり、日本人の寿命を幾何か伸ばしたのではないか。

やがてお茶は妙薬から貴族の嗜みとなっていく。

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千利休らの茶の湯の世界がそうだ。

江戸中期、永谷宗圓の煎茶の発明で一気に大衆茶の時代になる。

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そして今日、食は贅を尽くす時代になって、

お茶にサプリメント効果を求める必要はなくなった。

それに、高級茶をゆったりと楽しむような時間的余裕がどんどん失われてきた。

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かつて花嫁修業の定番は花とお茶だったけど、

大和撫子同様にそれも既に風前の灯だ。

しこうして高級茶が売れない。

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静岡は全国茶生産のほぼ半分を担う大産地だが、

贈答需要の減少もあって、このところずっと価格低迷に苦しんでいる。

今年の一番茶も、昨年の一割ほど価格が下がっている。

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お茶の生産者は規模拡大や機械化でコスト削減に必死だが、

価格の低下のスピードの方が速いようだ。

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お茶と言えは今では、ペットボルトで売られるあのお茶のイメージになった。

ペットの原料茶など、それ程の手間暇かけて作る必要もない。

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と言う訳で今、お茶生産も大変革期を迎えている。

価格低迷の影響もあって、今年は台刈りした茶園が目立つ。

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茶樹がどんどん伸びて高くなるために、5~6年に一度株を切り下げるのだ。

片や西尾の碾茶産地では、日光を90%以上遮断して抹茶の原料を生産している。

碾茶は被覆にしても摘み取りでも人海戦術に依存せざるを得ない。

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私が訪れた時も、高校生が大挙して摘み取りを手伝っていた。

あの抹茶の清涼感も、こうして手間暇かけて生まれるのだ。

それにしても、お茶を味わうゆとりを失った日本人は、これから何処に向かうのだろうか。

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コメント

 お茶を嗜むゆっくりとした時間が良いのですよね。
 父もそうでした。父の話を聞く時は、何杯も飲まされました。
 番茶でしたが、たまに高級品をそれもまた、高級な茶器でいれてくれたものです。

娘が、父の所に行くと「おじぃちゃん~!」と駆け寄る娘に、「お~○○○!お茶飲むか~?」
お茶会の始まりです。
 お陰で娘もお茶好きですね。

 私には、お茶=父だな~。

お茶の栽培は、中国雲南省だとか、学生の頃調べましたが、2000年も前とか。。
 その木も放置され20m位に成っているとか。

 最近珈琲ばかり飲んでいますから、お茶に戻ろうかな。。
 
 

投稿: ひろ | 2012年7月 8日 (日) 07時15分

親父さんは、お茶の情緒を知っていたんですね。
 たかがお茶だけど、忘れられないお茶だってありますね。
 娘さんが何時か、自分の子供達に美味しきお茶をゆっくりと淹れる時がきますよ。「じいじもおいで」ってね。
               山草人

投稿: 山草人 | 2012年7月 8日 (日) 21時09分

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