夜店市の賑わい
私の住む町は、かつてガチャマンと言われたほど賑わった街だ。
町じゅうに鋸屋根の職布工場が立ち並び、全国から女工さんが集まっていた。
ガチャンガチャンと織機の音が絶えることなく響いていた。
その別珍コールテンと言う厚手の布は、戦後の物不足の中で珍重され、
ガチャマン景気は永遠に続くと思われていた。
そして商店街には若い女工さんなども含め人が絶えることは無かった。
だが、昭和48年のオイルショックあたりが止めだったろうか。
そして今、職布の工場は数えるほどになって、音も人も静かな町になった。
商店街も名ばかりになって、それだって客足はまばらだ。
かつての賑わいを知る人すら少数派になっている。
それで瞬間的ではあっても「かつての賑わいを再び」と開催されたのがこの市だ。
先日の夜店街には路上に所狭しと露店が並び、歩くのも難儀なほど人が集まった。
特に夏休みを前にした子供たちは、連れ立って徘徊し束の間の非日常を楽しんでいた。
ともあれ地域も町も、そして人だって産業と共に変遷する。
あのデトロイト市の破綻だって、産業の空洞化に由来する。
このところ沈む夕日のように下降傾向にあった日本の産業だが、
強力な政権の誕生と共に、息を吹き返すことを祈念したい。
産業は栄枯盛衰とは言え、産業が元気でなけりゃ雇用も賑わいも生まれないんだから。
この国の夜店市(デフレ脱却)も、真夏の夜の夢であってはなるまい。
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