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2016年8月11日 (木)

馬頭

前夜祭があって豪華なバイキング料理が並び、最後のミーティングも(念押し)半分上の空であった。

そして食事の後のCultural showは、モンゴリアンミュージックとダンスだ。

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古来、蒙古人には四六時中即興の詩を創る癖があると言われてきた。

「青空が続いて、良い牧乾草が出来るように」、そして自分の乗る馬を褒める詩を創って、その馬に歌いかける。

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モンゴリアンブルーの空に歌いかけるのは「空よ、決して泣くな」と言う祈りである。

雨が降れば乾草が腐って、氷点下30度にもなる冬季に家畜は飢え死にしてしまうからだ。

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正に馬頭琴であって、私達の乗馬の際にも彼らの口笛は絶えることが無かった。

明日のレースを前に、その祈りの響きを私達は静かに聞いていた。

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馬頭琴は胡弓の様でもあり、その切ない音の流れにホーミーの不思議な響きが加わる。

そして、奏でる若者達が歌うその声は、まるで地底から伝わってくるかの様な低く太い響きである。

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3人の声が共鳴して、或はお経のようにも聞こえたりする。

曲は「我が馬よ」であり、「群馬」「英雄チンギスハーン」「モンゴルの人々」「ゴビ砂漠」と続く。

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時に、馬を疾駆させる際に発するシェィ-・シェィ-の鋭い声が混じる。

そこに若い娘が異様な装束で躍り出て、祈祷師の様にシャーマンの舞いを狂い舞うのである。

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後で知ったことだが、この奏者達の多くがランナーであり、翌日は一緒に走るのである。

ともあれ、この地はチベット仏教の地であって、古くからのラマ教の影響を色濃く残している。

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私達の走る道々にも、シャーマンの造った祈りの塔があって、ここを通過する際は右回りに三度回ってから通ることになっている。

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塔の上部には家畜の頭骨が飾られていることが多く、馬や牛と共に生きて来た彼らの習俗である。

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そのモンゴルの人達は今、大きく二つに分断されつつあるように思われてならない。

ウランバートルに住んで近代的な生活を謳歌している人々と、遥かなる高原に散らばってパオで古来からの生活を続ける人々である。

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後者は身なりも貧しく、学校も未だに三部制が続いているという。

裸馬に颯爽と跨る子供達の姿は頼もしくもあるが、それも国の大きな課題なのである。

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ともあれ、明日はいよいよレース本番を迎える。

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