« 姫街道を走る | トップページ | 散るを待つ »

2013年4月 1日 (月)

ひかげつつじ

私の走っている小笠山にヒカゲツヅジが咲いている。

痩せ尾根の崖にへばりつく様に生えて、花は淡い緑色だからまったく目立たない。

Cimg0205

それもこの時期だけの、ほんの一時の花で直にその存在すら見つからなくなる。

その名のとおり、あえて日当たりの悪い場所に生きるツツジだ。

Cimg0206

強い日差しが差し込もうものなら、葉はたちまち日焼けしてしまうほどナィーブで、

潅木の下に目立たずに生息している密やかなつつじだ。

Cimg0207

一方、林間に一際目を引くのはミヤマツツジだ。

高く背を伸ばし、鮮やかな紅色の花を誇らしげに咲かせている。

Cimg0208

林間に浮かび上がるように咲くこの時期のミヤマには、

誰だって魅せられてしまうだろう。

Cimg0209

同じツツジなのに、何故かくも生き方が違うのだろうかと不思議だ。

しかし、これこそが棲み分けなんだろう。

Cimg0210

植物は、日の光を求めて競って背を伸ばすのが常道だ。

事実、ミヤマツツジは精一杯その背を伸ばして目立っている。

目立ってはいるが、背の高い樹木の下であることに変わりはない。

Cimg0212

その反対に背を伸ばすのを止めてしまったのがヒカゲツツジだ。

背を伸ばす代わりに、僅かな光で光合成が出来るようにしたのだろう。

だから咲かす花だって地味な黄緑で、あえて殊更に目立とうとしていない。

Cimg0251

だけど、俺はこうやってチャンと生きてるぞって存在感がある。

そんなヒカゲツツジなりのメッセージを、この春のひと時にだけ送ってくれている。

私達にだって、人それぞれの生き方がある。

Cimg0253

何も目立つ必要はない。

こつこつと自分なりの生き方を極めりゃ良いのさ。

ヒカゲツツジの花は、そんな何事かを語りかけているようである。

|

« 姫街道を走る | トップページ | 散るを待つ »

自然」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ひかげつつじ:

« 姫街道を走る | トップページ | 散るを待つ »