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2013年7月27日 (土)

茶草場へ

この春、世界農業遺産に認定された茶草場とは一体何なのか。

焼畑農法とか棚田と言うのは分かるが、如何なる農法か御存じだろうか?

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そんな疑問を胸に、茶草場農法の本拠地、掛川の東山に出掛けてみた。

掛川の山間、小夜の中山の北方に位置する粟ヶ岳(514m)を中心とした地区だ。

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講師は、世界遺産認定への立役者静大の稲垣栄洋教授である。

彼は、雑草生態学の権威としても知られている。

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ともあれ、茶草場農法である。

簡単に言えば、草刈り場から刈り取ったススキやササをミンチして茶園に施す農法だ。

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茶園のまにまに草刈り場があって、その草をもう半世紀以上セツセと茶園に敷いてきた。

そのことによって、生物の多様性が維持され、美味しい茶が生産されてきた。

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何ということは無い、日本人の極自然なかつての農村の営みである。

化学肥料の無かった時代には、何処の地区にも「入会地」があって、

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田畑の肥料にするための草を刈り取ることを専らにしていた。

勿論、今ではそんな農法は絶えてしまって久しい。

この東山地区にも棚田があって、入会地の草を肥料にしてきたのだろう。Dscf8109

何時の頃からか田は茶畑に代ったが、山間地独特の地形を上手く使う農法として、

それに味の良い茶が生まれる秘訣として茶草場が残されてきた。

当然ながら、傾斜地で草を刈って茶園に入れる作業は並大抵の労働ではない。Dscf8107

それでもその農法が綿々と維持され、茶草場にはササユリやオミナエシが育ち、

人間と農業と自然の典型的な調和がそこには残されていた。

粟ヶ岳の登り口に「いっぷく処」という茶業青年たちの店がある。Dscf8106

そこで彼らの育てた在来の「加久良」と言う美味しいお茶を頂いた。

その粟ヶ岳の頂上近くには、巨大な「茶」文字がある。

この茶文字は縦横130mもあって檜で「茶」と言う文字を描いている。Dscf8102

昭和8年に作ったらしいが、この茶文字は茶草場の真ん中に描かれている。

遠くから手旗信号で指図しながら檜を植えて行ったと言う。

そう、昭和の初めにだって、この地区にゃユニークな人達がいたんだ。

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そんなこんなひっくるめて、FAO(国連食糧農業機関) の職員は圧倒されたんだろう。

兎に角、農家の人々の営々たる営みが世界農業遺産「茶草場農法」なのだ。

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コメント

川島さんへ
あなたは東山(世界遺産)の農民より偉大である。なぜならば、いつも発信が早い。
そして、掌握した内容が的確である。さすがである。
いつも楽しみにブログを見ています。
今回の最後の写真のテントの向こうに写っているのは、中日の佐野さんですね?。
影山

投稿: 影山 淳 | 2013年7月29日 (月) 17時45分

 景山さん。
 過分な御言葉に恐縮しています。

 景山さんの様にヒマラヤ登頂やシルクロード自転車走破などは、私には夢のまた夢ですからね。せめてブログ位はと思っています。

 それからシルクロードクラブの世界を股にかけた縦横無尽な活動にも圧倒されています。
             山草人

投稿: 山草人 | 2013年7月30日 (火) 11時51分

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