山野草
もう10年来、私のペンネームは山草人である。
山に生えているぺんぺん草の様に目立たず、でも性強く生きようとの思いだ。
山野草にも色々な個性がある。
この時期、山には捻れ花が咲いている。
山道のあちこちに、10cm程の花序を伸ばしている。
気に留めなければ、ただ踏みつけて通り過ぎる花だ。
この山野草は、小さな花を螺旋状に咲かせる。
そしてこの花を見る度に、何故螺旋なのかと何時も考えてしまう。
たかだか10cmにも達しないのだが、ソラマメみたいに天にまで伸びたいのか。
目立たない小さな花なのにそれでも目立つために、
奇をテラって螺旋階段の様な姿を見せるのか。
その地味な山野草を健気だと思っている。
それで何時も「お前、立派だよ」と声をかけてやる。
「俺だって、何の取り得も無いシガナイぺんぺん草よ!
お前と、おんなじさ!!
でもさ、小さな花だって精一杯咲かせてりゃ、誰かが気付いてくれる。
俺がお前を気に掛けているようにね。」そんな気分だ。
人は結局は一人で生きなきゃならないんだけど、
誰かが受粉してくんなきゃ子孫も残せないしね。
人の中で生きて、そして人の中で一人で死んでいくのさ。
強がり言ったって泣きべそかいたって、最後は人は一人さね。
でもね、今現在だって沢山の人との係わりの中で生きている。
そのことに感激しなきゃ、そのことに感謝しなきゃ、
そしてそのことの永久なれと努力しなくっちゃね。
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