嫌地
ほんとうに久方ぶりの雨だが、どうも雨量は十分ではなさそうだ。
もう一か月以上雨らしい雨が無くって、田畑はひび割れだらけになっている。
毎日ジョロで灌水してきたが、干ばつによる害は避けようもない。
実は多くの植物には、同じ場所で育つの(連作)を嫌う性質がある。
特にナスやトマト、ピーマンなどのナス科の植物では顕著で、
連作すると枯れてしまったり、枯れなくても収穫は激減することになる。
私の栽培しているオクラも連作障害があって、一年間休耕したのに生育は今一歩だ。
連作障害の原因は未だに良く分かってはいないのだが、
作物の出す毒物質(アレロパシー)が貯まって、様々な悪さ(嫌地現象)をするらしい。
アレロパシーを洗い流すのが十分な降雨だから、今年の作柄の悪化は如何ともし難い。
この点、日本の水稲は何千年も連作してきている。
田圃に水を張ることによって毒物質を流し去ってしまうからこそ可能な農法なのだ。
この営々たる山紫水明の水田風景が、私達の風土や美意識を形作ってきた。
それに急峻な国土故の速い水の流れを田圃に貯めながら流すことで、
貯水や地下水の涵養にもなってきたのだ。
日本人の風土と文化、そして私達の生存は水田によって支えられてきたと言える。
そしてまた今回のTPPで決定的な危機にさらされようとしている。
そもそもコメは、経済的な側面だけで論じられるべきものではない。
仮にこの国から水田が無くなれば、
この国土を形作ってきた精緻な自然のメカニズムが狂って、
食の崩壊に止まらず民族の生存基盤にも影響が出るのではないかと思う。
あの悪名高い管総理などには、軽薄にもそんな思慮の片鱗すらも感じられなかった。
しかして今、安倍政権の交渉力に一縷の望みを託す他ない。
話しは変わるが、今日、本校の野球少年たちの夏は終わった。
毎回絶好のチャンスは作り出すのだが、結局得点に結び付けることが出来なかった。
後は、富士市立高校の静高戦での健闘を祈るばかりだ。
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