富士の高根
富士山が、まもなく世界文化遺産に登録される。
それで登山客が増えるだろうから、入山料を取って規制するらしい。
登録されようがされまいが関係なかろうと思うのだが、
昔からこの国の人々は、殊更富士山が好きだ。
明治の論客横井小楠だって「男子の境涯、寄せて芙蓉の第一峰にあり」と言っている。
目指すべきは、富士の頂だと言うのだ。
その小楠が富士山に本当に登ったのかどうかは知らない。
明治2年に暗殺されてしまったから、多分登ってはいないだろう。
かく言うように、富士山は多分に仰ぎ見る心の山なのだろう。
ともあれ私は、高校2年の初登山以来もう随分登ってきた。
近年では「富士山頂往復マラニック」の関係で年に二度は登ってきた。
しかし昨年は、田子の浦から夜を徹して登って行って、
7合目付近で片目が見えなくなって驚いた。
寝不足と過労の結果だったろうか、翌朝目覚めたら何の障害もなくなっていた。
しかしながら、富士山とて舐めたらいかんとつくづく思った。
それで今年は、このマラニックへの参戦を見送っている。
唐突かも知れないが、話はこの国の経済である。
消費は美徳とばかりの浪費社会まで作り出してしまった。
頂きに立ってみて突然目覚めたのが、平成2年のバブル崩壊とも言える。
「来てみれば さほどでもなし 富士の山」と、醒めてしまったのだ。
以来ず~っとデフレと言う下山の道を歩いてきた。
そして今、日本再興なんだが・・・
「今又目指す 頂は 何処にありや 蓬莱山」かな!!
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