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2015年10月13日 (火)

生きる糧

シリアをはじめとして中東で際限なく殺し合いが続き、留めなく難民が溢れ出ている。

何故騒乱が続くのかって言えば、それは食えないからだ。

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人は何がどうなっても食べることなしには、その生命を維持できないようにできている。

そのギリギリのところで、食べていくことができないから殺し合いが始まるんだ。

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食量が細って飢えへの恐怖が難民の流出を起こしている。

中東の困難はさておき、この日本では相も変らぬ飽食が続いている。

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誰もがこの国で(戦中戦後の様な)飢えが起こるなんて、考えようもない時代が続いた。

だけど時代を遡れば天保の大飢饉など、数知れない餓死者を生み出してきたのである。

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今この国では、1億2千万人の食料を生産することは不可能になっている。

純粋に国内の農業で支えるのが可能なのは、5千万人程度ではないか。

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トウモロコシや小麦・大豆・牛肉などと、多くの食料輸入で私達は生きている。

それは、或は私達が買わなければ中東に向かった食べ物なのかもしれないのだ。

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ともあれこの国には、まだまだ外国から食料を買いあさる金がある。

それがTPPの大筋合意で、もっともっと農産物を買うことになりそうである。

国内で有り余っている米を7万トン余、リンゴもブドウも豚肉も大量に買いますと約束した。

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ニュジーランドでは早くから日本向けにリンゴを輸出しようと準備していた。

羊のいなくなった牧草地をリンゴ畑に変え、日本の品種を栽培してきた。

だけどこれまでは関税とコドリンガの防疫で輸入が阻止されてきた。

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だけど、今度のTPPで大量輸入となれば、国内のリンゴ産地は生き残れるのだろうか。

沖縄など島嶼部の産業はサトウキビ生産だが、果たしてこれを支える行政措置が可能かどうか。

それがかなわなければ、宮古島などは無人島になってしまうのではないか。

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グローバリゼーションとは、勝手気ままな弱肉強食の経済である。

それは、人々の幸せとか国の成り立ち・文化とは相いれない思想である。

経済も大切だけど、それ以上に私達の民族の未来への担保が必要だと思うのだが。

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