歓喜の歌を共に
この年の瀬、一年365日を一日づつ埋めてきて、とうとうここまでやってきた。
さあ〜て、この一年をこの歓喜の歌に寄せて締めくくろう・・・・そんな気分で第九を聴いた。
3階の席から見下ろしていると、アクトの大ホールの座席が次々と埋まっていき、
(それは正にこの一年の様に)ほぼ一杯になると、やおらフィデリオ序曲が始まった。
この第九は、ベートーベンが53歳ころの作品で、もう既に彼の耳は聴力を失っていた。
日本の明治維新の頃に当たるが、当時のフランスは革命直後で大きく変わりつつあった。
この「苦悩を乗り越えて歓喜へ」と歌う第九は、時代を生きる人々への歓喜の呼びかけだったろう。
その歌詞にも、「天上の楽園から来た乙女よ、我らはあなたの聖なるところに情熱に溢れて足を踏み入れる。
優しい女性を得た、彼の歓喜の声に声を合わせよう。
兄弟よ君たちの道を走れ。勝利に向かう勇士の様に喜ばしく。
兄弟よ星空の上には、愛する神が住んでいるに違いない。
世界よ。彼を探そう。星の彼方におられる父なる君を。」と歌っている。
楽曲が進んで第四楽章になると400名の合唱団が登壇し、その歓喜の歌が始まるのだ。
もう何度も身に馴染んだ、ランラン ランランラ〜ララ、ララランラとかすかなリズムが始まる。
今からの歓喜の大合唱を殊更引き立てるように、密やかな期待を書きたてるように響く。
そして、オー、フロイデ、ニヒット と始まっていく。
歓喜の歌、それはこの一年間を「よお〜、やった!!」と祝福する歌ではないのか。
次第に高まる興奮を胸に、その荘厳な歌声と共に、この自分の一年を祝福しようとしていた。
いろいろとあったけど、それでも良くやったじゃないか。祝福しよう、祝福しよう、この一年をと。
あぁ〜、一年の終わりに第九を聴けるなんて、そりゃ最高だぜ。
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