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2016年8月10日 (水)

湖畔のひと時

やはり、モンゴルの乾燥した空気(室内は暖房)にこそ感謝すべきだろう。

一端水中に没したカメラは、朝になって恐る恐るスイッチを入れると出っ放しになっていたレンズがググッと動いた。

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電子機器としては奇跡の生還であって、私自身もにわかに元気を取り戻したのである。

実は夜にかなり激しい雨が降って、その雨が朝になっても少し残っていた。

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考えることは、「ハテ、明日のレースで走る湿地帯はどうなるのか?」ってことであった。

足が大きく(20cm以上も)沈み込んで、1時間に1.6km程しか進めなかったという経験談も聞いていたからだ。

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ともあれ雨は暫らくして上がって陽が射し、勇躍として前日に続く乗馬にでかけた。

kさんから教えられた鐙への足の掛け方の工夫で、馬の操作がぐっと楽になっていた。

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さても乗馬の心地良さとは何に起因するものなのか、動物との意思疎通なのかどうか?

或いは非日常的な優越感情なのかもしれないが、馬が好きだという人が増えている。

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実はこの日、仲間のK地さんが一頭の馬と共に2,400mの山を越えて、一人で明日のコースを辿ったのである。

勿論急斜面や崖地も多く難行を極めたらしいのだが、8時間あまりしてぐったりとした馬と共に帰ってきた。

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人間よりも馬の方こそさぞかし辛かったろうと同情したのだが、本人もどうやら命がけだったようだ。

独特のスープとサンドの昼食を終えて、いよいよ明日の準備に取り掛かる。

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ハイドレーションへの給水(2ℓ)、ライト、地図、コンパス、防寒具、救援用笛、薬品、携行食などをリュックに詰め、前後にゼッケンを付けると、残りは気持ちの準備である。

それで、湖岸に出て本(韃靼疾風録)を読むことにした。

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湖岸ではテントの下でH江さんが静かにスケッチを始めていて、その近くで本を開いた。

目の前には鏡の様な水面が広がっていて、時折その静けさの中に水鳥が潜って行く。

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本を開くと忽ちにして静寂な大地が延々と連なって広がり、このモンゴルと遼東(満州)に生きただろう人々の様がパノラマのように動き始める。

力の均衡は馬に跨った女真とモンゴル連合軍が北西に大きく長城を迂回し、Img_6773

清流河の谷底をくぐって、北京に迫ることで失われる。

やがて彼らは、中華民族を支配下に治め、中国最後の王朝「清」を打ち立てるのである。

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三時過ぎ、明日走る42kエイド以降の湖岸コースを辿ってみようと約束してあった。

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どんな疲労度でここを走るのかは別にして、辿る道筋だけは確認したかったのである。

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コメント

無事御帰還おめでとうございます。
レースの内容が大変気になります。
明日からの展開が大変楽しみです。

投稿: 掛川ノブ | 2016年8月11日 (木) 08時00分

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