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2015年6月12日 (金)

熊よ

飛騨は山国で随分とヒグマの多いところらしい。

高山スキー場からの下り道にも「時々、熊も通ります。」と標示されていたし、

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奥飛騨の熊牧場には、数百頭の熊が「飼育」されていた。

月の輪熊は植物性のものが主食らしいが、ヒグマは植物も食べるが肉食である。

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それで時に牛などが襲われて腹部を食い荒らされたりするのである。

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そういう意味では、ヒグマはこの日本列島で唯一の猛獣なのだ。

かつてはマタギと呼ばれる猟師がいて、

熊の胆や毛皮を目的に冬眠中を狙う壮絶な猟をした。

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しかしそうした猟も無くなった今日、ひょつとしたら熊は増え続けているのかも知れない。

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訪れた熊牧場では熊に簡単な芸をさせていたし、客に餌〔ドライフルーツ〕を求めてくる。

立ち上がって手〔?〕を叩いて餌を要求するのだが、それが又愛想があって若い女性客を喜ばせていた。

熊も、生き残るために必死なのである。

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牧場では普段は配合飼料〔とうもろこしなど〕を与えているらしいが、

多分そんなに十分には与えないのだろう。

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客は深い堀を隔てた安全な所から餌を投げるのだから安気なものだが、

小熊は兎も角、大きな熊は500k以上はある。

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あんな熊に襲われたら・・・・想像するだに恐ろしい。

そんな熊を眺めながら、アラスカを駆け巡った写真家の星野道夫さんを思い出していた。

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星野さんは過酷な北極の地に棲んで熊と自然の膨大な写真を残している。

しかし彼が残した最後の写真は、

鮭の遡上する川の岸に座ってシャツターを押している時のものだった。

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熊は鮭を腹一杯に食べて、人を襲う恐れが無いと判断していたのだろうか。

「クマよ」と題された写真〔大自然の中の感動的な熊の姿〕に彼の言葉が添えられていた。

「気がついたんだ おれたちに 同じ時間が 流れていることに」と。

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それ程に愛情をこめてシャツターを切ってきた写真家を、熊は食い殺したのだ。

二十年間に亘って北極の風の中に身を晒し、自然と人間を追及した写真家だった。

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