葡萄近況
空梅雨が続いてきたが、台風7号のお陰で久しぶりに雨が降った。
カラカラの畑に水を得て、小さな雑草が今こそと一斉に芽生えている。
そして可愛がっている私の葡萄は、例年より前倒しで生育している。
各品種とも、肥大の最終局面にある。
殊に早生のサマーブラックやデェラウエアは、早くも着色が始まっている。
依然として、毎朝の側枝の除去と玉抜き作業は欠かせないが、
それに加えて、実はこの時期の水管理が一番難しいのだ。
葡萄の粒の肥大には十分な潅水が必要だ。
ところが肥大期から成熟期に移ってもなお潅水を続けると、パチパチと裂果してしまう。
裂果すればそこから腐敗が始まって、忽ちにして全滅と言うことになりかねない。
かと言って、水を掛けなきゃ大きくならない。
と言う訳で、果実の硬さを確認しつつ慎重な潅水作業をしている。
それで、もう直ぐ一切の潅水を断つ時期を迎えつつあるんだ。
だけど、そんな私の細心のケアーがあったにしても、
梅雨末期の豪雨ともなれば如何ともし難い。
葡萄の根は当然ハウスの外にまで伸びていて、吸水阻止は不可能だ。
当然ながら「梅雨と共に爆ぜぬ」となって、爆ぜた葡萄の摘出に大わらわになってしまう。
チュンチュンとハウスの中で鳴き声がする。
変だなと思って確認すると、ブドウの房の肩の部分が食べられている。
色付きを見計らって試食にやってきたのだ。
それで今朝は、大慌てで色付いた房に新聞紙の傘を掛けた。
これからは、この作業が当分続く。
まあ、そんな訳でブドウ栽培には難儀続きの時期なんだ。
苦労して作る私の葡萄は、当然ながら飛びっきり美味である。
ところが私の家族は、しきりに勧める私を尻目に、誰一人見向きもしない。
何と孫娘などは「チョコの方がいい。」などと言う。
全くけしからんことに、近頃の女房子供は人工菓子に毒された憐れな連中なのだ。
仕方なく私も「葡萄食べたら、チョコあげるから・・・」などと惨めなものだ。
ともあれ、この国ではミカンもリンゴも押並べて果物の消費が激減している。
葡萄は天然自然で、最高の菓子だと思うんだけどな~。
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