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2014年10月 2日 (木)

うつろい

キンモクセイの花はいっときで、その微かな香りでそれと気付く。

よく見るとオレンジ色の小さな花を一斉に咲かせて、この秋の盛りを知らせている。

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この花を見ると何時も思い出すのが、浙江省西湖のギンモクセイだ。

浙江省ではキンよりもギンのほうが一般的で、所変われば・・・と感心したことがある。

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20年ほど前に訪れた西湖マラソンでは、そのギンモクセイの咲く並木を走ったのだ。

娯楽が少なかったからか、私たちの走りを見物に数万の人垣ができていた。

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あの頃の中国は、まだまだ経済発展が緒につく前で、数少ない車が夜でもライトを消して走っていたし、

信じられないことだが、沿道には跳ねられて怪我をした人が何人か倒れていた。

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そして、肥だめを乗せた牛車もあったし、夜店では生きた蛇やニワトリを売っていた。

この20年間の発展を考えれば、まさに隔世の感がある。

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ともあれキンモクセイは既に散り始めて、その樹下に金色の絨毯を作り始めている。

そうかと思うと、その隣にサルスベリの花がまだ咲き残っている。

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サルスベリは夏の花なのにダラダラと頑張っているのだ。

あの刺すように降りそそいでいた日光も随分柔らかになって、やがて日差しが恋しくなる。

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季節の移ろいは、人の心をも微妙に移ろわせていくようだ。

コスモスやパンパースの花が風に揺れて、いよいよ秋を深めていく。

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さてこそ花は嬉しいが、併せて人生の秋をも連想させるのはいかんとも哀しい。

歳と共にその役割も立ち位置も替わって行かなければなるまい。

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この秋は、そうした幾つかの決断を迫られることになりそうである。

人には、サルスベリの様な咲き方も、はたまた桜やモクセイの様な生き方もある。

或いは厳しい冬に咲くビワの様な花だってある。

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どうせ咲くなら一気に散るおじん桜かモクセイか。

何かと逡巡する秋の夜長である。

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